更新日: 2024.03.22 贈与

息子の成人祝いに「クラウン」を買おうと思っています。資金の一部として「タンス預金300万円」を使ったら、税務署に指摘されるでしょうか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

息子の成人祝いに「クラウン」を買おうと思っています。資金の一部として「タンス預金300万円」を使ったら、税務署に指摘されるでしょうか?
子どもが成長するにつれ、親の出費も多くなりがちです。成人した子どもへ高額なものを贈る人もいるでしょう。中でも、車は大学の通学や会社への通勤に必要になることもあります。
 
ところで、子どもの成人祝いにタンス預金を使って、クラウンなどの高級車をプレゼントした場合、何らかの税金はかかるのでしょうか。今回は「贈与税」について解説します。
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車を買い与えた場合も「贈与税」の対象になる?

財産を贈ると、受け取った相手は「贈与税」を納めなければなりません。贈与税は、基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対して課税されます。今回のように300万円の車を贈与した場合、「300万円−110万円」で、課税対象は190万円です。
 
父母、祖父母といった直系卑属から取得した財産は「特例贈与財産」として扱われるため、特例税率で計算します。200万円以下の税率は10%ですから「190万円×0.10」で、贈与税は19万円です。
 
では、費用だけ与えて車は子ども本人が購入した場合はどうでしょうか。贈与税は物もお金も対象になり、現金を渡したときも課税されます。今回のようにタンス預金をそのまま手渡ししておけば、銀行などに記録を残さずに済みます。
 
それでも、贈与税の対象であることに変わりはありません。中には「記録がなければ大丈夫」「銀行を通さなければ税務署にバレない」と考える人もいるでしょう。しかし、そもそもタンス預金をする前に300万円を口座から引き出していれば、その記録が残っています。
 
少しずつタンスにためてきたとしても、子どもに贈与したことが税務署にバレないとは限りません。後で税務調査されたときにかえって面倒なことになります。お金で渡す場合も、記録が残る方法を取っておくほうが無難です。
 

目的によっては贈与税がかからない場合もある

国税庁のホームページを見ると、贈与税がかからないケースとしていくつかの要件があげられています。
 
その一つが「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」です。この場合の生活費とは、その人が通常の生活を送るために必要な費用を指します。なお、教育費は学費の他、教材や文具などの購入にあてる費用が含まれます。
 
つまり、生活するうえで必要なものであれば、贈与税がかかることはありません。きっかけは成人祝いでも、子どもが通学や通勤で日常的に使うなら、贈与税を納めることなく車を買い与えられます。
 
注意点としては、車の契約を本人に任せてお金だけ渡す場合です。もしも本人が車を買わずに投資や預金にあてた場合は、贈与税の対象になります。300万円渡したのに実際は100万円の中古車に抑え、残り200万円を預金した場合も同様です。
 

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子どもが日常生活で使うものなら課税対象にならない

通常、110万円を超えるものやお金を贈与すると贈与税がかかります。タンス預金を使っても贈与税の対象ですし、税務署にバレない保証はありません。
 
ただし、車が日常生活に必要なものなら贈与税の対象から外れます。あとで税務調査されて面倒なことになるより、記録の残る形でお金を渡すなど、適切な方法を取っておきましょう。
 

出典

国税庁 No.4405 贈与税がかからない場合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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