更新日: 2023.08.08 年収

年収500万円の会社員、「独り身」「家族4人世帯」で手取り額はいくら違う?

年収500万円の会社員、「独り身」「家族4人世帯」で手取り額はいくら違う?
年収が500万円であっても、税金などが差し引かれるため、手取り額は減少します。さらに、同じ年収でも、独り身と家族4人世帯では控除などに違いがあるため、手取り額も異なります。年収から差し引かれる税金や保険料を理解し、手取り額が具体的にどれくらいになるかを把握することは非常に重要です。
 
本記事では、年収から引かれるものや、年収500万円の会社員の手取り額について解説します。手取り額をシミュレーションして、より具体的な資金計画を立ててください。
FINANCIAL FIELD編集部

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年収から引かれるもの

会社員の年収から控除される項目には、所得税、住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などがあります。これらの税金や保険料が、どれくらい引かれるのかを把握しておくことは大切です。例えば、所得税の場合は、最大45%の税率が適用されます。
 
本項では、年収から引かれる税金や保険料、計算方法などについて確認していきましょう。
 

所得税

年収からは所得税が引かれます。所得税は、課税所得額に応じて、税率が5〜45%の範囲で適用されます。所得税率は、図表1のとおりです。
 
【図表1】
 

課税所得額 税率 控除額
1000円〜194万9000円 5% 0円
195万円〜329万9000円 10% 9万7500円
330万円〜694万9000円 20% 42万7500円
695万円〜899万9000円 23% 63万6000円
900万円〜1799万9000円 33% 153万6000円
1800万円〜3999万9000円 40% 279万6000円
4000万円以上 45% 479万6000円

 
※国税庁「所得税の税率」より
 
例えば、課税所得額が300万円の場合、所得税は20万2500円(300万円×10%-9万7500円)となります。
 

住民税

住民税は、課税所得額に応じて計算される所得割(10%)と、所得に関係なく一律で課税される均等割(5000円)の2つの要素で構成されています。
 
例えば、課税所得額が300万円の場合、住民税は30万5000円となります(自治体によって異なる場合があります)。
 

健康保険料

会社員の場合、給料から健康保険料が差し引かれます。健康保険料は「標準報酬月額×健康保険料率÷2」の方法で算出できます。
 
例えば、東京都在住で全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入しており、標準報酬月額が30万円の場合、健康保険料は月に1万5000円(介護保険第2号被保険者に該当しない場合)となります。
 

厚生年金保険料

会社員の場合、給料から厚生年金保険料が控除されます。厚生年金保険料は、標準報酬月額に応じて決定されます。
 
例えば、東京都在住の場合で、標準報酬月額が30万円の場合、厚生年金保険料は月2万7450円です。
 

雇用保険料

雇用保険は、労働者が失業した際などに備える公的保険制度であり、一般事業においては雇用保険料率が0.006%です。雇用保険料は「給与額×雇用保険料率」で計算されます。
 
例えば、給与額が30万円の場合、労働者が支払う雇用保険料は月に1800円となります。
 

年収500万円の会社員で「独り身」の場合の手取り額

年収500万円の会社員で独り身の場合、手取り額は以下のとおりです。
 

<シミュレーション条件>

東京都在住
35歳、単身
年収:500万円(月額41万6000円、ボーナスなし)
標準報酬月額:41万円
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入
給与所得控除:144万円
基礎控除:所得税48万円、住民税43万円

 

●所得税

13万7886円
 
・課税所得計算式:給与所得(年収)500万円-給与所得控除144万円-基礎控除48万円-社会保険料控除72万6132円(健康保険料24万6000円+厚生年金保険料45万180円+雇用保険料2万9952円)=235万3868円
 
・所得税計算式:235万3868円×10%-9万7500円=13万7886円
 

●住民税

24万5386円
 
・課税所得計算式:給与所得(年収)500万円-給与所得控除144万円-基礎控除43万円-社会保険料控除72万6132円(健康保険料24万6000円+厚生年金保険料45万180円+雇用保険料2万9952円)=240万3868円
 
・住民税計算式:所得割…240万3868円×10%=24万386円
        均等割…5000円
        合計……24万5386円
 

●健康保険料

月2万500円
年間24万6000円
 

●厚生年金保険料

月3万7515円
年間45万180円
 

●雇用保険料

月2496円
年間2万9952円
 

◆手取り額(年間)

389万596円
・手取り額計算式:389万596円(給与所得(年収)500万円-所得税13万7886円-住民税24万5386円-健康保険料24万6000円-厚生年金保険料45万180円-雇用保険料2万9952円)
 
※医療費控除などは考慮していません。
※上記は概算となりますので、実際の金額とは異なる場合があります。
 

年収500万円の会社員で「家族4人世帯」の場合の手取り額

年収500万円の会社員で家族4人世帯の場合、手取り額は以下のとおりです。
 

<シミュレーション条件>

東京都在住
35歳、家族4人(専業主婦、幼児2人)
年収:500万円(月額41万6000円、ボーナスなし)
標準報酬月額:41万円
全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入
給与所得控除:144万円
基礎控除:48万円
配偶者控除:38万円、住民税43万円

 

●所得税

9万9886円
 
・課税所得計算式:給与所得(年収)500万円-給与所得控除144万円-基礎控除48万円-配偶者控除38万円-社会保険料控除72万6132円(健康保険料24万6000円+厚生年金保険料45万180円+雇用保険料2万9952円)=197万3868円
 
・所得税計算式:197万3868円×10%-9万7500円=9万9886円
 

●住民税

20万7386円
 
・課税所得計算式:給与所得(年収)500万円-給与所得控除144万円-基礎控除43万円-配偶者控除38万円-社会保険料控除72万6132円(健康保険料24万6000円+厚生年金保険料45万180円+雇用保険料2万9952円)=202万3868円
 
・住民税計算式:所得割…202万3868円×10%=20万2386円
        均等割…5000円
        合計……20万7386円
 

●健康保険料

月2万500円
年間24万6000円
 

●厚生年金保険料

月3万7515円
年間45万180円
 

●雇用保険料

月2496円
年間2万9952円
 

◆手取り額(年間)

396万6596円
・手取り額計算式:396万6596円(給与所得(年収)500万円-所得税9万9886円-住民税20万7386円-健康保険料24万6000円-厚生年金保険料45万180円-雇用保険料2万9952円)
 
※上記は概算となりますので、実際の金額とは異なる場合があります。
 
上記の計算から、独り身と家族4人世帯を比較すると、同じ年収500万円でも年間の手取り額は家族4人世帯のほうが7万6000円多くなります。
 

独り身より家族4人世帯のほうが手取り額は多い傾向がある

会社員の年収からは、所得税や住民税、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などが差し引かれます。また、同じ年収でも独り身と家族4人世帯では、控除が異なるため、家族4人世帯のほうが手取り額は多い傾向にあります。
 
早速、将来の年収予想に基づいて手取り額をシミュレーションし、具体的な資金計画を立ててみましょう。
 

出典

国税庁 所得税の税率

全国健康保険協会 協会けんぽ 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表

厚生労働省 令和5年度雇用保険料率のご案内

国税庁 配偶者控除

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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