年収800万円の手取り額は? 将来、厚生年金はいくらもらえる?
配信日: 2023.01.08 更新日: 2024.07.29
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
年収と手取りの違い。年収800万円の手取りは?
ご存じの方も多いでしょうが、例えば年収が800万円だとしても、その全額が自由に使えるお金になるわけではありません。額面上の年収から所得税や住民税、社会保険料といった各種税金などを差し引いた金額が実際に手元に残るお金、いわば手取りとなります。
家族構成や節税対策などにもよりますが、一般的な会社員の場合、年収に対する手取りの割合は80%前後です。年収800万円の会社員では、手取りはおおよそ600万円から640万円前後になるでしょう。
求人広告や求人票に記載される給与のほか、勤務先で昇進・昇給の際に提示される金額は、基本的には額面上の金額であるため注意が必要です。
将来受け取る厚生年金はどう決まる?
原則65歳から支給される厚生年金(老齢厚生年金)は、おおむね現役時代の平均年収に比例します。厚生年金の支給額は、厚生年金に加入していた期間と、その間に納めてきた厚生年金保険料に比例して高くなっていくからです。
厚生年金の保険料は、給与(報酬月額)に応じて1等級から32等級の区分があり、この等級が上がれば負担する保険料も高くなるため、基本的には厚生年金加入期間の年収が高い人ほど、将来受け取る厚生年金が多くなります。
なお、厚生年金の加入者は同時に国民年金にも加入していますが、国民年金は保険料も支給額も年収に関係なく一律となっています。従って、将来受け取る年金の国民年金部分の金額は、現役時代の年収には左右されません。
年収800万円の方の厚生年金額
年収800万円の方が将来受け取る厚生年金の金額は、どれくらいになるのでしょうか。厚生労働省の「公的年金シミュレーター」を使って試算してみます。
例えば1991年5月生まれで、23歳から65歳まで厚生年金に加入して額面年収800万円で働いた場合、年間で受け取る厚生年金(見込み額)は国民年金を含めて年間259万円になります。月額に換算すると約21万5800円です。
図表1
出典:厚生労働省 「公的年金シミュレーター」
とはいえ、これはあくまでも上記の厚生年金加入期間に平均で800万円の年収があったケースでの試算です。
では、23歳から30歳まで年収350万円、31歳から45歳までは年収450万円、46歳から53歳まで年収600万円、54歳から65歳までは年収800万円という条件で試算してみます。
図表2
出典:厚生労働省 「公的年金シミュレーター」
この場合、年間で受け取る厚生年金の金額は、国民年金を含めて年間207万円となり、月額換算では17万2500円です。
最終的な年収が同じ800万円でも、現役時代で平均して年収800万円だった方と比較すると、年金額は1ヶ月当たり4万円以上少なくなっています。
自分の年金額の試算や確認をしたいときは?
ここまで見てきたように、将来受け取れる厚生年金の金額は個々の事情によって大きく異なります。
自身の年金額(見込み額)について、年収や働き方など異なる条件で詳しく試算したい場合、日本年金機構のインターネットサービス「ねんきんネット」を利用する方法もあります。
また、50歳以上の方であれば「ねんきんダイヤル」や電子申請での申し込みにより、年金見込み額の試算について回答を受けられるほか、年金事務所に問い合わせて確認することもできます。
まとめ
年収800万円の方の手取りは、おおよそで600万円から640万円が目安となります。また、将来受け取る厚生年金(国民年金を含む)は、厚生年金の加入期間にもよりますが、多くても月額21万円程度になると想定されます。
年収と手取りの違いを確認し、また年金の見込み額をシミュレーションすることで、今後の働き方や老後について考えてみてください。
出典
厚生労働省 公的年金シミュレーター
日本年金機構 年金見込額試算
執筆者:柘植輝
行政書士