やっとの思いで「課長」に昇進! ようやく年収500万円を超えて喜んでいたら、大企業の友人は「係長」でも自分より年収が高いらしくビックリ! 大企業ってなぜ給料が高いのでしょうか?
配信日: 2024.11.09 更新日: 2024.11.11
課長に昇進して喜んでいたものの、「大企業に勤める係長の友人が、自分よりも低い役職にもかかわらず、年収は高い」ということを知るケースもあるかもしれません。
本記事では、企業規模によってどれくらい年収が違うのかや、大企業の平均年収が高い理由などについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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年収は企業規模が大きくなるほど高くなる傾向にある
一般的に、会社員の年収は勤務する事業所の規模が大きくなるほど高くなる傾向にあります。国税庁の「令和5年分民間給与実態統計」によると、給与所得者における事業所規模別の平均年収は次のとおりです。
●1~4人:344万3000円
●5~9人:415万9000円
●10人以上:420万9000円
●30人以上:424万5000円
●100人以上:446万5000円
●500人以上:494万2000円
●1000人以上:526万7000円
●5000人以上:520万8000円
「課長」「係長」の平均年収はどれくらい?
会社の事業規模が大きくなるほど平均年収は高くなる傾向であることが分かりましたが、企業の規模が違うとしても、「課長」と「係長」を比べた際、「係長」のほうが、給料が高いということはあり得るのでしょうか。
一般的に「課長」は「係長」よりも上の立場ですので、同一企業であれば課長のほうが給料は高くなる場合がほとんどでしょう。とはいえ、企業が違えば逆転する可能性は十分にあります。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、企業規模が10~99人の中小企業と1000人以上の大企業の課長と係長の平均年収(基本給に賞与などの特別給与を加えた年収総額)は図表1の通りです。
図表1
10~99人 | 1000人以上 | |
---|---|---|
課長 | 598万5200円 | 984万3000円 |
係長 | 499万6700円 | 652万800円 |
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査を基に筆者作成
このように、同じ課長や係長という役職でも、企業規模により平均年収はかなり異なります。企業規模が10~99人の中小企業に従事する課長と、1000人以上の大企業に従事する係長の平均年収を比較すると、後者のほうが50万円ほど高くなっています。
この指標はあくまでも平均ですので一概には言えないものの、中小企業の課長よりも大企業の係長のほうが、年収が高いことは十分あり得るといえるでしょう。
大企業の平均年収が高い理由
大企業の平均年収が高いのには、いろいろな理由が考えられます。代表的なものを見ていきましょう。
労働生産性が高い
中小企業庁によると、企業規模が大きいほうが、従業員一人当たりの付加価値額(労働生産性)が高い傾向にあるとしています。
労働生産性が高いとは、少ない労力で高い利益を得られることを意味し、その結果より多くの利益を従業員に還元することが可能です。
労働生産性が高い大企業では利益体質も盤石となり、従業員への還元、つまり高い給与水準にもつながりやすいでしょう。
大規模な投資が可能で、ブランド力や資金力の強みを活かせる
大企業は潤沢な経営資源を使って、研究開発やマーケティングなどの分野に多額の投資が可能です。さらにそれによって生み出された技術力やブランド力を活かして、付加価値の高い製品やサービスを継続的に提供できます。これにより、高い利益を生み出し、社員にも高い報酬を支払うことが可能です。
労働組合や労働交渉力が高い
大企業では労働組合が存在し、給与や待遇について労働組合と会社が定期的に労働条件について交渉することが一般的です。これにより、賃金水準の向上が見込まれます。
一方、中小企業では労働組合が存在しないか、労働交渉力が弱く、給与交渉の機会が少ない場合があります。
まとめ
一般的に大企業の給与水準は高いため、中小企業で課長として勤務する人より、大企業で係長として勤務する友人のほうが高い年収を得ている場合も珍しくありません。
とはいえ、企業や仕事の価値は年収だけで決まるものではありません。自分にとっての働きがいやキャリアプラン、職場環境、ワークライフバランスなど、年収以外の面も重要です。仮に転職を考える場合でも、給与だけでなく、全体的なバランスを見て判断しましょう。
出典
国税庁 令和5年分民間給与実態統計調査 第5表 事業所規模別及び給与階級別の給与所得者数・給与額
厚生労働省 令和5年賃金構造基本統計調査
中小企業庁 2022年版 中小企業白書 第6節 労働生産性と分配
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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