令和はお葬式もお墓も質素に。「墓じまい」したら費用はどのくらいかかる?
配信日: 2022.12.11 更新日: 2022.12.12
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
令和の時代、お葬式は小規模で質素に
いい葬儀の行った「第5回お葬式に関する全国調査」によれば、2022年の調査における葬儀の平均価格は110万7000円と過去最少となりました。2020年と比較して、実に73万6000円も下落しています。
図表1
出典:いい葬儀 【第5回お葬式に関する全国調査】
その理由の一つとして、コロナ禍において人との接触を減らすため、これまで主流だった一般葬を行う方が減少し、家族葬や一日葬、直葬・火葬が増加したことが挙げられます。それに加え、コロナ禍を経て少なからず価値観の変化が生じ、葬儀は大々的に行うよりも身内や親しい人たちでひっそりと行う、といった流れが強まっていることも想定されます。
図表2
出典:いい葬儀 【第5回お葬式に関する全国調査】
また、2020年と比較すると、基本料金(葬儀を行うための固定費)は約51万円、通夜ぶるまいや告別料理などの飲食費は約11万円、返礼品も11万円ほど、それぞれかかる費用が少なくなっています。昨今の葬儀は、全体的に質素な内容となってきているようです。
お墓はどう変わっていった?
変わったのはお葬式だけではありません。令和の時代においては、購入されるお墓の種類も移り変わってきています。
図表3
出典:いいお墓 【第13回】お墓の消費者全国実態調査(2022年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
平成であった2018年には一般墓が主流だったものの、令和となった2022年には樹木葬が主流となっています。一般墓とは、多くの方がイメージされるような、墓石を設置するタイプのお墓を指します。それに対して樹木葬とは、墓標を墓石ではなく樹木とするタイプのお墓です。
2022年における平均購入価格は、一般墓が158万7000円であるのに対し、樹木葬はその半額以下の69万6000円となっています。
図表4
出典:いいお墓 【第13回】お墓の消費者全国実態調査(2022年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
さらに、樹木葬は年間の管理費も低く抑えられています。一般墓は約8000円の管理費用が必要になるのに対し、樹木葬はその75%程度の約6000円となっています。
図表5
出典:いいお墓 【第13回】お墓の消費者全国実態調査(2022年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
このように、お葬式だけではなくお墓についても、質素なものが選ばれる傾向にあるようです。
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墓じまいを考えたことのある人は意外と少なくない
ライフドットの調査によれば、墓じまいを考えたことのある人は30%を超えており、意外と少なくないことが分かります。
図表6
出典:Life. 「墓じまい」をして満足した・言葉を知っている人は約9割
実際に墓じまいをしたことがある人は11%と、そう多いわけではありません。とはいえ、墓じまいを検討して実施している方が確実に存在している、ということはうかがえます。
図表7
出典:Life. 「墓じまい」をして満足した・言葉を知っている人は約9割
墓じまいにかかる費用はどれくらい?
同じくライフドットの調査によれば、実際に墓じまいにかかった費用は50万円未満という方が最も多く、続いて100万円以上150万円未満、それから50万円以上100万円未満となっています。これより、墓じまいの予算については50万円から150万円をひとつの目安に考えておけばよいでしょう。
図表8
出典:Life. 「墓じまい」をして満足した・言葉を知っている人は約9割
令和は葬儀関係が質素な方向へ
令和はコロナ禍の影響もあり、平成や昭和に比べ、お葬式もお墓も質素なものが選択される傾向があります。また、墓じまいについて検討されている方も少なからず存在しており、実際に墓じまいをされた方の多くは150万円未満の費用で墓じまいを行っています。
今、お葬式やお墓について悩んでいる方は、過去の価値観にとらわれることなく、令和の流れや新しい価値観も取り入れて考え、行動してみてはいかがでしょうか。
出典
いい葬儀 【第5回お葬式に関する全国調査】
いいお墓 【第13回】お墓の消費者全国実態調査(2022年)霊園・墓地・墓石選びの最新動向
Life. 「墓じまい」をして満足した・言葉を知っている人は約9割
執筆者:柘植輝
行政書士