更新日: 2024.02.24 贈与
長女の結婚のため「挙式費用」を両家で折半しますが、見積もりの段階で「400万円」を超えています。贈与税などかかってしまうでしょうか? 非課税にする方法はありますか?
挙式・披露宴とその関連費用を出してあげた場合、贈与税が課されるのかを調べてみました。本記事で解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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やり方次第では非課税にすることが可能
結論からいうと、やり方次第では非課税で結婚資金を贈与することが可能です。2025年3月31日までの制度ですが、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」を使えば、父母・祖父母ら直系尊属からの結婚資金の提供なら300万円まで非課税になります。ちなみに子育て資金としても、1000万円まで非課税で贈与することが可能です。
さらに、この制度は贈与税の暦年課税と併用できます。つまり、別途で年間110万円まで受贈者は非課税で受け取ることが可能です。ホテルや結婚式場に支払う挙式費用など、ある程度まとまった金額をまかなうためにも使えるでしょう。
手続きの流れ
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」を使う点で注意したいのは、手続きの流れが少々複雑であることです。まず、金融機関で専用の口座を開設しますが、そのときに「結婚・子育て資金非課税申告書」を提出しなくてはいけません。
また、その口座から結婚・子育て資金の支払いを行ったなら、支払いの事実を証する証明書を所定の期限内に金融機関の窓口に提出する必要があります。挙式費用の場合なら、ホテルや結婚式場から受け取った領収書がこれにあたります。
なお、結婚・子育て資金口座の契約は、受贈者=受け取る側が50歳に達したり、残高が0になり契約を終了させる合意があったりした場合に終了します。また、受贈者が亡くなった場合も同様です。
対象になる費用とならない費用を教えて!
こども家庭庁のサイトでは「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」における非課税枠の範囲や対象となる費目について示されています。これらを踏まえ、結婚式に関する費用として対象になるもの・ならないものを次の図表1にまとめました。
図表1
対象になる | 受贈者の挙式や結婚披露宴を開催するために必要な費用(会場費、衣装代、飲食代、引き出物代、写真・映像代、演出代、装飾代、招待状などペーパーアイテム、人件費など) |
対象にならない | ・結婚情報サービスの利用、結婚コンサルサービスなど婚活に要する費用 ・両家顔合わせや結納式に要する費用 ・婚約指輪や結婚指輪の購入に要する費用 ・エステ代 ・挙式や結婚披露宴に出席するための交通費や宿泊費 ・新婚旅行代 |
こども家庭庁 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置を基に作成
国内・海外でのリゾートウエディングを考えている場合は、どの費用までが非課税になるかを税務署や税理士ら専門家に相談してみましょう。
実際、結婚式の費用っていくらかかるの?
ここで、結婚式を挙げるためにはどのぐらいの費用がかかるのかを調べてみました。
リクルートブライダル総研「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023」によれば、挙式・披露宴・ウエディングパーティーの費用の平均は、327万1000円とのことです。東京・埼玉・神奈川・千葉の首都圏に限っていえば356万3000円と、さらに平均値が上がります。
具体的な費用は地域や挙式スタイル、招待人数などによって異なりますが、ある程度まとまった金額が必要なことには変わりありません。
ただし、新郎新婦で折半するなら、「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」の枠内でまかなうことは可能な金額ともいえます。
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まとめ
昨今は「ジミ婚」「ナシ婚」といって、小規模でシンプルな結婚式を行うカップルや結婚式をしないカップルも一定数います。しかし、親が「子どもの門出なのだから」と結婚式を挙げてほしいと思うこともあるでしょう。
制度を活用すれば、受贈者はかなりの額を非課税で受け取ることができます。その点も説明した上で、親側の希望も伝えてみてはいかがでしょうか。
出典
国税庁 父母などから結婚 ・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
リクルートブライダル総研 ゼクシィ 結婚トレンド調査2023
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー