更新日: 2024.10.26 葬儀

先祖と一緒のお墓に入ることが嫌なわけじゃないけど、樹木葬に興味があります。樹木葬って実際どのようなお墓なの? 普通のお墓と何が違うの?

先祖と一緒のお墓に入ることが嫌なわけじゃないけど、樹木葬に興味があります。樹木葬って実際どのようなお墓なの? 普通のお墓と何が違うの?
「樹木葬」という言葉について、聞いたことがある方は多いでしょう。近年は樹木葬を希望する方が増加傾向にあり、雑誌やテレビなどで特集されることも増えています。
 
樹木葬は、明るい、自由、そして自然志向……。このような漠然としたイメージはあるものの、詳しい仕組みや埋葬方法まではご存じない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 
樹木葬とはいったいどのようなお墓なのか、一般的なお墓とどのように違うのか、詳しく知っておきましょう。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

樹木葬とは

一般的なお墓には墓石がありますが、樹木葬は墓石の代わりに樹木や花を墓標として植えるのが特徴です。
 
少子高齢化により先祖代々の墓を維持できない家庭が増えたため、新しくお墓を購入する人のなかで樹木葬を選ぶ人が増加傾向にあります。樹木葬は永代供養もできるので、今後もそのニーズは伸びていくと思われます。
 
ただし、樹木葬は「墓地、埋葬等に関する法律」で認可された場所でしか行うことができません。
 

樹木葬の種類・特徴は

樹木葬は、以下の3つの種類に分けられます。
 

1.里山型樹木葬

里山型樹木葬は、墓地の使用許可を受けた山林等自然の里山に埋葬する方法です。ちなみに、日本最初の樹木葬は里山型でした。
 
1区画ごとの面積が比較的広いため、それぞれの区画に墓標となる樹木を植えることになりますので、里山を再生させる目的にもなります。注意点としては、里山という立地上、郊外にあることが多いので都市部に住んでいる場合、参拝が難しくなっていく可能性が高いです。
 

2.公園型樹木葬

公園のように整備された、大規模な霊園に埋葬する方法です。
 
樹木や芝生で飾られた公園のような園内に複数本の樹木を植え、その樹木の周りに遺骨を埋葬するのが一般的な埋葬方法となります。それなりの広さが必要なので郊外に多く見られますが、広々とした公園のように見え、景観がよいという特徴があります。
 

3.庭園(ガーデニング)型樹木葬

庭園(ガーデニング)型樹木葬は、霊園や納骨堂の一角あるいは近くに花や木を植えて整備された場所に遺骨を埋葬する方法です。
 
区画は広くありませんが、比較的都心に近い便利な場所にあるため、参拝がしやすいというメリットがあります。ただし、遺族が好きなように区画を管理できるとはかぎりませんので注意が必要です。
 
埋葬方法の特徴も、以下の3つの種類に分けられます。
 

1.個別埋葬型

個別埋葬型は、一般的なお墓と同じように個別に専用の区画へ埋葬され、里山型樹木葬でよく見られる埋葬方法です。費用は墓石を建てるより安価に済み、ペットの埋葬を認めている墓地もあります。また、使用期限がある施設が多く、期限後は永代供養のお墓として合祀されることが多いです。
 

2.共同埋葬型

主に家族専用の区画を設け、その区画へ埋葬する方法です。一般的に中央に大きな樹木を植え、その周りを区分けして遺骨を埋葬します。
 

3.合祀型

共用の区画に、遺骨を他の方の遺骨と一緒にまとめて樹木の周辺に埋葬する納骨方法です。費用は抑えられますが、他の方の遺骨と混じるため、納骨後は基本的に取り出すことができません。埋葬した場所が分かるように、プレートを置く墓地もあります。
 

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樹木葬のメリット・デメリットは

樹木葬のメリット・デメリットは、図表1のようになります。ただし、すべての場合が当てはまるわけではありません。
 
図表1


 

費用の面も大事だが、もっと大切なことがある

樹木葬は、現在認知度が少しずつ上がってきていますが、どのようなものであるかをしっかり理解している方はまだ少ないのが現状です。たとえ故人が樹木葬を希望していても、家族や親戚から反対される可能性もあるかもしれません。
 
よって、もし樹木葬を希望される場合は、ご自身が樹木葬に対する知識を得て、家族・親戚の理解を得たうえで契約するようにしないと、後々トラブルになる可能性があります。
 
特に、お墓の管理をする家族・親戚とは、十分に話し合って納得してもらえるようにするのが大切です。
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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