受取人を「法定相続人」とする場合の死亡保険金について

配信日: 2021.01.26

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受取人を「法定相続人」とする場合の死亡保険金について
被保険者が亡くなることにより、受取人が死亡保険金を受け取ることができるのが生命保険です。そして、この受取人は生命保険を契約する時に、契約者によって定めますが、被保険者の同意を得た上で変更することも可能です。
 
では、保険証券の受取人欄に「法定相続人」とだけ書かれている保険契約の場合、死亡保険金はどのように扱われるのでしょうか?
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

保険金受取人を「法定相続人」とする保険があったら

保険金受取人を「法定相続人」とした保険契約があり、相続が発生した場合、死亡保険金は「相続財産ではない」かつ「受取人固有の権利である」ということになります。つまり、遺産分割協議の対象ではありませんし、相続放棄をした人であったとしても、死亡保険金を受け取ることができるのです。
 
では、法定相続人が複数の場合は、どのようになるのでしょうか? 
 
結論から申し上げると、死亡保険金を法定相続分にて分割ということになります。
 
なお、死亡保険金は「みなし相続財産」として、死亡保険金の合計額や他の相続財産の評価額によっては相続税の課税対象にもなる可能性があります。ただし、「500万円×法定相続人」の非課税枠を利用できます。
 

保険金受取人が「法定相続人」という契約はあるのか?

そもそも保険金受取人が「法定相続人」という契約があるのでしょうか?
 
生命保険は、契約時に2親等以内(=一部の商品では3親等以内)の誰かを受取人として指定することが原則となっています。しかし、生命保険会社によっては、結婚前などの理由で「法定相続人」を受取人として申し込むことができるものもあります。
 
ちなみに、「制度共済」では加入時に死亡共済金の受取人を指定することはありませんが、「死亡共済金の受取人の順位」は決まっています。配偶者が最優先で、もし配偶者がいなければ「契約者の死亡の当時、その収入により生計を維持していた契約者の子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹」となっています。
 

まとめに代えて

もし、死亡保険金の受取人が「法定相続人」となっている生命保険を契約している場合は、受取時・相続時にスムーズな保険金の受け取りができないかもしれません。できれば、受取人を特定のどなたかに定めておくほうがよいでしょう。
 
生命保険の見直しをする際、保障もしくは補償の内容と保険料に重きを置かれる方も多いかと思います。しかし、死亡保険金の受取時・相続時にトラブルが発生しないよう、受取人もしっかり確認しておきたいものです。
 
(参照・引用)
生命保険文化センター「生命保険に関するQ&A」
生命保険文化センター「各論」
都民共済「生命共済 総合保障型 ご加入にあたって」
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役
 

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