更新日: 2024.07.01 贈与

結婚祝いに祖母から「300万円」もらいました。式の費用に充てましたが、余った「200万円」は貯金しても大丈夫ですか?「贈与税」がかかる場合もあるのでしょうか…?

結婚祝いに祖母から「300万円」もらいました。式の費用に充てましたが、余った「200万円」は貯金しても大丈夫ですか?「贈与税」がかかる場合もあるのでしょうか…?
結婚式は人生の大きな晴れ舞台ですが、その費用は決して安くありません。ゼクシィが2023年に実施した調査によると、結婚式の平均費用は約327万円です。こうした事情を知っている親族から結婚祝い金をもらうこともあるでしょう。
 
しかし、せっかくの祝い金も使い方を間違えると贈与税がかかる可能性があります。今回は、祖母から結婚祝いを300万円もらったケースを例に、余ったお金の使い方や知っておくべき注意点を解説します。

結婚祝い300万円、使い切らなくても大丈夫?

結論としては、結婚祝いとして受け取った300万円は全額結婚資金に使わなくても問題ありません。ただし、余った分をどう扱うかによっては贈与税が発生する可能性があります。
 

結婚資金として使う分だけ非課税になる

両親や祖父母などの直系尊属から結婚に際して贈与を受けた場合、贈与税が非課税となる「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が適用されます(制度の利用には事前に税務署への届出が必要)。
 
今回のケースでは祖母から300万円が贈与されていますが、これは通常の「結婚資金の非課税枠」である300万円以内におさまっているため、全額が非課税となります。
 
非課税となるのは、結婚式の費用や結婚を機に新たに借りた物件の入居費用など、結婚に直接関係する支出に限られます。新婚旅行費用、婚約指輪や家具の購入費などは対象になりません。今回のケースの余った200万円を、新居の家賃や引っ越し費用などに使えば贈与税はかかりません。
 

余った200万円をそのまま貯金するとNG?

結婚式の費用として100万円を使い、200万円が余った場合、余った200万円をそのまま貯金口座に入れてしまうと、贈与税の対象となります。
 
では贈与税はいくらかかるのか計算してみましょう。

200万円-基礎控除額110万円=課税対象90万円
 
90万円×税率10%=贈与税9万円

このように9万円の贈与税を申告し、支払わなければなりません。
 

税務署にはバレる?

「こっそり貯金しても誰にもわからないのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、300万円という大きな金額の動きを、税務署が見逃すことは考えにくいのです。
 

相続時の調査

結婚祝いを渡した親族が亡くなった場合、相続税調査の一環として故人の口座は詳しく調べられます。この過程で300万円の出金が見つかれば、その使途について調査が行われ、相続人に対して聞き取りが行われる可能性があります。
 

その他の発覚リスク

SNS等で「もらったお金が200万円余った」などの投稿をした場合や、何かのきっかけで事実を知った第三者からの密告などでもバレる可能性があります。このように、隠し貯金は思わぬところから発覚する可能性があるため、税金の問題で後々トラブルに巻き込まれないよう、適切に使用・申告することが大切です。
 
また、結婚資金として使った分については、調査された際にきちんと証明できるように、領収書の保管や帳簿などの記帳をしておくとよいでしょう。余ってどうしても使い切れない場合は、正直に申告して贈与税を納めることをお勧めします。
 

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まとめ

結婚祝いとしてもらったお金をどのように使うのかは、慎重に考えなければなりません。結婚式や新居の準備に使う分は非課税となりますが、余ったお金をこっそり貯金したり、それ以外の用途に使ったりする場合には贈与税がかかります。
 
申告せずにいると税務署からの指摘を受け、場合によっては加算税などのペナルティを受ける可能性もあるため、適切に申告をしておきましょう。
 

出典

ゼクシィ 【結婚式のお金はいくら?】相場や項目別平均費用などまるっと解説!
国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
国税庁 父母などから結婚 ・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし
 
執筆者:渡邉志帆
FP2級

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