更新日: 2019.09.25 その他保険

友達が2019年から火災保険料が上がるから加入するなら今だよ!って言うんですが本当?

友達が2019年から火災保険料が上がるから加入するなら今だよ!って言うんですが本当?
今年は自然災害による被害が例年より非常に多く、被災された方もかなり多いようです。そんな時に金銭的に助けてくれるのが火災保険です。火災保険は、火災の他にも落雷・爆発・風災・雪災・ひょう災・水災・外部からの物体の衝突・水濡れ・盗難なども補償しています(契約により補償を限定しているものもあります)。
 
また、地震・噴火・津波の被害は地震保険でしか補償できません。
 
こんなに災害が多いと今後保険料は上がるのでは、と思っている方も多いのではないでしょうか。実際はどうでしょう?
 
火災保険と地震保険と分けてみていきます。また、影響を受けない保険の契約の仕方についても触れたいと思います。
 
田中栄二

執筆者:田中栄二(たなか えいじ)

AFP認定者 

2級DCプランナー
確定拠出年金相談ねっと 認定FP
福岡でのテニスコーチ業で、個々に適した伝え方や問題解決の基礎を学ぶ。その後「保険業は困ったときにこそ必ず人の役に立てる」と誘われ保険代理店の道へ。複数の保険会社・証券会社を取扱う会社に所属し、保障から資産運用までサポートしている。20年の保険業務と15年の証券業務の経験を持つ。「幸せな楽しい老後を送るための資金準備をしませんか?」の思いを伝えるべく確定拠出年金を活用した老後資金作りの相談やサポート業務、資産形成セミナーも行っている。

火災保険の保険料は今後どうなる?

火災保険料は、保険金支払い状況などにより各都道府県でそれぞれ異なります。保険会社が独自に決めていますので、今後保険料の改定をするかは保険会社次第ということになります。
ただ、気になる改定が今年の5月に発表されました。それは、損害保険料率算出機構の「参考純率の改定」です。
 
まず、保険料は下図の純保険料率と付加保険料率を足した料率をもとに計算されます。
 

 
付加保険料は各社が独自に決定しますが、純保険料率に関してはこの参考純率を参考にすることができます。
 
今回の参考純率の改定では平均で5.5%引き上げてられています。これは2013〜2015年の保険データをもとに算出されたもので、自然災害や水濡れ損害の増加が背景にあるようです。
 

 
参考純率はそのまま保険料の改定に反映されるわけではありませんし、保険会社は参考料率の使用義務もありません。保険会社独自で決定していくものですが、影響を受ける可能性は大いにあります。そうであれば、特に最大の鹿児島県のM構造や熊本県のT,H構造の建物の保険料が上がることになります。
 
この参考料率には、今年の災害での保険金支払いは反映されていません。今年かなり支払いが多かったことを考えると、さらに今後の保険料改定に影響が出てくるのではないでしょうか。
 

地震保険料率の改定は2019年1月

2019年1月の保険料率の改定が決まっています。今回の改定は3段階改定の2回目です(1回目は2017年1月、3回目は未定)。
 
全国平均で約3.8%の引上げとなっております。
 

 

保険料改定の影響を受けない契約方法

まず、今後料率改定により保険料がアップするのを避けたい場合は、契約の期間を1年ではなく、5年や10年と長期で契約することをお勧めします(地震保険の契約期間は5年が最長)。契約したときの料率が長期で使われることになり、結果として影響を受けなくなります。
 
保険期間を長期にするメリットは他にもあります。
 
まず、毎年の更新手続きが不要になります。長期の契約形態であれば、ほとんどの保険会社より1年ごとに契約内容の案内が郵送されますので、年1回内容をチェックする機会にもなります。
 
また、保険料を一括で支払うと保険料が安くなります。会社ごとに違いますが、例えば10年の期間を一括払いすると1年ごとに支払うよりも約15%の割引があります。
 
地震保険は1年間で10,000円の保険料の契約だとすると、5年間一括で支払うと44,500円(2019年1月より46,000円)と割引があります。長期契約には年払いや月払いができる保険会社もあります。「改定の影響を避けたいけど、保険料は一括で支払うのは負担が大きい」という方は期間を長期にして年払いにする方法もあります。
 
ただ、前述しておりますようにすべての地域が改定によって保険料が上がることが確定しているわけではありません。地域によっては下がる場合もあるかもしれません。
 
一例として私が住んでいる熊本県を見てみると、一戸建ての方は参考純率が大きく引き上げられておりますし熊本地震の影響も今後出てくると思われますので、熊本県の方の火災保険の契約は長期での契約をお勧めしております。
 
今後火災保険を新しく契約される方、また更新の時期が近い方も含めて、現在契約されている方の参考になれば幸いです。
 
<参考>
損害保険料率算出機構「火災保険 参考純率改定のご案内」
 
Text:田中 栄二(たなか えいじ)
AFP認定者 


 

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