更新日: 2024.03.21 贈与

子ども名義の通帳に「500万円」を学費のために貯めていました。このまま通帳を渡すと「税金」がかかる可能性があるって本当ですか? どうにか非課税にできないのでしょうか?

子ども名義の通帳に「500万円」を学費のために貯めていました。このまま通帳を渡すと「税金」がかかる可能性があるって本当ですか? どうにか非課税にできないのでしょうか?
子どもの将来のために子ども名義で口座を開設し、貯金している家庭も多いのではないでしょうか? しかし、子ども名義の通帳に貯金し、そのまま渡すと税金がかかってしまう可能性があります。その場合、通帳を受け取った子どもが税金を支払うことになるので、できれば避けたいところです。
 
そこで本記事では、子ども名義の通帳を渡した場合の注意点と対策を解説していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

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そもそも贈与税とは?

個人から財産を受け取った場合に発生する税金が贈与税です。そのため、個人から現金や証券、不動産といった財産を受け取ると贈与税の対象となります。贈与税は課税価額によって税率が上がっていき、200万円以下の財産を受け取った場合でも10%の税率がかかります。
 
もっとも、贈与税には基礎控除があるので、基礎控除以内の贈与であれば税金の対象となりません。基礎控除は110万円です。1月1日から12月31日までの1年間に受け取った財産の合計額が対象で、110万円以下の場合は贈与税の対象にならないことになります。
 

子ども名義の通帳は贈与税の対象に

子ども名義の通帳に親が貯金をしていくことは「名義預金」とみなされる可能性が高いです。名義預金は口座名義人のお金でないものを管理している預金のことで、子ども名義の通帳(預金)も対象となります。子ども名義の通帳は親がお金を管理しているからです。
 
また、子ども名義の通帳を渡すことは、「個人から財産を受け取る」行為にあたるため贈与税の対象となります。この場合、通帳の残高が110万円以下であれば基礎控除以内なので贈与税を支払う必要はありませんが、110万円を超える場合は贈与税の対象となります。
 
事例のように500万円の貯金をしている通帳を渡す場合は、基礎控除の110万円を差し引いた390万円に対して贈与税が発生するので注意が必要です。
 

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子ども名義の通帳を渡す場合の対策

子ども名義の通帳をそのまま渡すと贈与税の対象となるので、対策が必要です。主な対策としては次の3つが挙げられます。

●子ども名義の通帳でお金を管理しない
●毎年の贈与となるように贈与契約書を毎年作成する
●「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」制度を利用する

 

子ども名義の通帳でお金を管理しない

まず1つ目は、子ども名義の通帳でお金を管理しないことです。子ども名義の通帳でお金を管理し通帳ごと渡してしまうと贈与税の対象となる場合があるので、そもそも子ども名義の口座を開設しないことも検討しましょう。
 

毎年の贈与となるように贈与契約書を毎年作成する

また、子ども名義の通帳で管理したい場合は「贈与契約」とわかるように、贈与契約書を毎年作成することが考えられます。
 
親のお金であっても毎年110万円以下であれば贈与税の対象となりません。贈与契約書を作成しておけば、毎年贈与をしたことになるので通帳を渡しても問題ありません。しかし、毎年贈与契約書を作成することは手間がかかってしまうのがデメリットです。
 

「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税」制度を利用する

教育資金の一括贈与制度を利用することも選択肢の1つです。この制度は金融機関に専用の口座を開設するように申込み、一定の要件を満たすと非課税になるというものです。口座開設には手間がかかりますが、1500万円まで非課税で贈与できるので税金を支払う心配がなくなります。
 

渡し方についても考えておきましょう

子どものために貯金をしても渡し方によっては贈与税の対象となってしまいます。そのため、まずは贈与税についての理解をすることが大切です。できるだけ無駄な税金を支払わないように貯金をするときから渡し方についても考えることをおすすめします。
 

出典

国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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