親の相続で予想もしなかった相続人がいた場合…。相続手続きはどうなる?

配信日: 2021.09.03

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親の相続で予想もしなかった相続人がいた場合…。相続手続きはどうなる?
相続では大抵、亡くなった方の配偶者や子、兄弟姉妹など、関係の近しい者同士が相続人となる場合がほとんどです。しかし、ごくまれに全く知りもしない方や、思いもしなかった親族の方が相続人となることがあります。
 
予想外の相続人が現れた場合、どう相続手続きを進めていくべきなのでしょうか。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

どんなときに予想外の相続人が現れる?

基本的に相続人となるのは亡くなった方の配偶者や子、兄弟姉妹など、家族と呼ばれる人間になることがほとんどです。
 
親の相続を例にして考えてみましょう。この場合、子である自分以外に相続人なる方といえば、亡くなった親(被相続人)の配偶者や自分の兄弟姉妹、親の兄弟姉妹などとなるわけです。
 
しかし、亡くなった方が長く生きていれば、多くの人と関わる中で人間関係が複雑になり、家族と呼べるような人が増えていくこともあります。
 
例えば、過去に離婚しており、当時の配偶者との間に子どもがいた場合や、周囲の知らぬ間に養子縁組をしていた場合などがいい例です。現在は一切連絡を取っていない前配偶者との子や血のつながっていない養子であっても、相続人となる資格を有していることがあるのです。
 
その他にも婚姻関係がない相手との間に子がいて、その子を認知している場合なども、全く知らない人が相続人となるパターンの1つです。
 

特定の相続人を省いて遺産分割したらどうなる?

会ったこともない人や希薄な関係の人だから相続させたくないと考えても、その人を抜きに遺産分割をしてはいけません。相続人のうち、一部を除いて行われた遺産分割は無効となるからです。
 
遺産は分割されるまで相続人全員の共有物であるため、その処分は全員で決定する必要があります。
 

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疎遠な人、顔も知らない相続人とどう連絡を取ればいい?

相続人の範囲を確定させるために戸籍を取り寄せて調査したところ、疎遠であったり、顔も知らない人が相続人になることが判明した場合、多くの方は対応に戸惑うことでしょう。
 
どう話を進めていけばいいか悩む前に、そもそも連絡先すら知らないということも珍しくはないはずです。
 
連絡先が一切不明であるといった場合、まずは住所を調査します。相続人となれる方は、必ず亡くなった方と戸籍がつながっています。亡くなった方の出生から亡くなるまでの戸籍を全て取り寄せて見ていき、最終的に相続人となる方の戸籍の附票を取得して住所を確認します。
 
そして、その住所宛に相続が発生したことや自身の連絡先を記載しておくなど、突然の連絡でも相手が困惑しないような内容の手紙を送ります。無事に連絡が取れれば、その方を含めて遺産分割協議をすることになります。
 
ただ、相手が前配偶者の子や婚姻外で認知された子という場合は、亡くなった方に対する感情や遺産に関する考え方が他の相続人と大きく異なることも想定されます。
 
手紙を送る際は細心の注意を払い、高圧的であったり、一方的に相続放棄を迫るような内容の文面で送らないようにしてください。相続問題に発展する原因となるかもしれません。
 
以上のことに注意して連絡を取っても上手く話し合いが進まない場合は、間に弁護士を挟んだり、家庭裁判所に調停の申し立てをすることになるでしょう。
 

連絡が取れない場合はどうすればいい

相続を知らせる手紙を送っても反応がない場合、直接訪問してコンタクトすることになるでしょう。それが難しい場合や、訪問しても取り合ってもらえない場合は、最終的に家庭裁判所に遺産分割の調停の申し立てをして解決を図っていくことになります。
 

予想できなかった人がいても相続手続きは全員で

相続に当たり、顔も知らない方や疎遠な方が突然現れたとしても、法律上、相続人となる資格が与えられていれば、その方も含めて相続の手続きをしなければなりません。
 
相続においては念入りに相続人となる方を調査して、予想外の人が出てきたとしても落ち着いて対応し、その方も含めて丁寧に手続きを進めるようにしてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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