先月亡くなった父の「クレジットカード明細」を確認。契約していたサブスク「1590円」の請求が来てるけど、支払う必要はある? IDやパスワードが不明でも「解約」できるの?
配信日: 2024.12.31
本記事では契約者が亡くなった場合のサブスク料金請求への対応方法や、遺族が解約をスムーズに進められるよう、あらかじめ気をつけておくべきポイントを解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
故人のサブスクが解約できなくて困ること
国民生活センターに寄せられた相談内容によると、サブスクの契約者本人が亡くなることで遺族に発生する問題は次の通りです。
利用料金が継続して発生する
契約者本人が亡くなったとしても、サブスク事業者にその事実は伝わらないため自動で解約とはならず、遺族などによる解約手続きが必要です。解約手続きを行わない限り、利用が継続されていると見なされ、請求に対して料金を支払わなければなりません。
サービス名やID・パスワードが分からず解約が完了しない
いざ解約しようとしてクレジットカードの明細を見ても、どのサブスクによる請求なのかが分からなかったり、解約手続きに必要なIDとパスワードを遺族が分からず、すぐに解約できなかったりするケースも見られます。
故人のサブスクをIDやパスワードなしで解約できる?
IDやパスワードが分からない状態でも、サブスクを解約することは可能です。Amazon、Apple、Googleなどでは、カスタマーサービスとして故人のアカウント解約をサポートしていますので、まずはサブスク事業者に問い合わせることをおすすめします。
ただし、IDやパスワードなどが分からない場合、解約できるかは慎重に審査されたうえで判断されます。例えば、Amazonでは次のような書類や情報が求められますので準備が必要です。
●死亡診断書の写し
●家族・代理人であることを示す公的証明書類
●家族・代理人の有効な写真付き本人確認書類(パスポートや運転免許証など)
●アカウントに登録しているメールアドレス。分からない場合は、携帯電話番号、支払いに関連する情報、アカウントの注文番号などの情報
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遺族が困らないように備える「デジタル終活」のポイント
国民生活センターは、先ほど紹介したような問題で遺族が困らないよう、「デジタル終活」を行うことを勧めています。デジタル終活の具体的なポイントは次の通りです。
遺族がロックを解除できるようする
万一のときに遺族がスマホやパソコンのロックを解除できるよう、パスワードを確認できるようにしておきましょう。一方で、第三者に知られるとトラブルの原因となりますので、管理方法には十分に注意が必要です。
契約しているサービス名やID・パスワードを整理する
オンラインで契約すると、契約内容がメールなどで交付される場合が多く、遺族が把握できない可能性があります。契約しているサービス名とID・パスワードは日頃から整理しておきましょう。アプリを活用することで、ID・パスワードを効率的に整理できるのでおすすめです。
エンディングノートを活用する
エンディングノートとは、万一のときに備えて、遺族に残すべき情報を記録しておくためのノートです。スマホのパスワードや契約中のサービスの整理にも活用できます。
アカウントにアクセスできる人を指名するサービスを活用する
Apple、Googleなどのソフトウエア提供事業者によっては、契約者本人が亡くなった場合に、アカウント情報にアクセスできる人をあらかじめ設定できるサービスを提供しています。遺族がアカウントにアクセスできるようになれば、サブスクの解約などもスムーズに進められ効率的です。
デジタル終活を行って遺族の負担を軽減しよう
サブスク契約者本人が亡くなっても、そのことをサブスク事業者が認知していなければ契約が継続され、発生した料金は遺族が支払わなければなりません。また、解約したくてもID・パスワードが分からないために時間がかかってしまうケースもあります。
これらのトラブルを未然に防ぐために、特に高齢の家族とはデジタル終活について話し合っておくことが大切です。そして、万が一はいつやってくるかわかりません。自身のデジタル遺品で家族が困らないように、IDやパスワードなどの情報は整理しておきましょう。
出典
独立行政法人国民生活センター 今から考えておきたい「デジタル終活」-スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー