更新日: 2023.11.29 贈与

夫の両親から「孫の大学費用を援助したい」と提案されました。「月10万円」ですが、税金などはかかるのでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

夫の両親から「孫の大学費用を援助したい」と提案されました。「月10万円」ですが、税金などはかかるのでしょうか?
大学の学費や生活費などが年々値上がり傾向の現在において、祖父母などからの経済的支援はありがたいことです。
 
もしも祖父母から孫へお金を渡すときには、税金がかかるのでしょうか? 本記事で解説します。
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祖父母から孫へお金を渡す場合に税金はかかる?

お金を渡すときに気になるのは、贈与税や相続税がかかってくるのかという点です。税金がかかるのか税務署が判断するポイントは「誰が・いつ・誰にいくら贈ったのか、贈ったお金はどのように使われたのか」です。
 
それぞれの税金が課税される対象は、主に以下のような条件があります。

<贈与税>

(1)1月から12月末までの1年間で贈った合計金額が、贈与税の基礎控除額110万円以上である
(2)お金を贈る人と受け取る人の双方が書面や口頭で合意していることと、受け取る人がお金を管理・使用できること(受け取る人が未成年者の場合は、親または親権者が法定代理人として申告・納付手続きをする)

<相続税>

(1)相続する人が受け取る財産が、相続税基礎控除金額より多い
もしも贈与を行っていた人が、贈与を行っていた途中(孫の在学中)で亡くなった場合、亡くなった人が所有していた財産だけでなく、相続開始前3年以内の贈与財産金額も加えて計算し、相続税の基礎控除金額より多い場合に課税されます。

 

贈与税・相続税がかからないようにもらうには?

贈与税・相続税がかからないためには、どのようにすれば良いのでしょうか。
 
贈与税はお金をもらった人が申告して納める税金であり、今回の祖父母から孫への贈与事例の場合、毎月10万円で年間120万円となるので、贈与税基礎控除額110万円を差し引いた10万円が贈与税の課税対象となる可能性があります。
 
贈与税では、親や兄弟姉妹などの扶養義務者と直系尊属(祖父母)から教育費用や日常生活に必要なお金をもらった場合には、贈与税の対象となりません。ただし、もらったお金を生活や教育目的に使わなかったり株式購入などに充てたりした場合は贈与税の対象となります。
 
相続税では、祖父母の銀行口座から孫へお金を振込み、そのお金を引き出さずに貯めておくと祖父母の「名義預金」とみなされて相続財産として加算され、相続税がかかる可能性も出てきます。
 
これらの税金がかからないようにするには、もらったお金はその都度使い、領収書などを保管して「生活・教育目的で使った」と証明できるようにしておくことが望ましいでしょう。
 

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入学金なども援助してもらい年間110万円を超えそうな場合には?

毎月のお金とあわせて入学金など大きな金額を援助してもらう場合には、贈与税の年間基礎控除額110万円を超えることもあり得ます。この場合には「教育資金の一括贈与」という特例を利用することを検討してもらうのも一つの選択肢です。
 
この特例は、親や祖父母など直系尊属から教育資金として多額の費用を贈ってもらうときに有効で、受取人1人について1500万円までの贈与が非課税となります。銀行で専用口座を開設してお金を専用口座に入れてもらい、受け取る人は教育費用をいったん自分で負担して領収書を銀行に提出すると使った金額を引き出せます(受け取る人の年齢と、前年所得に制限があるため注意が必要です)。
 

まとめ

祖父母からお金を援助してもらったら、もらったお金をすぐに学費や生活費に使い、領収書などで証明できるようにしておくと、贈与税などが課税される可能性が低くなります。
 
事前に祖父母と相談して、お互いの生活に支障が出ない範囲で援助する・される金額を決めておくと良いでしょう。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 財産を相続したとき
国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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