更新日: 2022.01.11 生命保険

生命保険に加入するなら、どのタイミングが良いの?

生命保険に加入するなら、どのタイミングが良いの?
日本では多くの人が生命保険に加入しています。生命保険なので自分が病気になったり死亡したりした時のことを心配して加入しますが、他の人はいつそのような心配をして保険に加入しているのでしょうか?
 
生命保険に加入する適切なタイミングについて、統計を参考にしながらまとめてみました。
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

何歳で加入しているかは、統計上は特に偏りがない

まずは加入時期の傾向を統計から確認してみましょう。生命保険協会の「生命保険の動向(2021年版)」では生命保険42社の業績をまとめています。この統計によると2020年度の個人保険の新規契約件数は1702万件、個人年金保険の新規契約件数は67万件となっています。
 
また、2020年度末の個人保険の保有契約件数は1億9024万件もあり、個人年金保険の保有契約件数は2078万件となっています。個人保険と個人年金保険に新規で加入した時の年齢の分布を表したものが下記のグラフです。加入件数の構成比をパーセント表示してあります。
 

資料:生命保険協会「生命保険の動向(2021年版)」
 
世代を20歳未満から60歳以上まで6つに分けていますが、個人保険に新規で加入した年齢には、特に大きな偏りはありません。わずかな差ですが最も多いのは20歳代の20.0%、次が30歳代の19.4%なので、若いうちに加入している人が若干多いといえます。
 

資料:生命保険協会「生命保険の動向(2021年版)」
 
将来のために貯める目的で加入することの多い個人年金保険でも、加入年齢は比較的分散しています。個人保険に比べると20歳未満はかなり少ないので、この年代は将来のために貯める時期としては早すぎるのでしょう。
 
実際に新規で保険に加入した人の年齢から、いつ生命保険に加入するのが良いかを考えると、年齢とタイミングに強い因果関係はなく、年齢とは別の所に要因があるようです。
 

医療費や万一の生活保障に備える目的で加入した人が多い

次に加入目的の傾向を別の統計から確認してみましょう。生命保険文化センターの「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」では、全国一般世帯の生命保険加入状況を調査しています。この統計によると、直近に加入した生命保険の加入目的は下記のグラフのようになっています。回答は複数回答有りで、グラフは回答数の割合をパーセント表示にしてあります。
 

資料:生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」
 
加入した人の加入目的は、「医療費や入院費のため(57.1%)」と「万一のときの家族の生活保障のため(49.5%)」が際立って多くなっています。この結果を少し言い換えると「医療費や入院費を備えたい」「万一のときの家族の生活保障を備えたい」と思ったタイミングで加入したことになります。このタイミングが人によって20歳代だったり30歳代だったりしているのでしょう。
 

加入するタイミングは自分のライフプランから考える

2つの調査結果から見えてくるのは、生命保険に加入する主な目的は「医療費や入院費を備えたい」と「万一のときの家族の生活保障を備えたい」で、備えたいと思ったタイミングは人それぞれであり、あるタイミングで義務的に加入しているわけではないといえます。
 
実際に加入するタイミングとしては、個々のライフプラン上の大きなイベントがある時や生活環境に変化があった時が適しています。イベントとは「就職した時」「結婚した時」「子どもが生まれた時」「家を建てた(購入した)時」「退職をした時」等です。これらのタイミングは必要な保障額が変わるからです。
 
生活環境の変化とは、例えば身内や友人が病気(特にがん)になった時で、自分のことも心配になり「医療費や入院費を備えたい」と考える人は多いです。
 
生命保険に加入する時は死亡した時や病気になった時をイメージして加入するので、必要だけれども楽しくはなく、考えることを後回しにしがちです。そのため、何かのタイミングで勧められて加入するのも意外と良いタイミングなのかもしれません。生命保険と上手に付き合い、安心できる生活を送れるようにしましょう。
 
(出典)
生命保険協会「生命保険の動向(2021年版)」 
生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」 
 
執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者

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