【贈与税の対象?】4月から孫が進学するので今後の「教育資金」を渡そうと思います。税金はかかりますか?
配信日: 2024.02.14
そこで利用できる制度が「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」です。制度をきちんと活用すれば、110万円以上の贈与があったとしても教育資金として扱われるため、非課税になります。
今回は、教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置の内容や、利用方法などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
孫に教育費を渡しても贈与税がかからないケースとは?
通常、人にお金などの財産を贈ると、贈与税がかかります。贈与税の控除額は110万円のため、教育資金として祖父母から孫にプレゼントした額が110万円を超えていると、超えた分が課税の対象になるのです。
しかし、教育費として渡す場合は、適切な方法にのっとっていれば、110万円を超えても贈与税の対象とならない制度があります。それが、「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」です。
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置とは
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置とは、両親や祖父母から30歳未満の子ども、もしくは孫が教育資金としてお金を受け取った場合に、総額で1500万円以内ならば非課税となる制度です。
例えば、通常の贈与で500万円を大学の入学資金や勉強するための資金として一括で渡すと、贈与税が発生します。しかし制度を活用すれば、一括で渡しても贈与税の対象にはなりません。
制度を利用するには、金融機関の営業所などで教育資金非課税申告書を提出する必要があります。
また、元からある口座に振り込むのではなく、申し込む際に金融機関で専用の口座の開設が必要です。教育資金非課税申告書を提出していても、お金を振り込む口座が申請前から子どもや孫が持っている口座に振り込んでしまうと、通常の贈与税と同じ扱いになりますので注意しましょう。
孫が使用する際は用途をはっきりさせる
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置の対象となるのは、あくまでも教育に必要な資金として使われたお金の場合のみにです。国税庁によると、教育資金の例は表1とされています。
表1
使われる場所 | 使用用途 |
---|---|
学校などに直接支払う | ・入園料、保育料、入学金、授業料、施設設備費、 入学入園試験の検定料など ・学用品購入費、修学旅行費、学校給食費など |
学校外の業者などに支払う | ・塾やスポーツなどの習い事に必要な費用 ・通学定期券の料金、留学のための交通費 |
※国税庁「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」を基に筆者作成
なお、習い事や留学の交通費など、学校外の業者に支払う教育資金に利用する場合は、上限が500万円に設定されています。もし塾などの習い事の総額が500万円を超えると、超えた分は非課税になりません。
また、専用の口座に入れているお金を、子どもや孫が宝石や株の購入などの教育に関係のないことに使ってしまうと、使用した分は通常の贈与として扱われます。
制度には期限があるため注意が必要
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置は、令和8年3月31日までと決められているため、期限を過ぎると利用できません。
贈与を受けていた子どもや孫が30歳に達したり、制度の期限が来たりして契約が終了すると、専用の口座に残っているお金は通常の贈与として扱われます。
例えば、1500万円のうち1000万円を使用した状態で30歳に達して契約が終了すると、未使用の500万円が贈与税の対象になります。税率も、通常の贈与税と同じになりますので、申告を忘れないようにしましょう。
孫に教育費を渡したい場合は制度の活用がおすすめ
教育費を一括で渡したい場合は、教育費の一括贈与に係る贈与税非課税措置を利用することがおすすめです。合計の上限が1500万円まで、習い事などならば500万円までの教育資金が、贈与税の非課税対象となります。
ただし、あくまでも教育資金に必要なお金しか非課税になりません。子どもや孫に制度を利用して教育資金を渡すときは、教育目的以外に使わないようにと、必ず伝えておきましょう。
出典
国税庁
タックスアンサー(よくある税の質問)
No.4402 贈与税がかかる場合
No.4510 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税
祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
制度の概要(1ページ)
教育資金とは?(2ページ)
文部科学省
教育資金一括贈与に係る贈与税の非課税措置
教育資金非課税措置Q&A(令和5年4月1日現在)教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について 2.制度の概要(1ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断