更新日: 2024.09.09 贈与

父の還暦祝いとして両親へ1人800万の「世界一周旅行」をプレゼント。父は「一緒に来れば非課税」と言うのですが本当ですか?

父の還暦祝いとして両親へ1人800万の「世界一周旅行」をプレゼント。父は「一緒に来れば非課税」と言うのですが本当ですか?
両親が還暦を迎えると、お祝いとしてプレゼントをあげる方もいるでしょう。プレゼントの内容は人それぞれですが、旅行をプレゼントするときは贈与税の課税対象になるケースもあります。
 
贈与税の課税対象になるのを防ぐために、一緒に行く方もいますが、非課税になるかは状況により変わるため注意しましょう。今回は、プレゼントした旅行についていけば非課税になるのか、もし課税対象になったとき税額はいくらくらいなのかなどについてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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旅行に一緒に行けば贈与税はかからない可能性がある

個人から贈与により財産を受け取ったとき、通常は1年間で110万円を超えていれば贈与税の課税対象です。しかし、旅行など一部の贈与は非課税になるケースがあります。特に、一緒に行く場合はお祝いではなく家族旅行として扱われる可能性があるでしょう。
 
国税庁では贈与税が非課税になる財産として「夫婦や親子、兄弟姉妹などの扶養義務者から生活費や教育費に充てるために取得した財産で、通常必要と認められるもの」が挙げられています。
 
また、国税庁によると、生活費などで通常必要と認められるものについての解釈としては「被扶養者の需要と扶養者の資力その他一切の事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の財産をいうもの」です。
 
つまり、一緒に行く家族旅行が社会通念上相当な費用であると判断されれば、贈与税の課税対象にはなりません。しかし、家庭のさまざまな事情を考慮したうえでも、世界一周旅行は社会通念上相当と見なされなければ課税対象になります。
 
課税対象になるか否かは、具体的な金額の基準が明記されていないため、税務署や専門家へ問い合わせた方がよいでしょう。
 

旅行へ一緒に行かないときは課税対象になるケースも

一緒に行かないケースでも、家庭の状況によって課税対象か非課税かが変わります。
 
国税庁によると、贈与税が非課税になる財産のひとつに「個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物または見舞いなどのための金品で、社会通念上相当と認められるもの」があります。還暦祝いに対するプレゼントも「祝物」なので、社会通念上相当と認められる範囲であれば税金はかからないと考えられます。
 
非課税になる判断基準は家庭ごとに異なるため、両親や自分の収入状況から判断する必要があります。例えば、両親が大手の会社を経営しているなどで年収が高く、自身も収入が高ければ世界一周旅行のプレゼントも家庭の収入状況に見合ったプレゼントと判断される可能性があるでしょう。
 
課税対象か分からないときは、家族旅行として一緒に行くときと同様に、専門家へ相談してみることがおすすめです。
 

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もし世界一周旅行が課税対象になったときの贈与税額

今回は、A社の世界一周クルーズ旅行で1人800万円のクラスを両親へ贈与したとしましょう。贈与税の基礎控除額は110万円のため、800万円から基礎控除額を引いた690万円が課税対象です。国税庁によれば、子どもから親への贈与なので税率は一般税率が適用され40%となり、控除額は125万円になります。
 
計算をすると、贈与税は1人151万円、夫婦で302万円です。課税対象と知らないまま放置していると、追加で税金が課される可能性もあるため注意しましょう。
 

旅行へ一緒に行けば課税対象にならないケースもある

家庭の収入状況やさまざまな事情にもよりますが、両親の旅行に自分も一緒に行くと家族旅行となり、生活費のひとつとして非課税になる可能性があります。金額の基準が明記されていないため、非課税と見なされるかが不安なときは専門家に問い合わせた方がよいでしょう。
 
また、一緒に行かない場合でも、還暦祝いの「祝物」としてプレゼントをすれば、贈与税はかからないケースがあります。こちらも明確な基準はなく、社会通念上相当と見なされる範囲とされているため、対象になるか分からないときは相談が必要です。
 
もし贈与税の対象になっているにもかかわらず申告をしていないと、追加で税金が課される可能性もあります。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4405 贈与税がかからない場合
国税庁 法令解釈通達 第21条の2 《贈与税の課税価格》関係
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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