更新日: 2024.08.01 自動車保険
自動車保険のドラレコ特約。そのメリットとデメリットとは?
このような状況において、ドライブレコーダー(ドラレコ)の映像があれば自分の状況を客観的に示し、交渉を有利に進められる可能性があります。
2020年10月の国土交通省の調査によると、ドラレコ搭載率は53.8%と広く普及しており、最近では保険会社から自動車保険の「ドラレコ特約」も販売されています。
この記事では、ドラレコ特約のメリットとデメリットについて説明いたします。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ドラレコ特約とは?
ドラレコ特約は自動車保険のオプションで、特約付帯によってドラレコ機器を貸し出してもらえるサービスです。
映像の記録に加えて、事故対応がスムーズになる補償が充実しているのが特徴です。
メリットとデメリット
ドラレコ特約のメリットは5つあります。
事故の際の保険会社とのやり取りがスムーズ
ドラレコが大きな衝撃を感知すると、保険会社に情報がリアルタイムに連携され、ドラレコを通じてオペレーターと直接会話をすることができます。
事故を起こした場所、自動車保険の契約内容なども通知されるので、事故で焦っている状況の中でも、保険会社とのやり取りをスムーズに行うことができます。
また、事故前後の映像が自動的に保険会社に送信されるので、市販のドラレコと違い、SDカードを抜き出して自分で映像をダウンロードする必要がありません。
警察や救急車の代行手配
自分で救急車を呼べないような場合には、オペレーターを通じて救急車の手配や警察への連絡を代行してもらえます。
周囲に誰もいないような状況でも保険会社に連絡が入り、救急車などの手配も代行してくれるため、一分一秒を争うような大事故の際にはとても有効なサービスです。
最新のドラレコをレンタルできる
ドラレコ特約を契約すると、保険会社から送られてくる新品のドラレコを使うことができます。
自分で購入する場合は1万円~2万円ほどかかりますが、ドラレコ特約は機器を購入する必要がないため、初期費用が抑えられます。各保険会社とも年々新しい機種に更新されており、最新のドラレコをレンタルで利用することが可能です。
ドラレコが故障したら無料で交換が可能
ドラレコ機器は保険会社からのリースとなるため、万が一故障した場合は無料で交換してもらえます。
市販のドラレコは、保証期間を過ぎていれば買い替えや修理が必要になりますが、ドラレコ特約は保険料以外に追加の費用はかかりません。
運転診断ができる
日々の運転の安全度をデータで知ることができます。ブレーキ、アクセル、ハンドル操作などの項目ごとに診断されるため、自分では気づかない運転の癖を知ることができます。
普段から安全運転を意識することは、事故の発生確率を低くすることにつながります。
次にデメリットについてご説明します。
保険料が高い
どの保険会社も特約保険料は月額650円~850円となっています。
市販のドラレコが1万円~2万円程度で購入できることを考えると、ドラレコ特約は割高になります。2年以上使用する場合は、市販のドラレコを購入した方がコストは抑えられます。
保険会社が限定される
2022年6月時点でドラレコ特約を販売している保険会社は4社(東京海上日動火災、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害)のみです。
いずれも代理店を通じての契約方式をとっているため、直販型の通販社と比べると、自動車保険自体の保険料も高くなります。
ドラレコの機種が選べない
ドラレコ特約専用の機器が保険会社ごとに決まっているので、欲しい機能が付いていないケースもあります。
保険会社によって機能が異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
プライバシー情報が共有される
事故の際、保険会社にデータが連携されるため、車内での会話や車内の様子など、人に知られたくない情報も共有されてしまいます。
プライバシー情報も含めてデータ連携することを理解した上で、契約するようにしましょう。
解約時はドラレコを返却する必要がある
ドライブレコーダーはあくまでも保険会社からの貸し出しであるため、ドラレコ特約をやめたり、契約をほかの保険会社に切り替えたりする場合は、機器の返却が必要となります。
返却しない、機器を紛失したなどの場合は、違約金を取られる可能性もあります。
まとめ
ドラレコ特約は事故対応がスムーズになるメリットがありますが、費用が高い、ドラレコ機器が選べないなどのデメリットもあります。
機械の操作が苦手で映像を共有できるか不安のある人、事故対応に慣れていない人や高齢の方にとっては、ドラレコ特約は安心できるサービスです。
一方で、機械の操作に自信のある人や費用を抑えたい人にとっては、市販のドラレコを購入する方がおすすめといえます。
ドラレコ特約と市販のドラレコの選択で迷われている方は、ご自身の状況を踏まえた上で、検討されてはいかがでしょうか。
出典
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部