更新日: 2020.07.25 葬儀

葬祭費、埋葬料のもらい忘れはありませんか?

葬祭費、埋葬料のもらい忘れはありませんか?
亡くなった方が国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合は葬祭費、健康保険等に加入していた場合には埋葬料(費)が支給されます。これらは申請しないともらえません。該当する方は忘れずに申請しましょう。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

国民健康保険・後期高齢者医療制度に加入していた場合は葬祭費が支給されます

自営業者等が加入する国民健康保険や、75歳以上(一定の障害がある場合は65歳以上)の方が加入する後期高齢者医療保険に加入している方が亡くなったとき、葬儀を執り行った喪主等に対して葬祭費が支給されます。
 
葬祭費の金額は、亡くなった方が住んでいた市区町村により異なります。5万円を支給する自治体が多いようです(東京23区は7万円)。
 
葬祭費は死亡届を提出すれば自動的に支給されるものではありません。支給を受けるには申請が必要です。葬祭費の申請の提出先は、亡くなった方が住んでいた市区町村の国民健康保険や後期高齢者医療保険の窓口となります。
 
申請には申請書、保険証、喪主の銀行口座のわかるもの、会葬礼状・葬儀の領収書(亡くなった方と喪主の方の名前の記載のあるもの)などが必要です。葬祭を行った日の翌日から起算して2年を経過すると時効となり、申請できませんのでご注意ください。

健康保険等に加入していた場合は埋葬料(費)が支給されます

健康保険組合や協会けんぽ、共済組合に加入している方が業務外の事由で亡くなったときは埋葬料(費)が支給されます。なお、業務上の事由で亡くなった場合は労災からの支給になります。
 
亡くなった方に生計を維持されていて、埋葬を行う方に対しては埋葬料として定額5万円が支給されます。被扶養者が亡くなったときは、被保険者に「家族埋葬料」が5万円支給されます
 
埋葬料を受けられる方がいない場合には、実際に埋葬を行った方に、埋葬料(5万円)の範囲内で霊柩車代、霊柩運搬代、霊前供物代、火葬料、僧侶の謝礼等、実際に埋葬にかかった費用が埋葬費として支給されます。
 
なお、健康組合によっては付加給付がある場合があります。申請には申請書、事業主の証明書、生計維持を確認できる書類、埋葬にかかった領収書、印鑑などが必要です。申請書の提出先は、亡くなった方が加入していた健康保険組合等の窓口となります。
 
埋葬料は、死亡した日の翌日から2年で、埋葬費は埋葬を行った日の翌日から2年で時効にかかります。

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葬祭費・埋葬料(費)の留意点

葬祭費や埋葬料は、申請をしないと支給されません。また、2年で時効にかかります。それぞれの時効の起算日を確認しましょう。
 
葬儀後はさまざまな手続きがあり、葬祭費や埋葬料の申請を忘れてしまうかもしれません。事前に葬儀後の手続きの一覧表(チェックリスト)を作成しておくと良いでしょう。
 
会社員など健康保険等に加入されていた被保険者(組合員)が、退職後に亡くなった場合、退職してから3ヶ月以内に亡くなったときは、加入されていた健康保険などから埋葬料等が支給されます。
 
また、資格喪失後の傷病手当金または出産手当金を受けている間に亡くなったとき、または受けなくなってから3ヶ月以内に亡くなったときも、健康保険から埋葬料等が支給されます。
 
葬祭費・埋葬料(費)は、行った葬儀・埋葬に対して支給されるものです。葬儀・埋葬を行っていない場合は支給されませんので注意しましょう。死亡しただけでは請求できません。
 
税金に関しては、葬祭費・埋葬料は、国民健康保険法第68条、健康保険法第62条において、それぞれ「租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない」と規定されていますので相続税は課税されません。
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー


 

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