更新日: 2021.01.22 葬儀
将来のために知っておきたいお墓の平均購入価格と地域の関係性~樹木葬や納骨堂は?
いま住んでいる地域で買うのか、実家近くに買うのかなどでも、予算はだいぶ変わってきます。実際に、「実家から離れて住んでいるため土地勘がなく、相場がわからない」「自分の住む地域の傾向を知りたい」といったお悩みも多いのだとか。
そこで今回は、終活関連サービスを提供する株式会社鎌倉新書が行った「地方・都道府県別 お墓の消費者全国実態調査(2020年)」の結果(※)をひもといてみましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
お墓の種類と地域の関係性とは
この調査は、2019年1月から12月に、お墓探しの総合情報サイト「いいお墓」経由でお墓を購入された方を対象に行われたもの。
まずは、お墓の種類を「一般墓」「樹木葬」「納骨堂」に分け、それぞれどの地域の割合が高いのかを見てみましょう。
【購入したお墓の種類】
2位:近畿地方 31.7%
3位:神奈川県 31.4%
2位:中国・四国地方 55.6%
3位:西日本 46.0%
2位:大阪府 36.1%
3位:愛知県 34.0%
このエリアは、購入した人の居住地ではなく、購入したお墓がある地域を指します。
一般墓とは、家族や近親者がお墓の供養を行うもの。納める遺骨に上限がなく、管理費さえ支払えば永続的に利用できるというメリットもあります。埼玉県にお墓を買った人の半数近くが、一般墓を選択していました。
埼玉県は都心部からのアクセスもいいため、管理がしやすいのかもしれません。3位の神奈川県についても、同様の理由が想像できます。
樹木葬は、樹木や草花で飾った屋外の永代供養墓のこと。一般墓と違い、寺院や霊園の管理者が永代に渡って供養をしてくれます。墓石の代わりに樹木を目印にするため、一般墓に比べて低価格というメリットも。
北海道・東北地方にお墓を買った人の6割以上が、この樹木葬を選んでいます。中国・四国地方、西日本など全国的に人気が高く、全体で見てもお墓を買った41.5%の人が樹木葬を選んでいました。管理の心配のない永代供養の樹木葬は、現代の感覚に合っているのかもしれません。
同じく永代供養の納骨堂は、主に室内にある棚式やロッカー式のお墓のこと。広いスペースが取りづらい都市部などでも利便性が高いことから、納骨堂が選ばれている地域のTOP3は東京都、大阪府、愛知県といずれも大都市でした。
全国平均は、一般墓が27.4%、樹木葬が41.5%、納骨堂が24.9%。7割近くの人が、永代供養墓を選んでいることがわかります。
もっともお手頃なのは?お墓の平均購入価格
一般墓、樹木葬、納骨堂。それぞれの平均価格はどのようになっているのでしょうか。
・樹木葬: 68万7791円
・納骨堂: 87万6699円
一般墓がずばぬけて高く、永代供養では納骨堂のほうが樹木葬より高いという結果になりました。
一般墓は納める遺骨に上限がなく、管理費さえ支払えば永続的に利用できるというメリットもあるため、コストが高くなるのは自然なことなのかもしれません。墓石がない分、樹木葬は価格を抑えることが可能。
納骨堂もその点では同じですが、サービスによっては墓石を用意することもできるようです。その場合は個人でもやはり100万円を超えるケースもあるようですので、要検討ですね。
ちなみに、各種類の平均購入価格の地域別ランキングは、以下のとおり。
2位:神奈川県 199万4286円
3位:一都三県 189万1223円
2位:神奈川県 78万5714円
3位:一都三県 72万6596円
2位:東京都 92万6168円
3位:一都三県 90万2759円
いずれのお墓も、とにかく東京都が高いということがわかります。全体的に東京都を中心とした東日本のほうがお墓の金額が高いようですが、納骨堂に関しては西日本のほうがわずかに高いという結果になりました。
いずれも地価などを考えると、都心部のほうが高く地方のほうが安く抑えられるということになりそうです。
【PR】「相続の手続き何にからやれば...」それならプロにおまかせ!年間7万件突破まずは無料診断
自宅からお墓までのアクセスは?
一般墓にせよ永代供養墓にせよ、お参りについては足を運ぶことがほとんど。手間や交通費など、長い目で見るとアクセスがいいに越したことはありません。
自宅からお墓までのアクセス事情について見てみましょう。
2位:電車 20.2%
3位:その他(徒歩、自転車) 7.7%
4位:バス 4.6%
およそ7割の人が、車でお墓にアクセスしているようです。電車やバスなどの公共交通機関を使っている人はおよそ25%。徒歩や自転車は少数派になりました。
東京都だけを見てみると、車は41.4%、電車は37.7%、バスは7.9%と、車より公共交通機関を利用する人のほうが多いという結果に。都心部とそれ以外ではお墓へのアクセスも変わってくるということがわかります。
この調査結果から、お墓の相場は一般墓がもっとも高く、さらにその地価によって価格がだいぶ変動するということ。さらに、都心部については公共交通機関でアクセスできる場所にある納骨堂を選ぶ人が多いということがわかりました。
いざというときのためのお墓選びの参考にしてみてくださいね。
[出典]
※株式会社鎌倉新書「地方・都道府県別 お墓の消費者全国実態調査(2020年)」(@Press ソーシャルワイヤー株式会社)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部