就職のため学校に通うと受けられる教育訓練給付金とは?(1)

配信日: 2020.03.23

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就職のため学校に通うと受けられる教育訓練給付金とは?(1)
就職・転職のために資格を取得したい人、キャリアアップしたい人はたくさんいることでしょう。そのための教育訓練を受けた場合、教育訓練給付金が受けられる場合があります。
 
その受講する講座の種類によって受けられる給付金の種類、金額も異なります。教育訓練給付金制度について、全4回に分けて取り上げます。

井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

専門は公的年金で、活動拠点は横浜。これまで公的年金についてのFP個別相談、金融機関での相談などに従事してきたほか、社労士向け・FP向け・地方自治体職員向けの教育研修や、専門誌等での執筆も行ってきています。

日本年金学会会員、㈱服部年金企画講師、FP相談ねっと認定FP(https://fpsdn.net/fp/yinouchi/)。

雇用保険の教育訓練給付金とは?

就職のために資格を取りたいと思っていても、資格の取得には費用がかかります。教育訓練給付金は、資格取得のため、厚生労働大臣の指定する教育訓練講座を受講し、修了した場合に支給される雇用保険の給付金制度で、就職を促進するための給付です。
 
その教育訓練給付金は、
(1)一般教育訓練給付金
(2)特定一般教育訓練給付金
(3)専門実践教育訓練給付金
(4)教育訓練支援給付金
に分かれています。
 
(4)教育訓練支援給付金については、2021年度末までの時限的な給付金です。65歳未満の一般被保険者や65歳以降の高年齢被保険者として雇用保険の被保険者である人、あるいはそれらの被保険者であった人がその対象となります。
 
つまり、パートタイマー、アルバイト勤務であっても雇用保険に加入していれば受給対象です(週20時間以上で31日以上継続勤務が見込まれると加入します)。
 
(1)から(4)の給付金が受給できるかどうか、受講する講座が教育訓練給付金制度の対象になるかどうかについては、公共職業安定所(ハローワーク)で支給要件照会を受けて確認できます。

一般教育訓練給付金を受けるための要件は?

(1)から(4)のうち、まず(1)一般教育訓練給付金は、働く人の主体的な能力開発の取り組みを支援するための給付金で、一般教育訓練として指定された講座を受講し、修了した場合に支給される給付金です。
 
医療、福祉、事務、語学、営業、販売、技術など、さまざまな分野の講座が対象となっており、合計で1万以上の講座が指定講座になっています(厚生労働省ホームページより)。
 
受給するためには雇用保険に加入してきたことが条件となっていますが、受給開始日に在職中(一般被保険者、高年齢被保険者)の場合、受講の開始までに同一事業主で引き続き雇用保険被保険者であった期間(支給要件期間)が3年以上ある人が対象です。つまり、3年間の雇用保険の加入が必要です(【図表1】A)。
 
一方、退職して被保険者でない人が受給するためには、3年間の支給要件期間を満たした上で、退職による雇用保険の加入資格を喪失(退職の翌日)してから1年以内(原則)に教育訓練を受講開始する必要があります(【図表1】B)。
 


 
ただし、初めて一般教育訓練給付金を受給する人については、雇用保険の被保険者であった期間(支給要件期間)が1年以上あれば良いことになっています。
 
なお、過去に教育訓練給付金を受けたことがある人は、その受講開始日以降3年以上支給要件期間がないと、再び一般教育訓練給付金は受けられません。

一般教育訓練給付金を受けるための額は?

実際に一般教育訓練給付金として支給される額ですが、原則として、支払った受講のための費用のうちの20%です。
 
一般教育訓練給付金の対象になる費用は、入学金および1年以内の受講料(雇用保険の短期訓練受講費として受けたものを除く)、受講開始1年前にキャリアコンサルティングを受けた場合のその費用(上限2万円)です(【図表2】)。
       
ただし、給付金の額は10万円が上限です。受講のために60万円支払ってもその20%の12万円ではなく、10万円が受けられる給付金です。また、給付金として計算される額が4000円を超えない場合は支給されません。
 

受給の手続きを忘れずに

一般教育訓練給付金を受けるためには、受講修了後、自身の住所地を管轄するハローワークに手続きが必要です。
 
教育訓練給付金支給申請書、教育訓練機関が発行する受講にかかった費用の領収書や教育訓練修了の証明書、マイナンバー確認書類、本人確認書類、その他必要書類を添え、修了から1ヶ月以内の手続きが必要ですので、忘れずに行いましょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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