大型台風から我が身を守る 火災保険での水災補填・保障の範囲

配信日: 2019.10.24 更新日: 2024.09.18

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大型台風から我が身を守る 火災保険での水災補填・保障の範囲
今年も大型台風や集中豪雨などにより多くの地域で大変な被害が出てしまいました。自然災害は本当に恐ろしいですね。被害を受けた時に金銭的に助けになってくれるのが火災保険ですが、その中でも川の氾濫や土砂災害で被害を受けた場合は、水災の分野での補償になります。
 
火災保険では、火災の他にも落雷・爆発・風災・ひょう災・雪災・水災・水もれ・盗難など幅広く補償しています。ただ、火災保険に加入している全ての方に水災の補償があるわけではありません。
 
火災保険に加入する際に、水災が入っていない商品を選んだり、水災を補償から外したりすることができ、水災補償を含まないことで保険料は安くなります。
 
加入している火災保険には水災補償はありますか? 付いていない方は、水災の危険は本当にないですか? 火災保険の水災に関して詳しく見てみます。
 
田中栄二

執筆者:田中栄二(たなか えいじ)

AFP認定者 

2級DCプランナー
確定拠出年金相談ねっと 認定FP
福岡でのテニスコーチ業で、個々に適した伝え方や問題解決の基礎を学ぶ。その後「保険業は困ったときにこそ必ず人の役に立てる」と誘われ保険代理店の道へ。複数の保険会社・証券会社を取扱う会社に所属し、保障から資産運用までサポートしている。20年の保険業務と15年の証券業務の経験を持つ。「幸せな楽しい老後を送るための資金準備をしませんか?」の思いを伝えるべく確定拠出年金を活用した老後資金作りの相談やサポート業務、資産形成セミナーも行っている。

水災補償の対象

水災はどんな状況で補償されるのでしょうか? 保険会社や商品で違いがありますが、下記のような規定が一般的です。
 
・台風
・暴風雨
・豪雨等による洪水
・融雪洪水
・高潮
・土砂崩れ

などが原因の場合です。
 
また、損害の状況が次のいずれかに該当する場合にも適用されます。
・再調達価額または保険価額の30%以上の損害が生じた場合
・床上浸水または地盤面より45cmを超える浸水により損害が生じた場合

 
ここで見逃してはいけないことは、洪水以外の高潮や土砂崩れでも補償の対象になるということです。言い換えると洪水・高潮・土砂崩れの起こるリスクのある場所の建物は、水災補償を外すべきではありません。
 
例えば、標高が高いところにあり水災の危険がなくても、裏に山があり大雨が続くと土砂崩れのリスクがある場合などです。こういったリスクが少しでもあれば、水災補償は付けておくべきでしょう。水災を外していいのは、水災リスクがまったくない地域だけです。
 

災害リスクを調べてみよう

自宅のある地域の災害リスクを調べるには、国土交通省「ハザードマップポータルサイト〜身のまわりの災害リスクを調べる〜(※1)」の『重ねるハザードマップ』がとても便利です。住所を入力すると洪水・土砂災害・津波・道路防災情報を確認できます(ちなみに津波は地震保険でしか補償されません)。
 
指定した地域で洪水と土砂災害をクリックすると、リスクのある地域は色で表示されます。ぜひ、ご自分の住んでいる地域を確認することをお勧めします。火災保険の水災を付けるか外すかを判断する際のツールとしてもとても役に立ちます。
 

まとめ

保険料を安くすることに目が向きがちですが、必要な補償はしっかり付けておいたほうがよいと思います。もしも大きな水災被害に遭ってしまったら、家を建て替えなければならないこともあります。これは大きな金額ですよね。
 
そんなときに火災保険でカバーできるのか否かはとても大きな問題です。支払う保険料を少し削減したために、莫大な金額のローンだけ残るような事態だけは避けてほしいと思います。
 
家を建て替えるような被害だと家財道具も使い物にならなくなり、新しく買いそろえることになるでしょう。大きな被害を想定するなら、建物の保険と同時に家財の補償もとても重要になりますので、保険に加入される際はしっかり検討されることをお勧めします。
 
また、以前の保険で水災の補償を70%までしかしない商品などもありますので、すでに火災保険に加入している方は保険内容を確認しておきましょう。
 
(※1)国土交通省「ハザードマップポータルサイト〜身のまわりの災害リスクを調べる〜」
 
執筆者:田中栄二
AFP認定者 


 

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