更新日: 2023.01.10 その他保険

個人賠償責任保険ってどんな保険? メリットとデメリットを解説

個人賠償責任保険ってどんな保険? メリットとデメリットを解説
条例により自転車損害賠償保険への加入を義務づける自治体が増えている(※1)ように、個人賠償責任保険の重要性も見直されつつあります。
 
実際に個人賠償責任保険とは、どこまでの範囲を補償してくれるものなのでしょうか。
 
今回は、個人賠償責任保険の概要と、メリットやデメリットについて解説します。
新井智美

執筆者:新井智美(あらい ともみ)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
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個人賠償責任保険とは

個人賠償責任保険とは、日常生活の中で、自分が他人にけがをさせてしまったときや、他人のものを壊してしまったときに生じる民事上の損害賠償責任の賠償金の支払いを補償する保険です。
 

個人賠償責任保険で補償されるもの

個人賠償責任保険で補償されるケースには、以下のものがあります。

・子どもと買い物中に子どもがお店の商品を落として壊してしまったとき
・キャッチボールをしていて、ボールが近くの家の窓ガラスを割ってしまったとき
・自転車に乗っていて、歩行者にけがをさせてしまったとき
・公園で何気なく振り回したバットが偶然人にあたってけがをさせてしまったとき
・セルフサービスの飲食店で食事をしようとし、トレーをひっくり返して、他人の洋服をよごしてしまったとき
・ベランダに置いていた鉢植えが落ちて、歩行者にけがをさせてしまったとき
・飼い犬が他人にかみついてけがをさせてしまったとき
・集合住宅で水漏れを起こしてしまい、下の階の部屋の家電などを壊してしまったとき

等が挙げられます。
 

<家族が加害者になった場合も補償される>

一般的に個人賠償責任保険は、保険に加入している被保険者だけでなく、被保険者の家族も補償の対象になります。対象となる家族の要件は、生計を一にする同居の親族もしくは生計を一にする別居の未婚の子どもです。
 
ただし、補償の対象範囲は損害保険会社によって異なりますので、契約時に確認しておきましょう。
 

個人賠償責任保険で補償されないケースもある

個人賠償責任保険で補償されないケースもあります。以下のケースでは補償されないことを覚えておきましょう。

1.仕事中に起きた事故
2.加害者と被害者の関係が同居家族
3.スポーツ中に起きた事故
4.借りていた物が破損したケース
5.けがをさせた原因が過失ではなく、故意であるケース

仕事中に起きた事故は補償の対象外です。喫茶店でアルバイトをしており、うっかり食器を割ってしまった場合などは補償されません。また、他人から借りたものを壊してしまった場合、自分で補償するよう保険会社から求められる可能性があります。
 

個人賠償責任保険の加入方法

個人賠償責任保険は単独で加入するよりも、現在加入している火災保険や傷害保険などの特約として加入するケースが多く見られます。そのほか、クレジットカードに付帯している保険サービスを利用できるケースもあります。
 
最近注目されている自転車損害賠償保険に加入することもできますが、自転車損害賠償保険は自転車に乗っている間に起きた事故のみが補償される点に注意が必要です。
 

個人賠償責任保険の補償金額および保険料は?

個人賠償責任保険は賠償金額を補償するものですので、高額に設定されているケースが多く見られます。
 
一方、保険料は安く設定されています。例えば保険金額が1億円で保険期間が1年間の場合、保険料は数千円程度となっています(※2)。
 

個人賠償責任保険に加入する際の注意点

個人賠償責任保険に加入する際には、以下の点に注意するようにしましょう。
 

<保険の重複>

上でも述べたとおり、個人賠償責任保険は、現在加入している保険の特約として付加している可能性があります。その場合新しく加入すると保険が重複してしまいますので、現在加入している火災保険や自動車保険の特約保険の内容を必ず確認するようにしましょう。
 
もちろん、特約保険ではなく単独で加入するほうが補償内容が充実しているケースもあります。その際には、保険料に見合った内容かどうか、また、切り替えのタイミングなどをしっかりと検討することが大切です。
 

<示談交渉サービス>

個人賠償責任保険に加入するにあたっては、できれば示談交渉サービスが付いているものを選択することを検討してみるのも一考です。というのも、加害者と被害者同士で示談交渉を行うのはなかなか難しいものです。この示談交渉を第三者が行ってくれるのは、非常に心強いといえます。
 

まとめ

個人賠償責任保険では、日常生活における他人に対してのけがやものを壊してしまった際の賠償などを補償してもらえます。
 
どちらかというと現在加入している損害保険(火災保険や自動車保険など)の付加保険として加入しているケースが多く見られますが、中には重複して加入している人もいるかもしれません。一度自分の加入している損害保険の内容を確認してみましょう。
 

出典

(※1)国土交通省 自転車損害賠償責任保険等への加入促進について
(※2)日本損害保険協会 個人賠償責任保険
 
執筆者:新井智美
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士(資産運用)
DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員

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