更新日: 2023.10.31 年収

ボーナス「50万円」なのに、手取りは40万円を切っている!? 少しでも「手取り」を増やすためにできることはある?

執筆者 : 平原あかり

ボーナス「50万円」なのに、手取りは40万円を切っている!? 少しでも「手取り」を増やすためにできることはある?
ボーナスの支給はうれしいものですが、支給されるたびに気になるのが控除される税金・社会保険料の高さですよね。
 
額面では50万円を超えているのに手取り額は40万円を切っている、なんてことも。「どうにかして額面のままもらう方法はないのか?」と考えたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
 
残念ながらボーナスを控除前の金額でもらう方法はありませんが、控除されるものの中でも金額が大きい社会保険料が、ボーナスから控除されないようにする方法が2つだけ存在します。
 
1つは、ボーナスが支給された月の間に退職すること。もう1つは産休・育休中にボーナスが支給されるようにすることです。この2つについて詳しく解説します。
平原あかり

執筆者:平原あかり(ひらはら あかり)

社会保険労務士・FP2級

ボーナスから控除されているものは?

ボーナスから控除されるのは、社会保険料(健康保険・厚生年金)、雇用保険料、所得税です。住民税は1年分の金額を12回に分割し、毎月の給与から控除されるため、ボーナスからは控除されません。
 

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ボーナスから控除される社会保険料・雇用保険料・所得税の金額は?

社会保険料はボーナスの額面の金額に保険料率をかけて計算します。
 
保険料率は2023年度の東京都の場合で健康保険料率が10%、介護保険料率(40歳以上が加入)が1.82%、厚生年金保険料率が18.3%で合計30.12%。50万円×30.12%で、15万600円となります。社会保険料は労使折半のため、半額の7万5300円が従業員の負担となり、社会保険料として控除されることとなります。
 
また、雇用保険料は0.9%で、そのうち雇用主が0.6%、従業員が0.3%を負担します。50万円×0.3%で1500円となり、これが控除されます。
 
最後に所得税についてです。所得税率は、支給前月の給与から社会保険料を控除した金額を、国税庁が発表する「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に照らして決定されます。仮に、前月の給与から社会保険料を控除した金額が30万円の場合、税率は8.168%となり、30万円×8.168%で、2万4504円となります。
 
以上を合計すると、7万5300円+1500円+2万4504円=10万1304円がボーナス50万円から控除されます。つまり手取り額は、50万円-10万1304円=39万8696円となり、40万円を切ってきます。
 

社会保険料が控除されない2つの場合

社会保険料が控除されないのは、以下の2つの場合のみです。


(1)ボーナスが支給された月の間に退職(社会保険の資格を喪失)する場合
(2)産休・育休中にボーナスが支給される場合

(1)ボーナスが支給された月の間に退職する場合

会社は、「月の末日時点」で会社に在籍している従業員を社会保険の加入者として、その従業員分の社会保険料を納める必要があります。そのため、月の末日時点ですでに在籍していない、すなわち社会保険の加入資格を喪失している場合、その月の分の社会保険料はかからないので保険料は控除されません。
 
この際に注意が必要なのは、社会保険の加入資格は退職日の翌日に喪失されるという点です。例えば、12月にボーナスが支給された後に退職する場合は以下のようになります。
 

・12/30に退職した場合、12/31に社会保険の加入資格を喪失

→月の末日(12/31)時点で資格を喪失しているため、12月分の社会保険料はかからない(=ボーナスから控除されない)
 

・12/31に退職した場合、1/1に社会保険の加入資格を喪失

→月の末日(12/31)時点では資格を喪失していないため、12月分の社会保険料がかかる(=ボーナスから控除される)
 
このように、退職日が1日違うだけでボーナスの手取り額が大きく変わります。
 

(2)産休・育休中にボーナスが支給される場合

産休・育休中には社会保険料が免除されるため、その間に支給されたボーナスについても免除の対象となります。
 
ただし育休中の社会保険料の免除には「当該ボーナス月の末日を含む連続した1ヶ月を超える育休を取得した場合に限り免除される」という要件があります。1ヶ月を超えるかどうかは暦日で判断し、土日やシフト休など、もともとの会社の休日も期間に含みます。
 
以前はボーナスが支給される月の末日に育休を取得していれば社会保険料が免除されていましたが、育休取得日によって差が出るのは不公平だということで2022年10月から改正されました。
 

ボーナスの手取りを増やすことは難しい

前述のように、退職する場合はボーナスをもらう月にする、ボーナスの支給日に合わせて育児休業を取得するなどの方法でボーナスの手取り額を増やすことができますが、どちらも何度も使えるような方法ではありません。
 
残念ながらボーナスを額面のままもらえる方法はなく、手取り額を増やすことも難しいと言えます。
 

出典

厚生労働省 令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表
国税庁 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(令和4年分)
日本年金機構 退職した従業員の保険料の徴収
日本年金機構 育児休業期間中の社会保険料免除要件が見直されます。
 
執筆者:平原あかり
社会保険労務士・FP2級

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