更新日: 2022.05.14 年収

財務官とは何をやっていてどのような役職なのか? 仕事内容や年収を解説

財務官とは何をやっていてどのような役職なのか? 仕事内容や年収を解説
財務官は、財務省の役職の中では次官級ポストといわれる重要な役職です。多くの場合、財務官は、国際局長を経験した方の最終ポストとなるケースが多いです。
 
本記事では、財務官の仕事内容や役割、年収について解説します。
古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

財務官の仕事

財務官は、為替や国際金融などの財務省国際局が所管する業務の次官級のポストで、財務省国際局長を経験した人が就任する場合が多いです。
 
財務事務次官の任期は一般的には1年が多いものの、財務官の場合は1年から3年と幅があります。過去最長の財務官は、2015年に就任して2019年に辞職した浅川雅嗣(まさつぐ)氏で、4年間務めました。
 
財務官の主な役割として、財務省の為替政策を行う責任者となります。為替政策を1国だけで行うのは、タブー視されており、必ず主要先進国の理解を得なければなりません。
 
金融危機や通貨問題が起きた際には、アメリカや、イギリス、ドイツなどの主要先進国の財務官と同じような役割を持つ実務者と協議を行って、為替介入を行います。
 
また定期的に、国際金融について協議も行っています。為替政策の担当者は別名、通貨マフィアと呼ばれており、市場関係者は通貨マフィアの発言や動きをみています。そのため、発言や行動によって市場に影響力を与える可能性がある役職といえるでしょう。
 
為替介入とは、例えば急激な円高などに対して、外国為替市場で円を売ってドルを買うことで、通貨危機に対応します。急激な円安時には、ドルを売って円を買うことです。1国だけでは効果が薄く、各国と協調して行うことが一般的で、合わせて中央銀行の金融政策もセットで行います。
 

財務官の年収

財務官は、国家公務員の指定職俸給第7号に該当し、国税庁長官や、海上保安庁長官、警視総監などが同列の俸給です。年収は、俸給月額と地域手当、期末手当に絞って図表1で算出していきます。
 
図表1

月額 年額
指定職俸給第7号 110万7000円 1328万4000円
地域手当 ※1 22万1400円 265万6800円
期末手当 ※2 359万7750円
(半年に1回分で計算)
719万5500円
(年に2回分で計算)

※2 期末手当はいわゆるボーナスのことで、指定職の場合俸給月額の3.25ヶ月分が支給されます。
 
財務官の年収を計算すると、2313万6300円になります。
 

財務官になる方法

財務官は、財務省にとって重要なポストの1つで、国際金融の仕事に携わっていくとなれる可能性が出てきます。
 
国際金融の仕事を行う部署が、財務省国際局です。財務省国際局の役職や、国際機関である経済協力開発機構(OECD)、国際通貨基金(IMF)などへの出向を重ね、財務省国際局長の役職を経験することで、財務官に就任するケースが多いです。
 
財務官を目指す場合、国家公務員総合職試験に合格した上で、財務省に入省することが理想的です。国家公務員総合職試験合格者で大卒者の場合の初任給は、月額23万2840円です。
 
財務省に入省して、国際局や国際機関の仕事を行っていくことで、やがては財務省国際局長を経て財務官になれる可能性があるでしょう。
 

出典

e-Gov法令検索 財務省設置法
人事院 指定職俸給表の適用を受ける職員の号俸の定め並びに職務の級の定数の設定及び改定に関する意見(令和4年度)
e-Gov法令検索 一般職の職員の給与に関する法律
内閣官房 国家公務員の給与(令和4年版)
人事院 国家公務員の諸手当の概要
内閣官房 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第17号)の概要
 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士

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