更新日: 2023.05.08 年収

50歳で課長から部長に昇進。課長級と部長級の「年収の差」は100万以上!?

50歳で課長から部長に昇進。課長級と部長級の「年収の差」は100万以上!?
定年を意識し始める50歳代で課長から部長に昇進する方もいらっしゃるかと思いますが、一般的には役職が上がると年収も増えます。そこで、課長と部長では平均年収はどれくらい変わるのか、また50歳で部長に昇進した場合、定年までに年収の差はどのくらいになるのか確認していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

部長の平均年齢は何歳? 50歳での昇進は遅い?

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によれば、部長の平均年齢は全体で52.7歳、男性で52.8歳、女性では52.1歳と大きな差はなく、50歳で課長から部長となっても昇進のスピードは遅い方ではないでしょう。
 
ただし、勤続年数で見ると違いが多少あり、全体では22.1年、男性では22.4年ですが、女性は18.6年となっています。
 

課長級と部長級の年収の差は?

賃金構造基本統計調査での課長級と部長級の賃金(企業規模10人以上の企業)を比較してみると、全体では課長級の48万6900円に対して、部長級では58万6200円と月額で約10万円の差があります。
 
年間に換算すると約120万円の差となりますが、賞与が支給されることを考えた場合、年収の差はさらに大きくなると想定されます。
 
同調査による部長級の年間賞与は全体の平均で198万9200円なのに対し、課長級は184万2800円となっています。月額賃金と年間賞与の平均で比較すると、課長級と部長級の年収差は133万8000円です。仮に50歳で部長に昇進して60歳で定年を迎えた場合、10年間での差は1338万円となります。
 
上記はあくまでも統計による平均を基にした単純な試算で、勤務先によって給与はもちろん、賞与の計算などが役職で異なることもありますが、課長から部長への昇進による年収の差がいかに大きなものであるか実感できるでしょう。
 

部長になると年収だけでなく悩みも増える?

部長は部署のトップとして業務を管理しながら、課長をはじめとした人材を育成する立場になるため、多くの悩みを抱えることも珍しくないようです。
 
学校法人産業能率大学総合研究所が実施した「第2回 上場企業の部長に関する実態調査」によると、悩みを感じている項目では約4割が「部下がなかなか育たない」と回答しています。
 
図表1
 

 
出典:学校法人産業能率大学総合研究所 「第2回 上場企業の部長に関する実態調査」
 
その他に回答が多かった項目では、部下の評価が難しいことや業務量の多さなど、自身だけでなく部下についての事柄も含めて、部長としてさまざまな悩みがあるというのが分かります。なお、「悩みは特にない」という回答は全体の15.8%となっています。
 
また、96.9%と多くの方が管理職とプレイヤーとしての業務を兼務する、いわゆるプレイングマネジャー状態となっているようです。
 
図表2
 

 
出典:学校法人産業能率大学総合研究所 「第2回 上場企業の部長に関する実態調査」
 
プレイヤーとしての仕事量の割合については「21~30%」という回答が最も多く、次いで「41~50%」となっています。加重平均したプレイヤーとしての仕事量は43.9%となるようで、部長に昇進しても業務の4割程度ではプレイヤーとなる点を考えると、部長と課長で平均年収に100万円以上の差がつくのも納得がいきます。
 

部長への昇進で大幅な年収アップを期待できるが悩みも増える可能性大

勤務先など条件にもよりますが、課長から部長への昇進によって100万円以上の年収アップを狙うこともできるようです。
 
しかし、部下の育成など新たな悩みが生まれることもあるほか、管理職とプレイヤーとしての仕事の両立といった苦労も少なくはありません。キャリアアップして収入も大きく増える反面、それに見合うだけの成果や責任も求められることになるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

e-Stat 賃金構造基本統計調査

学校法人産業能率大学総合研究所 第2回 上場企業の部長に関する実態調査

 
執筆者:柘植輝
行政書士

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