更新日: 2024.05.28 生命保険
義母から「生命保険の受取人は子どもにしたほうがいい」と言われました。節税になるというのですがどういうことですか?
本記事では、生命保険金の受取人を子どもにする場合にかかる税金や、受取人変更の流れについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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生命保険金の受け取りにかかる相続税
相続税は、生命保険(死亡保険)の保険料負担者と被保険者が同じで、被保険者が亡くなった際に取得したものに課税されます。法定相続人の数によって、下記の非課税枠が設けられています。
・500万円×法定相続人の数
法定相続人には、相続放棄をした人も数に含まれます。また養子がいる場合、実子がいるときは1人、実子がいないときは2人までが法定相続人の数に含まれます。
生命保険金の受取人を子どもにすると節税できる理由
もしものことがあったときのために、死亡保険に加入して受取人を配偶者にしている人もいるでしょう。しかし受取人が配偶者である場合は、あまり節税効果が見込めない可能性があります。一方で生命保険金の受け取りを子どもにすれば、相続税の節税ができるといわれています。
本項では、生命保険金の受取人を子どもにしたら、なぜ節税できるのかについて解説します。また、受取人を孫にすると節税できるのかについても、あわせて見ていきましょう。
子どもは相続税非課税枠が使える
生命保険金は、子どもを受取人にしたほうが節税できる場合があります。前術のとおり、生命保険金の非課税限度額は【500万円×法定相続人】です。
しかし配偶者の場合は、相続税は最低1億6000万円もしくは配偶者の法定相続分相当額までは相続税がかからないことになっています。
したがって、配偶者はこの非課税枠を使わずに相続税の計算ができるため、子どもに非課税枠を使ったほうが節税になるといわれています。
受取人が未成年の場合の注意点
子どもが未成年であっても受取人に指定できるものの、注意が必要です。未成年の場合は、親権者や未成年後見人が代理・同意をしないと死亡保険金の請求ができません。
孫を受取人にするのは?
孫を受取人にするのは、節税面ではおすすめしません。その理由は、以下のとおりです。
●代襲相続や養子縁組をしていない場合は相続税非課税枠を使えない
●相続税が2割加算される
●生前贈与加算の対象になる可能性がある
子どもが受取人の際に適用される相続税非課税枠は、相続人ではない孫には適用されません。また、被相続人の一親等の血族および配偶者以外が相続した場合、相続税が2割加算されます。そして、相続開始前3年以内の贈与について、相続税が加算されることになります。
非課税枠が使えない・相続税に加算されるといった観点から、孫を受取人にすると節税できない点に注意しましょう。
生命保険の受取人を変更する方法
生命保険の受取人は、保険期間中であり被保険者の同意があれば可能ですが、保険金の支払い事由(死亡したなど)が発生した場合は変更できません。しかし2010年4月以降の契約であれば、法律的に有効な遺言状があって契約者が被保険者の同意を得ている場合、受取人の変更が可能です。
現在の受取人は、保険証券に記載されているか、生命保険会社のマイページ等でも確認できます。受取人を子どもに変更する流れを見ていきましょう。
1. 生命保険会社に連絡
2. 届いた書類に記入
3. 郵送または窓口に提出
多くの生命保険会社では、電話・インターネット・窓口などで受取人を変更したい旨を伝えることで、必要書類を受け取れます。書類に必要事項を記入、提出をして手続きが完了します。
生命保険会社や契約の状況によっては、インターネットのみで手続きできるケースもあるため、加入している生命保険の会社に問い合わせるとよいでしょう。
生命保険金の受取を子どもにして節税しよう
生命保険金の受取人は子どもにすると節税できる場合があるため、節税を気にしている人は子どもを受取人に変更してもよいでしょう。なお、孫は節税できないケースのほうが多いです。受取人の変更をする際は、加入している生命保険会社に連絡し、手続きをしましょう。
出典
国税庁 No.4152 相続税の計算
国税庁 No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
国税庁 No.4158 配偶者の税額の軽減
国税庁 No.4157 相続税額の2割加算
国税庁 No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
公益社団法人生命保険文化センター 生命保険契約の継続 諸変更と届出
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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