更新日: 2024.05.01 贈与
息子の入学祝いに「BMW」を買ってあげたいです。400万円ほどするのですが「贈与税」はかかりますか? 非課税にはできないのでしょうか?
しかし、車ほど高額な贈り物をした場合、心配になる点は「贈与税」です。金額によっては贈与税の対象になり、贈与税は物をあげたほうではなく受け取った人に納税の義務があるため、この場合は入学祝をもらった息子が贈与税を支払う必要があります。
本記事では、「息子に400万円の車を買った際にかかる贈与税」と、「どのグレードの車であれば贈与税がかからないか」を紹介いたします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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子どもに400万円の車を買った際にかかる贈与税は33万5000円
おしゃれでスタイリッシュなデザインから人気の高い「BMW」は、大学生が気軽に購入できるとは言い難いグレードの高級車ですが、中古車であれば400万円で十分に購入できます。
400万円の車をもらった際、まず初めに「110万円」の基礎控除を差し引き、「400万円-110万円=290万円」と計算します。
この「290万円に対して贈与税がかかる」ことになりますが、贈与税の計算方法は「一般贈与財産」と「特例贈与財産」の2種類に分けられます。通常の贈与であれば一般贈与財産が適用されますが、「親や祖父母から贈与を受けた年の1月1日に18歳以上である子どもや孫」が受贈者である場合は特例贈与財産が適用されます。
今回は、親が大学進学のお祝いで息子に400万円の車を買うケースであるため、こちらも特例贈与財産が適用され、税率が一般よりも少し優遇されます。290万円にかかる贈与税は、「290万円×特例税率15%-控除額10万円」で計算し、最終的には「33万5000円」が贈与税となります。
大学生の子どもが支払うには少々負担が大きい額であると考えられるため、贈与税の支払い分を現金で再び贈与したり、贈与する車の価格を下げたりすることをおすすめします。
贈与税が0円になるのは110万円以下の車
贈与税を0円にするためには、基礎控除額の範囲内で車を購入する必要があります。基礎控除額は110万円であるため、中古車で110万円の車を選ぶことで子どもが贈与税を支払う必要がなくなります。
しかし、110万円では、中古でもなかなかほしい車が見つからないという人も多いでしょう。今回は親が18歳以上の子どもに車を贈与した際の贈与税の価格を、車の価格別に図表1で紹介します。
図表1
150万円の車 | 40万円×特例税率10%-控除額0円=「4万円」 |
200万円の車 | 90万円×特例税率10%-控除額0円=「9万円」 |
250万円の車 | 140万円×特例税率10%-控除額0円=「14万円」 |
300万円の車 | 190万円×特例税率10%-控除額0円=「19万円」 |
350万円の車 | 240万円×特例税率15%-控除額10万円=「26万円」 |
国税庁 財産をもらったとき 贈与税の速算表【特例贈与財産用】を基に作成
大学生でも支払いやすい贈与税を考えると、250万円程度の車を買うことが現実的といえるでしょう。250万円の新車を購入する場合、軽自動車であれば幅広い車種から、普通自動車なら「カローラ」や新型SUVの「WR-V」などが選べます。
また親が乗っている車の評価額が110万円以下になっている場合は、その車を子どもに贈与する方法も贈与税を0円にする方法の一つです。
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まとめ
大学生になった子どもに400万円のBMWをプレゼントすると、子どもに「33万5000円」の贈与税の納税義務が発生してしまいます。大学生の子どもに背負わせるには少々高額であるため、車体価格を抑えるか、贈与税分の現金も贈与することも検討しましょう。
ただし、現金や財産を贈与するとその分の贈与税もかかるため、最も負担の少ない方法を検討してみましょう。
出典
国税庁 財産をもらったとき
トヨタ自動車 カローラフィールダー
HONDA WR-V
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー