更新日: 2024.11.11 年収
息子が無事「一級建築士」になったそうです。試験に合格するのは難しいと聞きますが、二級建築士と年収は変わるのでしょうか?
一級建築士になれば二級建築士よりも年収が高くなるのか、また、努力するだけの価値はあるのかなど、気になることもあるはずです。
そこで今回は、一級建築士の年収や二級建築士との違いについて調べてみました。資格取得の難易度もご紹介しますので、建築士の資格取得を目指している方は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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一級建築士と二級建築士の年収
建築士とは、建築物の設計や監理などを行う専門家のことです。資格には一級と二級があり、勤務先は建築設計事務所・ハウスメーカー・工務店・ゼネコンなどさまざまで、雇用形態などによっても収入は異なります。
そのため、一級建築士と二級建築士の年収を比較してどちらが高いかは、一概に言い難いでしょう。
一級建築士の年収の目安については、大枠である「建築技術者」のデータを参考にできます。総務省統計局の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、建築技術者の平均年収は632万7800円でした。
求人によっては、例えば「一級建築士の月給は45万円~、二級建築士は30万円~」のように、1級所持者を優遇している場合もあるようです。
仮に、一級建築士の月給が45万円の場合、ボーナスを除く年収は540万円です。一方で、二級建築士の月給が30万円だとボーナスを除く年収は360万円であり、一級建築士とは180万円の差があります。
一級建築士と二級建築士の違い
一級建築士と二級建築士には、免許の交付元や設計できる建築物に違いがあるようです。一級建築士は、国土交通大臣によって与えられる免許で、一級建築士試験に合格してから一級建築士名簿に登録する必要があります。
登録がされていないと、試験に合格していても一級建築士とは認められません。二級建築士は、都道府県知事の行う二級建築士試験または木造建築士試験に合格し、管轄する都道府県知事の登録を受ける必要があります。設計できる建築物については以下の通りです。
・一級建築士:すべての構造・規模・用途の建築物について設計・工事監理を行える
・二級建築士:比較的小規模な建築物についてのみ設計・工事監理を行える
設計できる建築物に制限のない一級建築士であれば、大規模な建築プロジェクトや国際的なプロジェクトなどに参加することも可能で、二級建築士と比較して年収も高くなる可能性が考えられます。
資格取得の難易度を比較
公益財団法人建築技術教育普及センターによると、令和5年における一級建築士と二級建築士の合格率は以下の通りです。
・一級建築士:総合9.9%(学科:16.2%/製図:33.2%)
・二級建築士:総合22.3%(学科:35.0%/製図:49.9%)
一級建築士の方が二級建築士よりも合格率は低く、受験者の約9割が落ちてしまう難易度の高い試験であることが分かります。そのため、無事に一級建築士になった息子さんは、相応の勉強時間と入念な準備で一級建築士の試験に合格したことが考えられます。
一級建築士よりも合格率は高いとはいえ、二級建築士も受験者の7~8割が落ちてしまう難易度の高い試験であるといえるでしょう。
一級建築士と二級建築士の年収は一概に比較できない! 両者の違いを理解したうえで資格取得を目指そう
建築士といっても、勤務先や雇用形態などによって収入は異なるため、一級建築士と二級建築士の年収を一概に比較することはできません。大枠である「建築技術者」の年収を調べてみたところ、平均632万7800円でした。求人によっては、一級の所持者を給料面で優遇している場合があるようです。
一級建築士は合格率が9.9%と低く、難易度の高い比較であるといえます。合格すればすべての構造・規模・用途の建築物について設計・工事監理を行えるようになり、建築技術者の平均的な年収よりも多くなる可能性はあるでしょう。
一級と二級のどちらにするか迷った場合は、両者の難易度だけでなく、設計できる建築物の違いも理解したうえで、自分が目指すキャリアに合わせて選ぶといいでしょう。
出典
務省統計局 政府統計の総合窓口(e-Stat)賃金構造基本統計調査/令和5年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種 表番号1
公益財団法人建築技術教育普及センター 一級建築士試験 試験結果
公益財団法人建築技術教育普及センター 二級建築士試験 試験結果
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー