更新日: 2021.07.13 その他保険
「傷病手当金」はリハビリ復帰する場合にも、受け取れるってホント?
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
傷病手当金の概要
傷病手当金とは、勤務先にて健康保険に加入している方が病気やけがのために働くことができず、会社を休んだ日が連続して3日間あったとき、4日目以降の休んだ日に支給される手当です。
ただし、休んだ期間に勤務先から傷病手当金の額よりも多く給与が支払われているときなどは、傷病手当金が支給されないことに注意してください。支給される傷病手当金の額は次の計算式によって算出することができます。
傷病手当金の額=支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30×(2/3)
なお、傷病手当金は最大1年6ヶ月の間受け取ることができます。そして、傷病手当金の申請は勤務先を経由して行います。詳細については勤務先や加入している健康保険組合に直接お問い合わせください。
傷病手当金はリハビリ勤務しながら受け取れる?
傷病手当金は状況次第で職場へリハビリ勤務などで復帰しながら受け取ること自体は可能なのですが、残念ながら必ずしも受け取れるとは限りません。
なぜなら、傷病手当金の支給を判断するのは加入している健康保険の組合であり、基本的な考え方は共通であるものの、細部については健康保険組合の判断に委ねられているからです。その際の判断には特に次のような点がポイントになります。
(1)リハビリをしながらの勤務が医師の指示に基づくものであるか
(2)以前よりも勤務時間や内容が軽い業務内容になっている
詳細については必ず加入する健康保険組合へ問い合わせください。
傷病手当金の申請に勤務先が協力してくれないときは?
傷病手当金の申請にあたっては、申請書に事業主の記載が必要となる欄があり、事業主の協力が必須です。
傷病手当金はあくまで健康保険組合から支払われるため、事業主に大きな不利益がないことなどを説明し、協力してもらうほかありません。それでも協力が得られない場合、社会保険労務士などに相談することで解決する場合もあります。
傷病手当金は国民健康保険にも存在する
傷病手当金は基本的に会社員など勤務先で健康保険に加入している方の制度になり、自営業者やフリーランスといった個人事業主で国民健康保険に加入している方は受け取ることができません。
しかし、最近では勤務先から給与を受け取っているが健康保険には加入せずに国民年金に加入しているという方を対象に、新型コロナウイルス感染症に感染した、または発熱などの症状があり感染が疑われ、療養のために勤務できないという場合に国民健康保険から傷病手当金が支給されるようになっています。
詳細についてはお住まいの市区町村役場へお問い合わせください。
傷病手当金はリハビリをしながらの職場復帰で受け取れることも
傷病手当金は原則として病気やけがで仕事を休んだときに支給されるものですが、条件次第ではリハビリをしながらの職場復帰でも支給されることがあります。
リハビリをしながら復帰をする場合、まずは勤務先に相談し、その後加入している健康保険組合に相談してみるとよいでしょう。
また、最近では国民健康保険に加入している方でも新型コロナウイルスが原因となる場合は傷病手当金を受け取れることもあります。こちらについての詳細はお住まいの市区町村役場へお問い合わせください。
出典
全国健康保険協会 協会けんぽ 傷病手当金
小金井市 国民健康保険傷病手当金の支給について
執筆者:柘植輝
行政書士