更新日: 2022.11.30 年収
年収1000万円でも手取りは700万円台。じゃあ、「手取り額が1000万円」になるのは年収いくら?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
年収1000万円稼いでも手取りが700万円台になってしまう理由
年収1000万円を稼いでも手取りはわずか700万円台になってしまいます。家族構成や節税をどこまで実施するかにもよりますが、おおむね750万円前後となるのではないでしょうか。
これほど手取りが減ってしまう理由は、日本の税制にあります。日本では基本的に、収入が上がればそれに応じて税金が高くなっていく累進課税という制度になっているからです。
例えば、所得税は課税される所得の金額(収入から各種控除を差し引いた後の金額)の5%から45%の税率となっています。年収400万円の場合、大抵は課税される所得金額が195万円から329万9000円の範囲に収まるため、所得税の税率は10%となります。それが年収1000万円になると、課税される所得金額が一気に上がり、税率が20%ないし23%になります。
これによって、年収1000万円を稼いでも手取りは750万円程度と、年収の75%程度になってしまうのです。なお、年収400万円ほどの一般的な年収であれば、税金を引いた後の手取りは320万円程度と、年収の80%程度になることが想定されます。
手取りが1000万円になるのは年収いくらから?
家族構成や節税対策をどこまで実施するかにもよりますが、手取り1000万円のためには年収1400万円程度が必要になります。これほどの年収になると税負担も重くなり、最終的な手取りは70%少々になります。手取り1000万円を実現しようと思ったら、年収1400万円を目指していくことになります。
手取り1000万円を実現するにはどのような職に就けばよい?
年収1400万円を目指し、手取り1000万円を実現するには高収入な職種で働くことが重要になります。マイナビ転職の発表した2022年版「職種別 モデル年収平均ランキング」によれば、最も平均年収の高い職種はコンサルタント(経営戦略)で平均年収1335万円でした。続いてシステムアナリストの1295万円、アクセス解析・統計解析の1048万円となっています。
職種 | 平均年収 | |
---|---|---|
1位 | コンサルタント(経営戦略) | 1335万円 |
2位 | システムアナリスト | 1295万円 |
3位 | アクセス解析・統計解析 | 1048万円 |
※マイナビ転職 2022年版 職種別 モデル年収平均ランキングを基に筆者作成
とはいえ、どの職種も平均年収が1400万円には達しておらず、会社員として働きながら年収1400万円を達成するのが困難であろうことが分かります。
手取り1000万円を実現するなら起業や副業が現実的な方法
正直なところ、平均年収が高い職種で、かつ、平均年収の高い会社に就職したり、ある程度出世をしたりしなければ、会社員で手取り1000万円を実現することは困難といえます。現実的に考えると、現在の人脈やスキルを生かして起業する、副業によって収入全体の底上げを狙う、などという方法になるでしょう。
しかし、起業にはリスクが伴います。そういったリスクが許容できないという場合は、副業をしながら堅実に物事を進め、軌道に乗ったところで脱サラして経営者にくら替えという方法が考えられます。
手取り1000万円になるには年収1400万円くらいは必要
個別の具体的な事情によっても異なりますが、手取り1000万円を達成するためには年収1400万円程度が必要となります。会社員で年収1400万円を実現するのは容易ではありません。一部の高収入な職種や業界で成果を出すことが求められます。
手取り1000万円を目指す方は現在の会社や職種にこだわることなく、転職や起業も視野に入れて考えていくことで、その目標に近づくことができるのではないでしょうか。
出典
国税庁 No.2260 所得税の税率
マイナビ転職 2022年版 職種別 モデル年収平均ランキング
執筆者:柘植輝
行政書士