更新日: 2019.09.03 その他保険
「ペット保険」って必要?小さな家族の緊急事態にかかるお金とは
かわいくて、いつも癒やしてくれる大切な存在ですが、そんなペットに万が一のことが起きたとき、いくらくらいお金が必要かご存知でしょうか?
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表
自身が過去に「貧困女子」状態でつらい思いをしたことから、お金について猛勉強。銀行・保険・不動産などお金にまつわる業界での勤務を経て、独立。
過去の自分のような、お金や仕事で悩みを抱えつつ毎日がんばる人の良き相談相手となれるよう日々邁進中。むずかしいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えする仕事をしています。平成元年生まれの大阪人。
我が家のペットの緊急事態! お金はいくら必要?
・病気やケガで動物病院に行くことに……医療費
動物には、人間と違って健康保険のような社会保障制度がありませんので、「窓口での支払いは3割負担でOK」というわけにはいきません。10割まるごと自己負担になるうえに、最近はペットの医療も高度化が進み、そもそもの医療費も高額になりやすい傾向があるそうです。
たった一度の通院で数千円かかることも多いですし、手術・入院などが重なると数十万円が吹き飛んでしまうこともあります。
・ペットが人に危害を加えた!……賠償費用
ペットが他人に噛みついてケガをさせてしまった、ペットが急に走りだしてぶつかってしまい、他人の持ち物を壊したなど、ペットが原因で損害賠償が発生するケースがあります。なかには、相手に大ケガをさせてしまって1000万円以上の賠償を命じられた例も。
特に、力の強い大型犬や毒を持つような危険動物を飼っている方、お散歩などペットと一緒に外出して人と触れ合う機会が多い方などは、要注意です。
・ペットが亡くなってしまった……葬祭費用
亡くなったペットは自治体に引き取ってもらうことができます。でも最近は、ずっと愛情を注いできたペットなら、家族と同じようにしっかりと葬儀をして送り出してあげたい、と考える方も多いです。
ペット専門の葬儀業者に依頼したときの費用は、その方式や動物の大きさなどにもよりますが、数千円~10万円ほどです。お通夜やお墓などもあり、人間同様に手厚く弔うことができるようになっています。
急に訪れるペットの緊急事態……「ペット保険」という選択肢
ペットに関連する大きな出費に備えるため、「ペット保険」というものがあります。人間で言う医療保険のようなもので、「犬と猫の医療費の備え」として発売されていることが多いのですが、実はいろいろな種類があります。
ウサギ・鳥・フェレットなど犬猫以外の動物を対象にできる保険や、医療費だけではなく、賠償費用や葬祭費用含めいろいろなリスクをまとめてカバーできる保険なども出ています。
「ペット保険」って必要? 入っておくべき?
ペット保険に限らず、保険というものは基本的に、自分では対応しきれないくらい大きなお金が必要になった場合に備えるためのものです。もしものときにかかる金額を知ったうえで、貯金でまかなえそうだと思うなら、あえて保険に入ったり細かい特約などを付けたりする必要はないでしょう。
特に賠償費用については、いま入っている火災保険や自動車保険、傷害保険などに、すでに特約として付いている可能性があります。詳しい説明を受けておらず見落としてしまう方も多いのですが、一度ご自身の保険証券を確認してみることをおすすめします。
ペット保険は1ヶ月あたり数百円から入れるとはいえ、10年以上支払い続ける可能性もあるわけですから、その保険料はばかになりません。何か起きても大丈夫な資金があるなら、浮いた保険料でわんちゃんや猫ちゃんのオモチャかおやつでも買ってあげた方が、有意義かもしれません。
逆に、手元にそんな余裕資金がなく、長年連れ添ったペットが病気になって医療費が思いのほか高額になったら…などと心配したくない方には、ペット保険で備えるという手が有効に働きます。
小さな家族を守るため、自分のお財布と相談しつつ、しっかり考えてあげたいですね。
執筆者:馬場愛梨(ばばえり)
ばばえりFP事務所 代表