更新日: 2022.05.12 年収

警察庁長官と警視総監の年収はどちらが高い? 仕事内容などを解説

執筆者 : 古田靖昭

警察庁長官と警視総監の年収はどちらが高い? 仕事内容などを解説
警察庁のトップである警察庁長官と、警視庁のトップである警視総監は、実際にはどちらの地位が上なのかわからない方もいるのではないでしょうか?
 
官僚組織の序列は俸給によってすべてが決まります。本記事では、警察庁長官と警視総監の関係や仕事、年収を紹介していきます。
 
古田靖昭

執筆者:古田靖昭()

二級ファイナンシャルプランニング技能士

警察庁長官と警視総監の関係

警察庁長官は全国の警察組織のトップの役職で、警視総監は東京都を管轄する警視庁のトップです。つまりどちらがさらなるトップかといわれれば、警察庁長官になります。警視庁は、形式上ほかの道府県警察の1つに過ぎないように見えるものの、実質的には、首都警察として日本最大の警察組織です。
 
しばしば警察庁と警視庁が対立しているような表現が報道されたり、ドラマなどで描かれます。その原因は、首都警察を守ってきた歴史からといえるでしょう。
 
明治に入って日本を中央集権国家にしていくために、フランスの警察制度にならって、薩摩藩出身の川路利良(かわじとしよし)氏が制度改革を行います。1874年に現在の警察庁の前身組織である警保寮が内務省に設置され、同年に首都警察として東京警視庁が設置されました。
 
この時期は、全国の警察組織となる道府県警察が存在しておらず、これから設置していく状態でした。徐々に道府県に警察組織が整備され、現在の警察庁を頂点にした全国の警察組織が形作られました。警察庁と警視庁の設置が同時期であり、互いに首都を守ってきた歴史があるのです。
 
ただし、警視総監になる方は警察庁に出向している場合や、幹部である部門ごとの責任者の一部は警察庁の官僚が就任していることもあります。そのため対立と見える部分があるものの警察庁と警視庁が一体になっているという見方もできます。
 

警察庁長官の仕事

警察庁長官は、日本で唯一階級が適用されていない警察官で、全国の警察組織のトップになります。警察職員の任免や、都道府県警察の指揮監督、全国的に起こる大規模災害や、テロ事件、国際関係に重大な影響を与えるような犯罪の指揮などを行います。
 
例えば、オウム真理教事件は、テロ事件として警察庁を中心に、警視庁や、関係する道府県警と協力して解決しました。
 

警視総監の仕事

警視総監は、最高位の階級が適用された警察官で、東京都を管轄する警察組織のトップになります。また警察官の序列においても警察庁長官の次に位置する第2位です。警視庁の警視以下の階級にある方の任免や、警視庁の事務統括、警察職員の指揮監督などを行います。
 

警察庁長官と警視総監の年収

警察庁長官と警視総監はともに国家公務員の指定職に該当します。警察庁長官の同列には、各省事務次官や、金融庁長官、統合幕僚長などがいます。警視総監には、国税庁長官や、陸上幕僚長、海上幕僚長、航空幕僚長などが同列になります。
 
年収は俸給月額と地域手当、期末手当に絞って、警察庁長官を図表1、警視総監を図表2において、それぞれ算出していきます。
 
【図表1】「警察庁長官」

月額 年額
指定職俸給第8号 117万5000円 1410万円
地域手当 ※1 23万5000円 282万円
期末手当 ※2 381万8750円
(半年に1回分で計算)
763万7500円
(年に2回分で計算)

 
【図表2】「警視総監」

月額 年額
指定職俸給第7号 110万7000円 1328万4000円
地域手当 ※1 22万1400円 265万6800円
期末手当 ※2 359万7750円
(半年に1回分で計算)
719万5500円
(年に2回分で計算)

※1 地域手当はその地域の物価に応じた手当のことで、東京の場合俸給月額の20%分が支給されます。
※2 期末手当はいわゆるボーナスのことで、指定職の場合俸給月額の3.25ヶ月分が支給されます。
 
年収を計算すると、警察庁長官が2455万7500円、警視総監が2313万6300円になります。
 
警察庁長官や警視総監になるには、キャリア官僚である必要があります。つまり国家公務員総合職試験に合格して、警察庁に入庁することが必要です。大卒者の場合の初任給は、月額23万2840円で、大学院卒の場合であれば、初任給が26万4400円になります。
 
その後、刑事局や警備局などでキャリアを積み役職を経験していくことで、警察庁長官や警視総監になることが可能です。
 

出典

産経新聞 原口泉(69)近代日本警察の生みの親・川路利良
e-Gov法令検索 一般職の職員の給与に関する法律
内閣官房 国家公務員の給与(令和4年版)
人事院 国家公務員の諸手当の概要
内閣官房 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第17号)の概要
 
執筆者:古田靖昭
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