雇用保険の給付金は失業時だけではない? 4つの給付で賢くスキルアップ

配信日: 2018.04.06 更新日: 2021.05.11

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雇用保険の給付金は失業時だけではない? 4つの給付で賢くスキルアップ
働く私たちにとって雇用保険は身近な制度ですが、普段雇用保険を意識することはあまりないように思います。

では、いつ雇用保険を意識するのかと言うと多くの人は退職して失業した時に雇用保険の基本手当(失業保険とも呼ばれています)を受給するために活用されているのではないでしょうか。

でも実は、雇用保険の給付金は失業時だけではないのです。簡単にまとめますと失業した時の基本手当、再就職時の就職促進給付、高齢の人、育児や介護のために休業される人のための雇用継続給付、そして教育訓練給付と4つに分けることができます。

今回の記事では教育訓練給付について制度の要点などを記載していきたいと思います。

橋本直樹

執筆者:橋本直樹(はしもとなおき)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士
橋本1級FP事務所 代表
総合保険代理店、証券会社勤務後、独立。独立後は保険や投資信託等の金融商品は取り扱わず、保険の見直しやライフプラン実現のための効率的ポートフォリオの提案等の相談業務のみのコンサルティングに特化。生活していくうえで付きまとうお金の問題をわかりやすく丁寧に説明するよう心がけています。

教育訓練給付金について

政府が標榜する「働き方改革」の影響もあるのでしょうか。教育訓練給付の内容について平成30年1月1日から支給額など拡充されています。
 
そもそも教育訓練給付とは、どのような制度でどのようなケースで利用できるのでしょう。
 
厚生労働省のホームページによると、働く人の能力(スキル)アップを支援することで雇用や再就職の促進につながるよう教育訓練のために支払う費用が一部支給される制度です。
 
支払う費用が一部支給される制度ですが、教育訓練給付には「一般教育訓練給付金」「専門実践教育給付金」の2種類があり、支給額などに違いがあります。また平成34年3月31日までの時限措置ですが「教育訓練支援給付金」もあります。
 
それでは個別にみていきたいと思います。
 
・一般教育訓練給付金
ご自身のスキルアップのため、簿記やファイナンシャルプランナー、インテリアコーディネーターなどの資格を取得するために一般教育訓練給付金を活用する場合、希望する資格等の受講開始日現在で雇用保険の加入期間が3年以上(初めて受講する場合は1年以上)などの条件を満たし、かつ受講終了後、1カ月以内に受講者本人の住所地を管轄するハローワークに申請書等の必要書類を提出することで利用することができます。
 
支給額は支払った教育訓練経費の20%相当となっております。(10万円を超える場合は10万円とし、4000円を超えない場合は支給されません)
 
・専門実践教育給付金
看護師や社会福祉士、教職大学院など業務独占資格や専門職学位課程の受講を希望される人は専門実践教育給付金の対象となりますが、要件があり、受講開始日現在で雇用保険の加入期間が3年以上(初めて受講する場合は2年以上)などの条件を満たし、かつ受講開始日1カ月前までにジョブ・カードの交付を受けて、必要書類をハローワークに提出する必要があります。
 
支給額は支払った教育訓練経費の50%相当となっております。(1年間で40万を超える場合は40万円を限度とし4000円を超えない場合は支給されません)
 
また、専門実践教育訓練の受講修了後、定められた資格を取得し1年以内に雇用されるなど条件を満たす場合は、さらに教育訓練経費の20%相当が追加して支給されます。(合計70%相当)ただし限度額があり訓練期間が3年の場合で168万円となっております。
 
・教育訓練支援給付金(平成34年3月31日までの時限措置)
通信制や夜間制を除いた専門実践教育訓練を初めて受講する人で、受講開始時に45歳未満などの要件を満たす人が受講期間中、失業状態にある場合に支給されます。
 
出典:ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_education.html#kyouiku
教育訓練給付制度検索システム
http://www.kyufu.mhlw.go.jp/kensaku/SCM/SCM101Scr02X/SCM101Scr02XInit.form
出典:厚生労働省(専門実践教育訓練指定講座)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000175972.html
出典:厚生労働省(ジョブ・カードとは)
http://jobcard.mhlw.go.jp/job_card.html

さいごに

雇用保険と言えば基本手当(失業保険)の印象が強いように思いますが、今回の記事では教育訓練給付に焦点をあてて記載しました。
 
最後になりますが雇用保険の保険料率は一般の事業の場合、平成30年度は0.9%となっており、そのうちの0.3%が労働者の負担部分です。
 
毎月保険料を負担しているのですから、失業してしまった場合は基本手当の支給を受け、ご自身のスキルアップの向上を計画するさいは積極的に教育訓練給付制度を活用し有効に役立てていっていただけたらと思います。
 
出典:厚生労働省(雇用保険料率について)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000108634.html
 
Text:橋本直樹(はしもとなおき)
1級ファイナンシャルプランニング技能士 宅地建物取引士
橋本1級FP事務所 代表

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