更新日: 2020.10.13 その他保険

小さいけれど、意外に複雑なのペット保険。選び方教えます

小さいけれど、意外に複雑なのペット保険。選び方教えます
ペットは今や我々の生活に溶け込んだ存在になっていますが、ペットに関する年間支出は犬の場合約30万円、そのうち約10万円が医療費とペット保険にかかる費用といわれています。

ペット保険は徐々に普及しつつありますが、この記事ではペット保険の仕組みを人間の医療保険と比較しながら解説し、加入にあたって注意するべき点について説明したいと思います。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

ペットの治療は自由診療で公的保険が存在せず、全額自己負担となる

人間の医療は保険診療で、治療の内容には保険の制約がありますが、公的保険(健康保険など)が治療費の70%を負担するので、自己負担は30%で済みます。
 
これに対し、ペット保険には公的保険が存在せず、自由診療で、治療費は全額自己負担となります。
 
対応:全額自己負担を避けるためには、ペット保険に加入する必要があります。
 

ペット保険は基本的に終身保障だが毎年更新される。ペットの年齢に応じて、ほぼ毎年保険料がアップする

人間の医療保険(民間保険)の場合、終身保障は基本的に毎年更新する必要はありません。また、加入する年齢が高くなるにつれて保険料も高くなりますが、一旦加入すれば、保険料は終身一定です。
 
これに対し、ペット保険は毎年更新され、保険料はほぼ毎年アップします。
 
対応:ペット保険料は、ペットの寿命を考えた合計保険料で評価する必要があります。
 

ペット保険の給付金の支払いは、医療費実費に一定の比率を掛けた金額が支払われる

人間の医療保険は通院・入院とも日額ベースで一定の金額(例えば、5000円、1万円など)、手術給付金も一定額が支払われるのに対し、ペット保険の場合、通院・入院・手術とも医療費実費に一定の割合(50%、70%、100%)を乗じた金額が支払われます。支払い方式でいうと人間の公的保険である健康保険と同じ方式です。
 
対応:保険料と給付金の費用対効果を考えて、ペット保険の補償の割合を決める必要があります。人間の公的保険(健康保険など)と同じ70%にするのも1つの考え方です。
 

ペット保険には最大補償金額が設定されている

最大補償金額とは、1年当たりの給付金の限度額を指します。人間の医療保険では、最大補償金額は決められていませんが、ペット保険では70万円から130万円位で定められています。どんな場合でも、支払限度額以上は支払われません。
 
対応:最大補償金額は、保険の最終的な支払限度額を示す指標なので、できるだけ大きい保険を選んだ方がよいです。
 

ペット保険にはさらに個別補償の限度額がある

人間の医療保険は定額払いなので、入院日額の金額(例えば、1万円)や1入院の支払限度日数(例えば、60日)が定められています。
 
実費ベースで支払うペット保険ですが、最大補償金額のみならず、個別補償でも支払限度額や支払限度日数を定めている保険会社が多く、必ずしも実費ベースでの支払いが行われるとは限らないので注意が必要です。
 
具体的には、次の様な条件が設定されています。
(数字はあくまで例なので、保険会社によって異なります)
 
通院補償
1日当たり1万円まで、 1年当たり20日まで
入院補償
1日当たり2万円まで、 1年当たり30日まで
手術補償
1回当たり10万円まで、 1年当たり2回まで
 
対応:個別補償に対する限度額を設定していない保険を選ぶことが望ましいといえます。
そのような保険がない場合は、個別補償の限度額ができるだけ大きいものを選ぶ必要があります。
 

ペット保険の給付金には免責金額がついているものがある

人間の医療保険には通常免責金額はついていませんが、ペット保険には免責金額がついているものがあるので注意が必要です。具体的にいうと、入院補償に3000円/日の免責金額がついている場合、その分だけ給付金が減ることになるので注意が必要です。
 
対応:免責金額のついていない保険を選ぶべきです。
 

まとめ

ペット保険は小規模な保険ですが、その構造はかなり複雑です。最もいい保険を選ぶためには、いくつかの点をきちんと検討する必要があります。
 
ペット保険を選ぶ際には、この記事で挙げた条件は確認するようにしてください。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー


 

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