更新日: 2020.08.30 贈与
孫に教育費を贈与したい!贈与税がかからない贈与の条件って?
しかし、そうならない方法もあるのです。本記事ではその贈与税の特例に関して簡単に解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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まず贈与税とは?
人から人に、お金や金銭的価値のあるものを渡した場合は原則として「贈与税」がかかります。しかし、普段の生活費や親が支払う子どもの教育費などは贈与税がかからないものとして明示されています。
この生活費や教育費は実際にその目的に利用されていることが必要で、生活費や教育費という名目でお金を渡し、実際には不動産を購入といった場合には贈与税の申告をしなければいけません。
孫に教育費を渡す場合はどうすれば良い?
教育費を孫に渡す際に一定の条件を満たした場合、贈与税がかからない特例が用意されています。正式名称は「直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」といいます。
・「直系尊属」:祖父母、父母など自分を中心とした父祖の世代のこと
・「教育資金の一括贈与」:教育資金として一括で受け取ること
この制度を利用した場合、1人あたりの受け取る金額が1500万円まで贈与税が非課税とされます。条件を表でまとめると以下のようになります。
適用期間 | 平成25年4月1日~令和3年3月31日までに行われた贈与 |
非課税限度額 | 受贈者1人につき1500万円 (塾等の習い事のための費用は500万円まで) |
金融機関等で行う手続き | 1 教育資金管理契約を締結 2 教育資金非課税申告書を 金融機関経由で税務署へ提出 |
贈与者の要件 | 受贈者の直系尊属であること ※叔父や叔母からの贈与は対象外 |
受贈者の要件 | 1 教育資金管理契約を締結日に30歳未満であること 2 前年分の所得税の合計所得金額が 1000万円以下であること (平成31年4月1日以後に信託受益権等を取得した場合) ※課税される所得が1000万円を超える場合は対象外 |
資金管理契約中の金融機関等の管理 | 1 受贈者は関連する領収書等を金融機関に提出 2 金融機関は領収書等の確認および記録をする |
資金管理契約期間中に贈与者が 死亡した場合の取り扱い |
贈与を受けてから3年以内に贈与者が死亡した場合は、 相続税の対象となる ただし以下の1~3のいずれかに該当する場合を除く 1 受贈者が23歳未満の場合 2 受贈者が学校等に在学している場合 3 受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる 教育訓練を受講している場合 (平成31年3月31日以前に教育資金を取得した場合は相続税の対象とならない) |
資金管理契約終了事由 | 1 受贈者が30歳になった場合 (その時点で学校等に在学、 または職業訓練を受けていると届け出た場合を除く) 2 受贈者が30歳以上の場合で、その年内に学校等に在学、 または職業訓練を受けた日があると届け出なかった場合 3 受贈者が40歳になった場合 4 受贈者が死亡した場合 5 金銭・信託財産等の残高がゼロになり、 かつ契約終了の合意があった場合 |
資金管理契約終了時の 残額の取り扱い |
もらった総額から教育資金として利用した額の 残りに対して、贈与税が課税される |
国税庁 「No.4512 直系尊属から教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度の主な相違点」より筆者作成
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まとめ
非課税制度を利用することで、孫などに教育費を非課税で贈与することができます。1500万円というと1人分の教育費の大部分を賄うことができるといえます。このような制度を上手に利用してみてはいかがでしょうか。
参考 国税庁 No.4512 直系尊属から教育資金及び結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度の主な相違点
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部