更新日: 2024.12.04 贈与
父から「タンス預金300万円でハワイ旅行に行こう」と連絡が! 旅行代を出してもらうと「税金」はかかる? 注意点も含めて解説
ただ、タンス預金で貯めていたお金をつかうとなると、税務署から指摘されるのではないか、税金がかかってしまわないかと心配になる人もいるのではないでしょうか。
本記事では「タンス預金で税金がかかるケース」と「タンス預金をするデメリット」について解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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タンス預金で税金がかかるケースとは?
タンス預金で税金がかかるケースは、「贈与されたお金や収入として得たお金をタンスに隠して申告していない場合」です。逆にいうと、すでに源泉徴収された給与や確定申告をした後のお金の場合は、タンス預金として自宅に保管していても税金がかかることはありません。
また旅費について贈与税がかかるのではと心配になるかもしれませんが、今回のようなケースであれば基本的に問題ないでしょう。
タンス預金で税金がかかる代表的なケースとして、「祖父母や親からお金をもらった場合」「亡くなった人の財産を相続して申告していない場合」の2つを詳しく見ていきます。
祖父母や親からお金をもらった場合
人から受け取った財産に対してかかる税金を「贈与税」といいます。もらったお金の金額によって課される贈与税が異なりますが、一般的に1月1日~12月31日の1年間のうちに贈与税の基礎控除額110万円を超えて受け取った場合は、贈与税がかかります。
贈与税の申告と納税は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに行う必要がありますので、期限内に必ず税務署に申告しましょう。
亡くなった人の財産を相続した場合
亡くなった人の財産を相続した場合にかかる税金は、「相続税」です。相続税の基礎控除として3000万円+(600万円×法定相続人)が認められています。
つまり、亡くなった人の家や土地などの相続財産が3600万円以上になった場合に相続税が課せられます。相続人は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人が死亡した日)の翌日から10ヶ月以内に、税務署に申告・納税する必要があります。
税務署は国民の収入や財産の額を専用のシステムで把握しているため、相続税申告時に財産が少ないと判断されると、税務署の調査が入る可能性があり、追徴税を払う必要も出てくるため、もれがないように申告しましょう。
タンス預金をするデメリットとは?
タンス預金のデメリットとしては主に以下の4つがあります。
・災害や盗難で資産を失う可能性がある
・インフレにより資産が目減りすることがある
・利息が付かず金利が上昇しても影響を受けられない
・相続の際のトラブルが起きる場合がある
1つずつ見ていきましょう。
災害や盗難で資産を失う可能性がある
タンス預金をする場合には、火災や地震、水害などの災害や盗難により、財産を失うこともあり得ることに注意しておきましょう。災害によって自宅が倒壊や焼失したとしても、家にある現金は火災保険や地震保険の補償対象にならないのです。
また、空き巣による盗難を防ぐためには、自分で十分に管理しなければいけません。銀行に預けておけば強固なセキュリティで資産を守ってくれるため、盗難を防ぐことが可能です。
インフレによる価値の低下もありうる
例えば、投資であればインフレ以上のリターンを得られる可能性がありますが、現金をそのまま保管するタンス預金はインフレ時には価値が低下する可能性があります。
利息が付かず金利が上昇しても影響を受けられない
例えば、銀行に100万円を預金した場合、金利が5%まであがれば1年で5万円の利息が付きますが、タンス預金では金利上昇による利息の恩恵を受けられません。
相続の際にトラブルが起きる場合がある
タンス預金は、相続の際に問題を引き起こす可能性があることも押さえておきましょう。タンス預金は周りの人からバレにくいというメリットはあるものの、相続手続きが全て終わった後に自宅を整理していてタンス預金が見つかった場合、再度税金の申告や遺産分割協議をしなければならなくなります。
また、タンス預金を見つけた相続人が勝手にお金をすべて持っていってしまう可能性もあります。相続の際にトラブルが起きる場合もあることを念頭に置いておきましょう。
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タンス預金で税金がかかるケースとタンス預金のデメリットを把握しておこう
タンス預金で税金がかかるケースと、タンス預金のデメリットについて解説しました。タンス預金で税金がかかるケースは「贈与されたお金や収入として得たお金をタンスに隠している場合」です。
タンス預金は正しく申告していないことで、追徴税が発生することもあります。多く税金を払わず済むように、正しく収入や贈与、相続を申告するようにしましょう。
また、「災害や盗難で資産を失う可能性がある」「インフレにより資産が目減りすることがある」「利息が付かず金利が上昇しても影響を受けられない」「相続の際にトラブルが起きる場合がある」などのデメリットがタンス預金にはあることも抑えておくとよいでしょう。
出典
国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合
国税庁 財産を相続したとき 相続税のあらまし
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー