子どもが生まれてから「毎月2万円」子ども名義の口座に貯金しています。将来通帳を本人に渡しても税金はかからないですよね?
配信日: 2024.10.31
しかし、子ども名義の貯金でも場合によっては課税される可能性があるため、課税条件などはチェックしておきましょう。
今回は、子ども名義の口座に税金が発生する条件や、課税されないための方法などについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
子どもにいつ渡すかで課税されるかどうかが変わる
子どもの名義で作った口座に親がお金を貯めている場合、いつ渡すかで課税されるかが異なります。もし、渡すタイミングで口座内の貯金が110万円を超えていると、贈与税の課税対象になる可能性があるためです。
本人が口座の存在を知らないままでいると、子ども名義であっても、親が管理しているお金として扱われます。この状態で口座を将来子どもに渡すと、渡した時点で贈与が成立したとみなされ金額に応じた贈与税が課される可能性が高いです。
これは、民法第549条に「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」と記載されているためです。
子どもが贈与されたと認識したときに初めて贈与が成立するため、渡したタイミングの金額が課税対象になるでしょう。
贈与税は受け取った側に課税されるため、支払うのは子どもです。もし、子ども名義の口座を作りたいなら、将来子どもの負担を増やす可能性がある点は留意しておきましょう。
もし18年後にまとめて渡すと税額はいくら?
今回は、以下の条件で子どもが18歳になるまで貯め続けた口座を譲ったときの贈与税額を求めましょう。
・毎月2万円を入金
・お年玉やお小遣いなど毎月2万円以外の現金は入金しない
・渡すのは子どもが成人してから
まず、子どもが18歳になるまで毎月2万円を貯金していると、総額で432万円になります。贈与税は、受け取った総額から基礎控除の110万円を引いてから計算するため、課税対象は322万円分です。
贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の子どもへ親から財産を送ったときの贈与税率は「特例税率」が適用されます。なお、子どもが18歳未満だと適用されるのは一般税率です。
国税庁によると、特例税率では、課税対象が322万円だと税率は15%、控除額が10万円なので、贈与税は38万3000円が課されます。もし、子どもに渡した口座から贈与税額を払うとすると、実質的に渡した金額は「432万円-38万3000円」で393万7000円です。
【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断
子どもに課税されないようにお金を渡す方法
子どもへ口座の貯金を渡したときに課税されないようにするためには、渡す金額やタイミングに注意する必要があります。課税対象だったことに気づかず、追加で税金が課される事態を防ぐためにも、チェックしておきましょう。
非課税制度を活用する
親から子どもへ送る資金のうち、住宅取得資金や結婚資金、教育資金は制度を活用すると110万円を超えていても、限度額までなら非課税になる制度があります。
ただし、一定条件を満たさなければ、非課税になる資金の対象とはみなされません。資金の種類ごとに非課税対象となる条件や期限が異なるため、チェックしておきましょう。
また、渡す際に子どもが条件を理解していることも必要です。子どもが理解していないままだと、制度の用途外で使用してあとから課税されるケースがあります。
必要なときに必要な金額を渡す
子どもが小さいうちは口座を作らず、親名義の口座で子ども用の貯金を作っておくことも方法のひとつです。生活費や教育費として必要なときに必要な金額だけ渡せば、贈与税の課税対象にはならないでしょう。
子ども専用の口座は、子どもに自分で必要なタイミングで作らせると贈与にはなりません。
通帳を渡すときに課税される可能性がある
たとえ、子ども名義であっても、親が完全に管理していると、子どもに管理が渡ったときの金額で贈与されたとみなされる可能性があります。贈与税は受け取った側の支払う税金なので、もし課税されると、子どもの負担が増えるでしょう。
課税されないためには、非課税制度を活用したり、生活費や教育費として必要なときに必要な分だけお金を渡したりする方法があります。
出典
e-Govポータル 法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号) 第三編 債権 第二章 契約 第二節 贈与 第五百四十九条(贈与)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー