生命保険料控除の対象となる保険、対象とならない保険
配信日: 2017.10.30 更新日: 2019.01.11
生命保険料控除の対象となる保険、対象とならない保険についてまとめてみました。
Text:松浦建二(まつうら けんじ)
CFP(R)認定者
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/
生命保険料控除の対象となる生命保険契約
一般生命保険や介護医療生命保険の保険料控除対象となる保険は、保険金や給付金の受取人が保険料負担者本人か、その配偶者または親族となっている必要があります。
さらには、一般生命保険の場合は生存または死亡によって保険金が支払われる保険契約であること、介護医療保険の場合は疾病または身体の障害により保険金が支払われる契約のうち、医療費の支払事由によって支払われる保険契約であることとなっています。
保険期間が5年未満の契約や傷害保険等は保険料控除の対象になりません。
個人年金保険の場合は、年金の受取人が保険料負担者本人かその配偶者となっている必要があります。
また、保険料は10年以上定期的に支払い、受け取る年金は原則として満60歳になってから10年以上の確定年金または終身年金として受け取る設定になっていることが控除対象の要件になっています。
つまり5年確定年金で受ける契約だと対象になりません。
生命保険料控除の対象となる契約は、保険会社の保険だけでなく旧簡易生命保険(かんぽ)や農業協同組合等の共済も含まれます。
妻の保険も生命保険料控除に対象になる
生命保険料控除の対象となる保険契約には契約者の定めがありません。
保険料控除を申告する本人が保険料を支払っている保険契約であれば、契約者が妻であっても生命保険料控除の対象になります。
逆(夫が契約者の保険を保険料負担している妻が申告)の場合も同様です。
税額を少しでも多く減らすことを考えるなら、所得税率の高い人が保険料負担をして、生命保険料控除を受けた方が効果は大きいです。
受取人を離婚した妻のままにしてある保険は対象外
上記に記載した通り、一般や介護医療の生命保険料控除の対象となる保険は、「受取人が保険料負担者本人か、その配偶者または親族」となっています。
離婚した妻はその要件から外れるので、遅滞なく受取人を変更しておく必要があります。
変更して子や再婚した妻にすれば、また控除対象の保険契約になります。
保険料を支払ったタイミングで判断するので、そのタイミングで受取人が離婚した妻になっていれば、その期間中の保険料を引いた額で保険料控除の計算をすることになります。
生命保険料控除の対象になるかどうかは、判断が難しいことも多々あります。
加入している生命保険会社等に確認し、所得控除できる契約は確実に控除するようにしましょう。
Text:松浦建二(まつうらけんじ)
CFP®認定者、1級ファイナンシャル・プランニング技能士