更新日: 2024.10.24 相続税
父が亡くなった後、父が作った私名義の銀行預金に100万円近くありました。これって相続税はかかりませんよね?【税理士が解説】
相続時に急に出てきたあなた名義の口座でも油断せず、しっかり課税の対象になるのかの確認が必要です。
この記事では、相続時における名義預金のポイントを詳しく解説します。
遺品整理中に私名義の銀行預金を発見
40代の主婦です。先日、父が亡くなった際に、タンスの奥から私名義の銀行通帳が100万円近く見つかりました。これって私の口座ですので、父の相続税はかかりませんよね。できればそのまま私のへそくりにしたいと思っています。
40代主婦Aさん
お父様が亡くなった後、あなたの名義の銀行預金が残されていた場合、その預金に相続税がかかるかどうかは「名義預金」という概念が関係してきます。詳しく解説します。
そもそも名義預金とは?
名義預金とは、口座の名義人ではなく、実際にお金を出した人が実質的な所有者であるとみなされる預金のことです。
たとえば、子供や配偶者の名義で銀行口座を開設し、その口座にお金を預ける場合、このお金は名義人のものではなく、預けた人のものとみなされる可能性があります。
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相続税の対象となるかどうか?
相続対象になる可能性があります。
また、相続税の課税対象になる財産は、被相続人(今回の例ではお父様)の名義の財産だけではありません。
お父様の資金で作られた、他人名義の財産(今回のケースではあなたの名義預金)も相続税の対象となる場合があります。具体的には、以下の点を確認することで、その預金が相続税の課税対象になるかどうかが判断されます。
名義預金の確認ポイント
ただし、名義預金であるか、個人の預金であるかを判断するための確認すべきポイントを紹介します。
預金の原資は誰のものか?
預金に使われたお金が、あなた自身の収入や贈与であるのか、それともお父様の資金であるのかが重要です。
もしお父様の資金で作られた預金であれば、相続財産として課税対象になる可能性があります。
口座開設時の印鑑や住所は誰が届けたか?
預金口座を開設する際に登録した印鑑や住所が、あなた自身のものであるかどうかもチェックされます。
例えば、お父様の印鑑や住所が使われていた場合や、印鑑や通帳をお父様が管理し、名義人がその口座の存在を知らない場合、その預金が実質的にはお父様の管理下にあったと判断される場合があります。
預金の管理者や利息の受け取りは誰か?
預金通帳やキャッシュカードを誰が保管していたか、預金の利息を受け取っていたのが誰かという点も重要です。
お父様が預金を管理し、利息を受け取っていた場合、その預金は名義預金として認定されやすくなります。
贈与の手続きは適切に行われたか?
お父様からあなたにお金が「贈与」された場合でも、適切な贈与契約書が作成されず、贈与税が申告されていなければ、その預金は名義預金とみなされ、相続税の課税対象になるリスクがあります。
贈与税の申告が行われていれば、相続財産とはみなされない可能性もあります。
名義預金が相続税の対象になる理由
相続税の基本的な考え方として、被相続人が生前に持っていたすべての財産が課税対象となります。名義預金も、実質的に被相続人の財産であったと認められれば、その預金額も相続税の計算に含められることになります。
たとえ名義があなたや他の家族のものであったとしても、次のような状況ではその預金が相続財産として認定される可能性があります。
相続税の対象となる場合
預金の資金源がお父様であることが明らかな時
預金口座を実質的にお父様が管理していた
贈与契約書や贈与税の申告が行われていない
このような状況では、その預金は名義預金とみなされ、相続税が課されることがあります。
まとめ
お父様が亡くなった後に残されたあなた名義の預金が名義預金である場合、その預金は相続税の課税対象になる可能性があります。
名義預金が相続財産と認定されるかどうかは、預金の原資や管理状況、贈与の手続きなどを詳細に確認していくことが大切です。