両親が亡くなり、実家が「無人」になりました。管理にお金もかかるし「相続放棄」しようか悩んでいますが、実家を相続するメリットはありますか?
配信日: 2024.11.13
相続した実家の扱い方は、相続放棄をしてほかの方に任せる方法と、相続して自分で決める方法があります。今回は相続放棄の概要や、相続放棄と実家を相続したときのメリットなどについてご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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相続放棄とは
相続放棄は、亡くなった方の財産を一切相続しないことです。「家だけ受け継がない」「借金だけいらない」といったように、限定的な相続放棄はできないようです。相続放棄をする場合は、プラスの相続財産もマイナスの相続財産もすべて放棄します。
なお、正式に相続放棄と認められるのは、期間内に家庭裁判所に相続放棄の申述をした方のみです。例えば、相続人たちに自分は相続財産がいらない旨を伝えただけで、手続きをしていない方は相続放棄したとはみなされないようなので注意が必要です。
何も申告がないままでいると、自分は相続放棄をしたつもりでも実際には実家を含む財産を相続していた、という事態になりかねないため、注意しましょう。
相続放棄の手続き方法
相続放棄をする際、相続放棄の申述をするためには、相続放棄の申述書や申立添付書類の提出が必要です。また、亡くなった方との関係性によって必要な書類は変わってくるため、申請をする前によくチェックしておきましょう。
なお、家庭裁判所へ相続放棄の申述をするためには申述人一人につき800円分の収入印紙と連絡用郵便切手も用意します。相続を知ってから3ヶ月以内に申述しないと相続放棄ができないため、相続が分かった時点でどうするか考えることが大切です。
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相続放棄のメリットとデメリット
相続放棄の大きなメリットは、実家の維持費用がかからない点です。住むにしろ売るにしろ手続きや費用がかかりますが、放棄をすればそれらはすべてほかの相続人に任せられます。また、相続権を放棄しているため、相続トラブルに巻き込まれにくくなる点もメリットでしょう。
ただし、相続放棄をするとあとから見つかった財産も相続できないため、よく考えてから判断しましょう。
実家を相続するメリットとデメリット
実家を相続すると、その後の扱いを自分の意思で決められます。もし住み続けるつもりがないときは、売却して利益を得られる点もメリットです。賃貸として誰かに貸す方法もあります。また、実家の場所が現在住んでいる場所から遠い場合は、別荘のような使い方もできるでしょう。定年後の住まいとして使える魅力もあります。
一方、実家を相続すると固定資産税が発生します。保有し続ける限りは発生するため、税額の負担が重いと感じる方もいるでしょう。また、自身の財産として相続をするので、管理も必要です。実家が遠いと、管理をするために時間と交通費がかかります。
売却をする場合でも、必ず売れるとは限らないため、売れるまでは自分で管理をしなければならないでしょう。
実家を相続すると取り扱いを自分で決められる
相続放棄をすると、一切の相続財産を受け継がない代わりに実家の管理もせずに済みます。維持費用がかからないため、お金の負担をなるべく軽くしたい場合に向いているでしょう。また、相続財産を受け取らないので相続トラブルに巻き込まれにくい点もメリットです。ただし、追加で財産が見つかっても相続できないため注意が必要です。
一方、実家を相続するとその後の取り扱いを自分で決められます。売却して現金化したり貸家として利益を得たりすることも選択肢の一つです。定年後の住まいとして適度に管理しながら置いておく方法もあるでしょう。
しかし、継続して保有している期間だけ固定資産税やそのほかの維持費もかかります。金銭的に余裕がない場合は、実家を相続すると困る可能性もあるでしょう。相続放棄にも期限があるため、しっかりと考えた上で相続するか否か検討しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー