相続に関することは、親と話しにくい……! 生前に話しておきたいポイントは?

配信日: 2021.08.27

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相続に関することは、親と話しにくい……! 生前に話しておきたいポイントは?
相続についての話題は、相手の方が亡くなったと仮定して話を進めていくため、人によっては抵抗を感じることがあります。そういった感情の問題から、親と相続に関する話をしておきたくても、なかなか切り出せずにいる方もいるのではないでしょうか。
 
しかし、あきらめることはありません。相続の話題はポイントを押さえておくことで、少ない抵抗感でわだかまりなく進めていくことができます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

相続について親と話すことの必要性

相続について、親が元気なうちに話しておくことは非常に重要です。なぜなら親の死後、親が残した財産や負債について整理するのは子の役割になるからです。
 
人生100年時代、長生きすればするほど親の財産をめぐる権利関係は複雑となり、生前に全く財産の状況について聞いていない状態から相続財産を調査し、遺産分割をするのは相当な労力を要します。
 
その過程で思わぬ財産や負債が見つかったり、相続人間で財産の分け方について意見が合わないなど、相続争いが発生してしまうこともあります。
 
相続について話しておくことは、親が今後の生き方を見つめることにも役立つ場合があります。相続の話題は決して後ろ向きなものではなく、親子の将来について考えていくのに必要なことなのです。
 

生前に話しておきたいポイントは

生前に話しておきたい相続に関するものといえば、やはりお金にまつわることです。特に相続財産となるものの種類と保管場所は必須です。
 
いきなり具体的な数量や金額までとはいかなくても、預金や金融商品を保有している金融機関、所有している不動産の場所など、相続発生時に容易に相続財産を特定して、相続の手続きがスムーズに行える程度の情報は共有しておくべきです。
 
ローンなど負債があるようなら、それについても話しておくと、予想もしない負債の発覚という不意打ちを防ぐことができます。
 
相続に対する親の考え方、遺産分割の方法などについても話し合っておくとよいでしょう。例えば、家と土地は現在同居している長男に相続してほしい、というような親の意向についてです。
 
他にも、親が過去に離婚した相手との間の子の認知や養子縁組などをしており、現在は関係が希薄だが相続人となり得る人がいる場合は、その人の情報や連絡先などについても聞いておくことができれば、予期せぬ相続人の存在が発覚して相続争いが生じるという事態を防ぐことができます。
 

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相続に関する話を親に切り出せないときは?

相続に関する話は非常にデリケートであり、いくら気心の知れた親子関係であっても、なかなか切り出せないのも無理はありません。特に大切なのはタイミングです。
 
例えば、お盆や正月で家族全員が揃うタイミングや、親が定年して老後の生活をスタートさせたとき、年齢が近い親せきなどが亡くなって死を身近に感じたときなど、折を見て切り出してみるとスムーズに話を進めることができる場合もあります。
 
他にも、テレビや雑誌で相続トラブルの話を見聞きしたときに振ってみるのも悪くありません。一度真剣に話し始めると、親の年齢や健康状態などタイミングにもよりますが、あっさりと話が進むこともあります。
 
ただし、相続の話題について親の拒否反応が強い場合、無理に話を進めていくべきではありません。無理に話そうとすれば、余計に困難になることも考えられます。
 
まずは親の反応をうかがってみて、拒否反応があれば一度引いて後日あらためて話してみる、といった形で少しずつ進めていくというのが親と相続の話をするためのコツです。
 

大切な相続の話だからこそ、少しずつでも進めていくこと

相続について親と話すのは、親子の将来にとって大切なことになります。かといって無理に話そうとすれば、親子の関係に溝をつくる原因にもなりかねません。
 
話しておくべきポイントを押さえて、無理強いせず、親の様子に合わせて少しずつ話し合いを進めていくようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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