更新日: 2020.12.23 葬儀

葬儀費用ってどのくらいかかる?給付金はあるの?

葬儀費用ってどのくらいかかる?給付金はあるの?
みなさんは葬儀の費用がいくらかかるか考えたことがありますか。
 
ご家族の方が大きな病院で亡くなったときによくあるのは、病院が契約をしている葬儀社を紹介されるケースです。悲しみに打ちひしがれているときに、インターネットで葬儀社を探す心の余裕もなく、葬儀社の方が親切だとそのままお願いをすることになります。
 
この場合、葬儀社との打ち合わせでもろもろの内容を決めた後、葬儀の見積書を提示されますが、適切な金額がわかないままお願いすることになります。そうならないために葬儀の種類とそれぞれの葬儀の費用の平均を見てみましょう。
篠原まなみ

執筆者:篠原まなみ(しのはら まなみ)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、宅地建物取引士、管理業務主任者、第一種証券外務員、内部管理責任者、行政書士

外資系証券会社、銀行で20年以上勤務。現在は、日本人、外国人を対象とした起業家支援。
自身の親の介護、相続の経験を生かして分かりやすくアドバイスをしていきたいと思っています。

葬儀形式と費用

かつては葬儀といえばほとんどが一般葬で、遠い親戚を含む家族親族に加えて近所の人たちや友人、会社関係者も参列しましたが、だんだん、規模が小さくなっています。
 
特に都会では、近所の人とのかかわりも少なくなり、家族親族を中心に近しい縁故知人のみで行う家族葬が一般的になってきています。一般葬の相場費用は、約100万~120万円で、家族葬は、約60万~80万円です。
 
さらに故人が高齢で亡くなった場合で、縁故知人がほとんどいない場合には、通夜を行わずに葬儀式・告別式の1日だけで済ませる1日葬があります。1日葬の相場は、約50万~70万円です。
 
また身寄りがほとんどいない場合は、通夜や葬儀式・告別式を行わず、火葬のみを行う直葬(火葬式)があります。直送または火葬式は、約25万~35万円です。葬儀費用の内訳には葬儀一式にかかる費用、飲食接待にかかる費用、寺院関係にかかる費用があります。
 
一般葬の場合は、すべての費用を含みますので、式場の規模や棺や生花のランク、飲食代、宿泊代等によって大きく金額が違ってきます。また戒名は、高位になるほど高額になり、一般の戒名と最高位の戒名では十数万円の差があります。
 

葬儀費用の給付金

葬儀を行った人(喪主)に少額ではありますが、お金が戻ってきます。戻ってくる金額は、故人が加入していた保険によって異なります。
 
故人が個人事業主等で国民健康保険(国保)、国民健康保険組合(国保組合)、あるいは75歳以上で後期高齢者保険の加入者だった場合、「葬祭費」が支給されます。
 
「葬祭費」は、葬儀終了後に喪主が、故人の自治体(市町村)の窓口で手続きを行うことによって受けることができる給付金です。還付額は、自治体によって異なりますが、故人が、国民保険加入者であった場合は、5万〜7万円くらい、後期高齢者保険の場合は、3万〜7万円くらいです。
 
還付の申請期限は、葬儀の翌日から2年間です。
 
必要な書類としては、死亡届、故人の保険証、喪主のフルネームが記載されている会葬礼状または、「葬祭費用として」とただし書きのある領収書などがあります。お通夜や告別式を行わず、火葬のみの場合は、「葬祭費」の給付対象外となることもあります。
 
一方、会社員で加入していた保険が、国保以外の健康保険、または全国健康保険協会(協会健保)だった場合で、本人または、本人に扶養されていた人が亡くなった場合に、扶養者や本人に支給されるのが「埋葬料」です。扶養されていたという事実があればよく、親族や遺族、あるいは同居していたという事実は必要ありません。
 
これに対して「埋葬費」は、本人に扶養されている人がいないとき(埋葬料支給対象者がいないとき)に実際に埋葬を行った人に支給されます。親族や遺族であっても生計を維持されていなかった場合であれば「埋葬費」になります。
 
「埋葬料」「埋葬費」は、葬儀終了後に、本人の勤務先の所轄社会保険事務局、もしくは勤務先の健康保険組合に申請を行うことで受給できます。「埋葬料」「埋葬費」は、葬祭費とは異なり、霊柩車や火葬にかかった費用、僧侶への謝礼など埋葬までにかかった費用が対象です。
 
給付額は、「埋葬料」が、一律5万円+保険団体により付加金があるのに対して、「埋葬費」は上限5万円で、実費の範囲で支給されます。「埋葬費」の申請期限が埋葬してから2年以内なのに対して、「埋葬料」の申請は亡くなってから2年以内なので注意が必要です。申請に必要な書類として埋葬に要した費用を証明する領収書や明細書があります。
 

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まとめ

故人にとっても家族にとっても満足のいく葬儀を行うためには、元気なうちからどんな形式の葬儀をしたいか、どのくらいの規模にしたいか、誰を葬儀に呼びたいかを話し合うことが大切です。そして葬儀社の人にどんどん希望を伝えていきましょう。
 
費用についても疑問点があれば質問をして主導権を握るようにしましょう。
 
執筆者:篠原まなみ
AFP認定者、第一種証券外務員、内部管理責任者
 

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