時代とともに変わってきた日本人の主な死因

配信日: 2017.10.06 更新日: 2019.09.02

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時代とともに変わってきた日本人の主な死因
日本人の死因順位で1位は悪性新生物(がん)です。多くの人が知っていることでしょうが、では2位や3位は何の傷病でしょうか?昔からがんが不動の1位だったのでしょうか?死因について調べてみました。
松浦建二

執筆者:松浦建二(まつうら けんじ)

CFP(R)認定者

1級ファイナンシャル・プランニング技能士
1990年青山学院大学卒。大手住宅メーカーから外資系生命保険会社に転職し、個人の生命保険を活用したリスク対策や資産形成、相続対策、法人の税対策、事業保障対策等のコンサルティング営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する講演や執筆等も行っている。青山学院大学非常勤講師。
http://www.ifp.cc/

悪性新生物の死因順位は36年連続で1位

厚生労働省の統計の中に、1899年(明治32年)から2016年(平成28年)までの実に115年間(1944年~1946年の3年間を除く)の傷病別死亡率の統計がありましたので、主な死因の死亡率の推移をグラフにしてみました。


資料:厚生労働省「平成28年人口動態統計(確定数)」
※1943年のみ樺太を含み、1947年~1972年は沖縄県を含まない。1944年~1946年は資料不備により数値無し。死因分類の改正により年次ごとの内容は完全に一致しているとは限らない。

 
悪性新生物は1981年(昭和56年)に脳血管疾患から代わって1位になり、2016年(平成28年)まで36年間も1位を続けています。がん治療の進歩によりがんになっても死ななくなってきていると言われていますが、それでも死亡率は年々上昇しており、2016年の死亡率は298.3で、全死因の28.5%を占めています。2位は心疾患(高血圧性を除く)で、3位肺炎、4位脳血管疾患と続いています。がんと心疾患では死亡率に倍近い開きがあるので、余程のことがない限り悪性新生物が1位を継続していきそうです。

過去は脳血管疾患や結核が多い時代もあった

現在は悪性新生物が1位ですが、1980年(昭和55年)までは脳血管疾患が30年連続で死因順位の1位でした。さらに昔は結核が1位であったことが多く、過去115年間の死因順位1位の内訳は、結核39年、悪性新生物36年、脳血管疾患31年、肺炎9年となっています。
 
118年の間には大地震や戦争があり、注釈には樺太を含むとか沖縄を含まないとか書かれています。時代や統計の取りかたによって死因順位は変わってきたでしょうし、今後も変わる可能性はあります。悪性新生物に代わる大病の現れる日がやってくるかもしれません。

死因が違えば備え方も違ってくる

私たち日本人の死因を知ることは、万一への適切な備えにもつながります。特にがんが心配なら、がん検診や人間ドック等を受けることが予防策になります。
禁煙や食生活の改善もがん対策に効果がありそうです。経済的備えとしては、がん保険やがん保障の付いた医療保険に加入するのも有効的です。
 
がん・心疾患・脳血管疾患が心配なら、最近増えてきている三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)へ備える医療保険等に加入するのも選択肢の一つとして有効的です。勿論、保険に頼らず貯蓄で備えることもできます。時代の変化に対応した安心できる備えをしておきましょう!

※グラフは平成28年人口動態調査(確定数)の死亡上巻5-12表をもとに作成していますが、他の統計では異なる順位となっている場合もあります。

執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者


 

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