最終更新日: 2020.03.03 公開日: 2020.03.04
保険

地震保険を詳しく知ろう【その1】

執筆者 : 浦上登

火災保険も地震保険も、家という個人の財産を守るための保険です。ただし、両者は一つの保険として掛けることはできず、別保険でしか掛けることはできないのに、火災保険に入らないと地震保険に入ることはできません。なぜ、このようなややこしいルールがあるのでしょうか?
 
火災保険と地震保険の違いを述べることで地震保険特有の機能を説明したいと思います。なお、企業向けの地震保険と区別するために、居住用は「家計地震保険」と呼ぶこともありますが、ここでは単に地震保険と呼ぶことにします。
 
 
浦上登

執筆者:

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
 
早稲田大学卒業後、大手メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超える。その後、保険代理店に勤め、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。
 
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表、駒沢女子大学特別招聘講師。CFP資格認定者。証券外務員第一種。FPとして種々の相談業務を行うとともに、いくつかのセミナー、講演を行う。
 
趣味は、映画鑑賞、サッカー、旅行。映画鑑賞のジャンルは何でもありで、最近はアクションもの、推理ものに熱中している。

https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

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浦上登

執筆者:

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
 
早稲田大学卒業後、大手メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超える。その後、保険代理店に勤め、ファイナンシャル・プランナーの資格を取得。
 
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表、駒沢女子大学特別招聘講師。CFP資格認定者。証券外務員第一種。FPとして種々の相談業務を行うとともに、いくつかのセミナー、講演を行う。
 
趣味は、映画鑑賞、サッカー、旅行。映画鑑賞のジャンルは何でもありで、最近はアクションもの、推理ものに熱中している。

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火災保険と地震保険

火災保険および地震保険は、火災・風水害・地震などの偶然の自然災害や事故などによって生じた住居・家財など自分の財産への損害を補償する保険です。
 
火災保険といっても、火事で家が燃えた損害だけを補償するのではありません。火災、落雷、破裂・爆発、風災、雪災、落下・衝突、水ぬれ、盗難、破損など、非常に広範囲のリスクを補償します。また、地震保険は地震、津波、噴火による損害を補償します。
 
そして、補償の対象には、建物に加え、家財・設備・什器も含まれます。すなわち、火災保険と地震保険は、契約者の財産を守る総合財産保険ということができます。

地震保険の特徴

ひとたび、大規模地震が発生すれば、民間の保険会社だけでは負担しきれないくらいの地震保険金の支払いが発生する可能性があります。
 
それゆえ、「地震保険に関する法律」に基づいて、保険会社が引き受けた地震保険契約を国が再保険で引き受け、さらに保険金支払総額に応じて国の負担額を段階的に大きくする仕組みが整えられています。
 
この点において、地震保険は、民間保険会社が損害をすべて補償する火災保険とは根本的に違います。再保険者が政府であるために、地震保険と火災保険は別保険で運用されることになっています。

保険対象の範囲

地震保険の対象は居住用の建物と家財などの生活用動産に限定されます。ただし、常時居住の用に供しうる状態にあれば、別荘、空き家も地震保険の対象となります。生活用動産からは貴金属、宝石、通貨、有価証券、自動車は除きます。
 
生活用動産から貴金属などが除外されることを除けば、火災保険と地震保険は保険対象の範囲については、ほとんど同じということができます。

補償の内容

地震保険の補償の内容は次の通りです。地震などを直接または間接の原因とする建物、家財の火災、損壊、埋没、流出、水災などが補償されます。地震などとは、地震もしくは噴火、またはこれらによる津波をいいます。
 
火災保険でも火災、損壊、水災は補償されますが、地震などを原因とするものについては補償されません。ですから、地震が原因で火災が起き、家が焼損した場合は地震保険に入っていないと補償されないということになります。

保険金額の設定

地震保険の保険金額の設定は火災保険と大きく異なります。
 
火災保険における保険金額は、通常保険の対象物(建物・家財など)の保険価額を基準に定められるのに対し、地震保険の場合は火災保険で設定した保険金額の30~50%で設定されるとともに、建物は5000万円まで、家財は1000万円までという限度額が設けられています。
 
保険価額とは、保険事故が生じることによって被保険者が被る可能性のある損害の最高見積額、すなわち、被保険利益を金銭に評価した金額をいうので、火災で建物が全焼した場合その再建築に必要な費用すべてを保険金額とすることができます。
 
ところが地震保険の保険金額は最大その50%におさえられています。ですから、地震で建物が全焼した場合でも、保険金だけでの再建築は難しいでしょう。契約者は50%でもないよりはいいということから地震保険を掛けるということになります。

損害認定基準と支払保険金

地震保険の損害認定基準と支払保険金も、火災保険と大きく異なるところです。火災保険の保険金は実損払いで、保険金額の限度内で、実際の損害金額に応じて支払いが行われます。
 
これに対し、地震保険では4段階(全損・大半損・小半損・一部損)の損害の程度の認定が行われます。そして、その段階に応じてそれぞれ、保険金額の100%、60%、30%、5%といった定額の保険金が支払われます。具体的には、次のようになります。
 


 
これだけをとってみると、地震保険は火災保険とは全く別の保険ということができます。ここで注意しなければならない点は次の通りです。
 
(1)地震保険の保険金額は通常の火災保険の保険金額の30%から50%なので、その割合をかけた金額しか支払われません。
 
すなわち通常の火災保険の保険金額の50%で地震保険を付保したとすると、支払われる保険金は通常の火災保険の保険金額から見て次の割合となります。
●全損の場合 50%×100%=50%
●大半損の場合 50%×60%=30%
●小半損の場合 50%×30%=15%
●一部損の場合 50%×5%=2.5% 
30%で地震保険を付保した場合はさらに目減りします。
 
(2)一部損にもならない場合は、多少の損害があったとしても、保険金は全く支払われません。

まとめ

その1では、地震保険の特徴を説明しました。その2では、地震保険の保険料の設定および試算をしてみたいと思います。
 
[出典]財務省「地震保険制度の概要」
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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