相続開始の半年後に税務署から「相続税についてのお尋ね」が送られてきた。どう対処すればいい?

配信日: 2022.06.12

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相続開始の半年後に税務署から「相続税についてのお尋ね」が送られてきた。どう対処すればいい?
相続の開始から半年ほど経過すると、「相続税についてのお尋ね(相続についてのお尋ね)」が届くことがあります。いきなり税務署からお尋ねの文書が送られてくると、どう対応していいか分からず、不安になる場合もあるでしょう。
 
そこで、相続税についてのお尋ねとはどんなものなのか、届いたときはどう対応すればいいのか解説します。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

相続税についてのお尋ねとは

相続税についてのお尋ね(相続についてのお尋ね)とは、相続の開始後、税務署から相続税についての確認のために送られてくる文書です。
 
「相続税についてのお知らせ」「相続税の申告等についてのご案内」といった相続税の概要や申告の案内とともに、アンケート用紙のような書類が同封されていることが一般的で、相続人や相続財産の内容など、相続の状況全般について回答することになります。
 
また、相続税が発生する可能性が高いと見込まれる場合には、相続税の申告書が同封されているケースもあります。お尋ねの文書は、相続が開始されてから6~8ヶ月ほど経過したころに届くことが多いようです。
 
その理由は、相続税の申告と納税は被相続人(亡くなった方)の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内に行うことになっており、相続税が発生する可能性がある方に対して、期限内に申告と納税が間に合うようにするためと考えられます。
 

お尋ね文書が届いても慌てることはない

お尋ねの文書が届くと、「脱税が疑われているのではないか」「相続の手続きに不備があったのではないか」などと慌てることもあるでしょう。
 
しかし、お尋ね文書が届いたからといって、必ずしも脱税などの不正を疑われているとか、相続手続きが間違っていたということではありません。
 
ある人が亡くなると、市区町村から税務署に死亡の情報が共有されるため、税務署が亡くなった人の過去の確定申告や財産の状況などから、相続税が発生する可能性が高い相続人に、申告と納税のアナウンスとして送っているにすぎないからです。
 

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お尋ね文書にはどう対応するべきか

実はこのお尋ね文書に法的な回答義務はなく、仮に回答をしなかった場合でも、それが直接の原因となって何かしらのペナルティーが課されるわけではありません。
 
特にこれから相続税の申告を行うというような場合には、回答しなくても大きな問題が起きることはそうそうありません。しかし、相続税が発生しないので申告は行わないという場合は、できる限り回答をしておくべきです。
 
税務署からすれば、相続税が発生する可能性がある人にお尋ね文書を送っているため、回答もなく、相続税の申告と納税もしない場合は動向が不明な状態になります。
 
それだけがすべての原因となるわけではありませんが、こうした状態では、税務署側が疑問を解消するために税務調査の対象とする可能性があります。
 

お尋ね文書への回答を迷ったときは?

お尋ね文書が届いたものの、回答用紙への記載方法が分からない、記載内容に間違いが無いか心配という場合は、発送元の税務署に相談してください。
 
相続税についてのお尋ね文書が届いた旨を税務署に伝えることで、不明点や申告・納税など、今後の対応についてアドバイスを受けられるからです。
 

「相続税についてのお尋ね」が届いたら落ち着いて回答を

相続の開始後、しばらくしてから相続税についてのお尋ね文書が届いても慌てる必要はなく、まずは中身を確認し、不明な部分については税務署に相談して回答を提出すれば問題はありません。
 
お尋ね文書への回答はあくまでも任意となっていますが、相続税の申告と納税には期限があるため、少しでも不安があれば速やかに税務署へご相談ください。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.4205 相続税の申告と納税
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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