2019.01.31 暮らし

消費増税で「キャッシュレス決済なら5%の還元」は本当にお得?損しない?

2019年10月の消費税増税に備えて、キャッシュレス決済した際のポイント還元率を当初予定の2%から5%に引き上げる方針が、政府より示されました。還元するポイントには国費を充て増税後の景気を下支えするとともに、日本のキャッシュレス化を後押しする狙いもあるようです。
 
「5%のポイント還元」と聞くと、高還元率でお得なように聞こえますが、すべての決済に対してではないので注意しなければなりません。加えて、増税後でなくても「ポイントをうまく利用できるかどうか」は、キャッシュレス決済を使いこなすための大きな要素になります。
 

「5%のポイント還元」の注意点

今後変更されることもあり得ますが、現段階では
・中小の小売店などでのキャッシュレス決済が対象
・東京オリンピックまでの9カ月間の期間限定
ということに注意が必要です。
 
つまり、自分がいつも買い物をしている店が大型商店やデパートなどの場合、いくらクレジットカード決済をしたところで還元率は5%どころか、通常のクレジットカードのポイントが貯まるだけです。
 
期間も東京オリンピックまでですので、消費増税後の我々の消費を促すというよりは、東京オリンピックへ向けて、インバウンド観光客にどんな小さな店でもお金を遣ってもらうための基盤整備でもあるわけです。
 
仮に地元の惣菜店でキャッシュレス決済ができるようになったとしても、もともと利用金額が少ない店では、高還元率の魅力も少ない可能性があります。
 

キャッシュレスの落とし穴

ポイントが付くからと、すべての支払いをカード決済にしている人の中には、お金が貯まらず、その問題の原因がどこにあるのかわからない人もいます。
 
その理由は、3つあります。
1.キャッシュレスなため支出のハードルが下がり、無駄遣いをしてしまうこと
2.すべての支出の「見える化」ができなくなっていること
3.貯めたポイントの利用方法が悪いこと
 
クレジットカードのようなキャッシュレス決済は、手元に現金がなくても買い物ができてしまうため、財布のひもが緩みやすく、本当に必要でないものまで買ってしまうことがあります。また、ネットショップなどでは、その場に商品現物がないので、購入したという印象が薄く、お金を遣った感覚も薄れがちです。ひどい場合は、買ったことすら忘れて、同じものを再度買うリスクすらあります。
 
利用金額や明細がわかるので管理しやすそうに思えますが、複数枚のカードや複数人の家族の利用は、すべての支出をまとめる作業をきちんとしない限り、総支出がわかりません。現金なら、買い物をして残りの現金残高を見ればすぐにいくら残っているかわかりますが、キャッシュレスだと請求のタイミングがずれるため、銀行口座に預金はあっても、今後いくらがいつのタイミングで引き落とされるのか、きちんと管理をしていないとわかりづらくなります。
 
家計簿や家計簿アプリなどで総支出を管理しなければ、支出の洗い出しや無駄遣いを省くことはできません。
 
また、「ポイントは余禄(おまけ)」と考えてはいけません。もともと買うつもりのなかったものを手に入れる、あるいは使い道がわからないままなくなってしまうなどの原因になり、せっかくついたポイントも、単なる無駄遣いで終わってしまいます。
 

還元ポイントを上手く利用する

では、ここでいうキャッシュレス決済とはどんなものを含むのでしょうか。経済産業省が12月27日に明らかにした決済事業者は、以下の14社です。( )内は加盟店数。
 

【クレジットカード】

三菱UFJニコス (200万超)
三井住友カード  (75万程度)
UCカード    (150万程度)
JCB      (200万超)
 

【電子マネー】

WAON     (40万程度)
nanaco   (35万程度)
Suica    (43万程度)
楽天Edy    (60万程度)
 

【汎用サービス】

楽天       (120万程度)
【スマートフォン決済サービス】
オリガミPay  (2万程度)
Line Pay (10万超)
PayPay   ( - )
 

【決済代行】

Coiney   (5万程度)
Square   (25万程度)
 
ポイントの貯まり方、利用制限や期限、還元方法などは、それぞれ決済事業者により異なります。
 
決済方法は複数あった方が、支払う選択肢が増えて便利な場合もありますが、ポイントという観点のみから見れば、同じカードを利用して還元されるポイントを1~2枚のカードへ集約させた方が、貯めたポイントの管理もしやすく効率的に利用できるといえます。
 
そのためには、生活スタイルなどに応じて自分のよく行く店で使えるものを選び、さらに
「ポイントを現金化できる、あるいはそれに近い利用方法があるものを選ぶ」ことが大切でしょう。
 
仮に5%還元されるとすれば、その還元された5%を現金で受け取ったかのように利用できれば、必要な物やサービスを買い、その買ったものの働きで次の支出が5%引きになる、という効果が期待できます。
 
具体的には、「次の決済の金額の一部にポイントを充当できる」あるいは「ポイントをポイント口座から引き落とし、残額を銀行口座から引き落とす」などのシステムを持つカードを利用し、ポイントを無駄遣いしないようにすると良いでしょう。
 
執筆者:岩永真理(いわなが まり)
一級ファイナンシャル・プランニング技能士
 
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岩永真理

執筆者:岩永真理(いわなが まり)

一級ファイナンシャル・プランニング技能士

CFP®
ロングステイ・アドバイザー、住宅ローンアドバイザー、一般財団法人女性労働協会 認定講師。IFPコンフォート代表
横浜市出身、早稲田大学卒業。大手金融機関に入行後、ルクセンブルグ赴任等を含め10年超勤務。結婚後は夫の転勤に伴い、ロンドン・上海・ニューヨーク・シンガポールに通算15年以上在住。ロンドンでは、現地の小学生に日本文化を伝えるボランティア活動を展開。
CFP®として独立後は、個別相談・セミナー講師・執筆などを行う。
幅広い世代のライフプランに基づく資産運用、リタイアメントプラン、国際結婚のカップルの相談など多数。グローバルな視点からの柔軟な提案を心掛けている。
3キン(金融・年金・税金)の知識の有無が人生の岐路を左右すると考え、学校教育でこれらの知識が身につく社会になることを提唱している。
ホームページ:http://www.iwanaga-mari-fp.jp/



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