更新日: 2023.11.24 贈与

認知症気味の父が預貯金200万円を「全部あげる」と言うのですが、本当に受け取ってもいいですか?

執筆者 : 柘植輝

認知症気味の父が預貯金200万円を「全部あげる」と言うのですが、本当に受け取ってもいいですか?
認知症気味の親から生前贈与でお金をもらうというケースは、今後も高齢化に伴い、多く発生することが予想されます。それについて、「後からトラブルにならないか」と心配する方も増えることでしょう。
 
そこで、認知症気味の親から財産を受け取ることの是非について、認知症の傾向がある父親から預貯金200万円をもらった相談者の場合を例に考えていきます。

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柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

法的には問題ない可能性が高い

親からお金を無償で受け取る行為は「贈与」に該当します。法律上、贈与は意思能力があることが要件とされています。この点について、認知症気味という程度であれば、意思能力を欠くとまではいかず、贈与自体は有効とされる可能性が十分にあります。
 
とはいえ、自分や親は「認知症気味だが、意思能力を欠くとまではいかない」と思っていても、客観的に見ると相当程度に認知症が進んでおり、意思能力が否定される可能性もあります。
 
もし、認知症気味の親から200万円もの現金を贈与で受け取るのであれば、基本的には、医師の診察を受け、意思能力がしっかりしていることを確認するべきです。その上で診断書も取得し、かつ「200万円の預貯金の贈与に関して、公証役場にて公正証書で契約書を作成しておく」など、後々問題とならないよう有効な贈与であることを証明できるようにしておくといいでしょう。
 

相続トラブルが起こる可能性もある

法的には問題なくとも、相続トラブルのきっかけとなることがあります。これは仮に、父親の財産が相談者に贈与した200万円の現金のみである場合や、その現金が財産の大部分を占めている、というような場合です。
 
例えば、他の相続人から「なぜ1人だけ財産をもらっているのか」と問い詰められ、相続争いが起きる可能性があります。特に親が認知症気味という場合、相続人同士が「親をだましたのではないか」「認知症気味の親からお金をもらうなんておかしい」と疑心暗鬼になることや、感情面からの対立が起こることもあるでしょう。
 
もし、認知症気味の親から自分だけが200万円もの大金をもらえる可能性のある場合、相続トラブルを防止するという観点からは、すぐには受け取らない方がよいでしょう。将来相続人となる可能性のある方はもちろん、そうでない方も、状況によっては父親を交えて、一度話し合っておく方が無難です。
 

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税金が発生することもある

親からお金を受け取るときに忘れてはいけないのが、贈与税の存在です。一般的に、年間110万円を超える贈与を受け取った場合、贈与税が発生します。
 
親から贈与を受け取り、その額が年間の合計で200万円以下である場合、税率は10%です。つまり、200万円受け取った場合は贈与税が9万円かかるという具合です。
 
それに対して、その200万円を贈与の形で受け取らず、親が亡くなったあとに相続という形で受け取れば、税金がかからない場合があります。相続税については、3000万円+法定相続人の数×600万円という計算式で算出した部分まで、税金がかかりません。そのため、よほど財産を多く有している資産家でない限り、相続税はかからないことがほとんどです。
 
税負担を考えるのであれば、相続としてお金を受け取った方がよい可能性もあります。
 

まとめ

認知症気味という程度であれば、父親から200万円の贈与を受け取ったとしても、法的な問題は起こらない可能性は十分あります。
 
しかし、感情面の問題が起こらないかといえば、そうでもありません。いつか父親が亡くなり相続が起こったときに、他の相続人から疑いの目を向けられ、相続問題が起こることもあり得ます。それだけではなく、贈与として受け取ることで、9万円もの贈与税が生じることもあります。
 
もろもろの問題を踏まえると、認知症気味の親からはお金を受け取らないようにし、親や相続人を含めて今回のような件について一度話し合いをして、どうするか決める方が無難でしょう。
 

出典

国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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