手取りが少なすぎる……年収1000万円の理想と現実

配信日: 2021.11.28

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手取りが少なすぎる……年収1000万円の理想と現実
年収1000万円は、高所得者の年収としてイメージされていますが、実際の手取り額はどれくらいなのでしょうか。どんな生活を送っているのか、気になる人も多いでしょう。
 
本記事では、年収1000万円の手取りと、手取りが少なくなる理由を詳しく解説します。また、手取りを増やすための税金対策も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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中村将士

監修:中村将士(なかむら まさし)

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年収1000万円の手取りはいくら?

国税庁「民間給与実態統計調査(令和元年)」によると、年収が1000万~1500万円以下の会社員は3.5%です。
 
リクナビNEXTの「年収1000万円正社員の月収や手取り、貯金額は?」を参考に、年収1000万円の手取りはいくらくらいなのかを見ていきましょう。

【30代男性・年収1023万円】

●基本給・手当を合わせた額面金額:67万4312円
●所得税:4万2200円
●住民税:3万9800円
●健康保険料:1万9040円
●厚生年金保険料:5万6730円
●雇用保険料:2018円
●積立金など:4万5229円

1ヶ月の月給手取り額は46万9295円のため、手取り年収は563万1540円。それにプラスして、ボーナスが約254万円あるため、合計すると817万1540円です。
 
このことから、182万8460円が税金などで差し引かれることがわかりました。
 

なぜ手取りが少なくなるの?

給料からは、毎月さまざまな税金や保険料などが差し引かれます。年収1000万円の人は、年間で182万8460円もの金額が引かれていますが、一体なぜ手取りが少なくなるのでしょうか。
 
この見出しでは、年収1000万円の人の手取りが、少なくなる理由について紹介します。
 

所得税率が大幅アップする

所得税の税率は、累進課税制度が採用されており、5~45%の7段階に税率が区分されています。累進課税制度とは、課税所得金額が高ければ適用される税率が上がる制度のことです。
 
仮に、課税所得金額が1000万円であれば、税率が33%になりますが、課税所得金額が300万円なら10%と低くなります。課税所得金額が高ければ、それだけかかる所得税率が高くなるため、収入に対する手取りの割合が少なくなるわけです。
 

高校の学費無償化の対象外

「高等学校等就学支援金制度」は、授業料に充てるための就学支援金を支援することで、教育にかかる経済的負担の軽減などを目的としている制度です。
 
公立私立問わず、所得要件を満たす方(世帯で年収約910万円未満の世帯の生徒)に対して支給される制度のため、年収がこの額を超える世帯は対象外だと思われがちです。しかし、この制度は家族構成やそのほかの条件をクリアすれば支援が受けられます。
 
なぜならば、この支援制度の判定基準は年収ではなく、所得(保護者等の課税所得額の6%から市町村民税の調整額を差し引いた額が30万4200円未満であること)だからです。年収1000万円を超えていても、支援が受けられる可能性がありますので、希望している人は条件を確認してみましょう。
 

児童手当の減額

児童手当は、児童(中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童)を養育している方に対し支給されます。児童手当制度には所得制限限度額が設けられており、所得が限度額を超えた場合には特例給付(児童1人当たり月5000円)が支給されます。なお、所得制限限度額は扶養親族などの人数によって異なります。
 
年収が1000万円の場合、扶養親族などの人数によっては所得制限限度額を超えることがあります。この場合、児童手当は特例給付が支給されるため、児童手当は減額となります。
 

年収1000万円の人にはiDeCoがおすすめ

年収1000万円の人は、課せられる税金が高いため節税対策を立てる人が多くいます。税金対策については、iDeCoがおすすめです。
 
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、私的年金制度の1つです。原則60歳まで資産を引き出せないため、老後資金の準備の1つの方法として人気があります。
 
自分の公的年金や退職金などの状況を確認して、老後のために必要であれば、ぜひ検討してみてください。
 

年収が高ければ税金も高くなる

年収1000万円の手取り額は、817万1540円であり、182万8460円もの金額が税金などで引かれてしまいます。高所得者は、かかる税金も高いため、意識して節税対策を行っている人が多いです。
 
本記事を参考にして、ぜひご自分でできそうな節税対策があれば、取り入れてみてください。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:中村将士
新東綜合開発株式会社代表取締役 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 CFP(R)(日本FP協会認定) 宅地建物取引士 公認不動産コンサルティングマスター 上級心理カウンセラー

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