公開日:2019.11.26 暮らし

被災時にまずは押さえておきたい支援制度とは

先日の台風により、東日本の各地では甚大な被害が発生しました。悲しいことに多く尊い人命も失われることとなりました。また、何とか命は守れたものの、かけがえのない多くの資産を失った方も多数いらっしゃいます。甚大な被害を受け、仕事はおろか生活さえままならないケースも多いと思います。
 
このような状況から再建するのは簡単なことではありませんが、さまざまな支援制度があることを知っておくだけでも少しは負担が軽減できるのではないでしょうか。
 
園田経人

執筆者:

執筆者:園田経人(そのだ つねと)

株式会社SFPコンサルティング 代表取締役

学習塾在職中に「FP」に出会い、自分自身の未来設計の無さに気付き、大人の進路指導をすべく生命保険会社へ転職。そこで営業を行う中でそもそものファイナンス知識の普及の重要性を痛感し、FPを活用した経営コンサルティング会社を起業。現在、創業支援や中小企業向けの経営支援を中心に活動中。お金に振り回されない未来こそが幸せな未来だと考えます。

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園田経人

執筆者:

執筆者:園田経人(そのだ つねと)

株式会社SFPコンサルティング 代表取締役

学習塾在職中に「FP」に出会い、自分自身の未来設計の無さに気付き、大人の進路指導をすべく生命保険会社へ転職。そこで営業を行う中でそもそものファイナンス知識の普及の重要性を痛感し、FPを活用した経営コンサルティング会社を起業。現在、創業支援や中小企業向けの経営支援を中心に活動中。お金に振り回されない未来こそが幸せな未来だと考えます。

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被災時にまずやるべきことは被害状況の写真を撮ること

被災後に各種支援を受けるためには「罹災証明書」の取得が必要です。罹災証明書とは被害状況を証明するもので、各市町村が現地調査等で確認した事実に基づいて認定されます。保険金の申請や支援制度の利用、支援融資の申請等に必要となります。また、義援金もこの被害状況に応じて配分されます。
 
とはいえ、調査が来るのを何もせずに待つわけにもいきませんので、片付けや修繕をする前に必ず家屋や社屋の外観・内部、敷地や田畑など被害地の写真をたくさん撮っておきましょう。また、見積書や請求書、領収書等も必ず保管しておきましょう。
 
なお、罹災証明の認定に不服があるときは申し出により再調査が実施されることもあります。
 

状況に合わせたさまざまな支援制度

被災状況に合わせてさまざまな支援制度があります。必要な支援を複数同時に受けることができる反面、それぞれの申請手続きが必要になる煩雑さもあります。どのような支援があるか紹介します。
 
(1)災害弔慰金……被災により家族が亡くなった場合(市町村が窓口)
(2)災害障害見舞金……被災により家族が重い障害を受けた場合(市町村が窓口)
(3)生活福祉資金の貸付(緊急小口貸付)……当面の生活費の工面(10万円まで。市町村の社会福祉協議会が窓口)
(4)住宅確保給付金……家賃の支払いについて支援(市町村か社会福祉協議会が窓口)
(5)住宅の被害程度に応じて支給される支援金(基礎支援金)……申請先は市町村
(6)住宅の再建方法に応じて支給される支援金(加算支援金)……建設・購入・補修・賃貸など状況に応じて(5)に加えて支給(申請先は市町村)
(7)雇用保険の失業等給付制度による支援……会社が被災したため失業し収入がなくなった(窓口は公共職業安定所(ハローワーク))
(8)未払い賃金の立替払い……会社が閉鎖され、もらっていない賃金がある(問合先は労働基準監督署)
(9)避難先で生活保護の受給……実家や友人宅に避難している場合にも生活保護を受けられる可能性がある(相談は福祉事務所または弁護士)
(10)災害復旧貸付制度など経営者向け融資制度……会社を経営していたがやっていけなくなった(日本政策金融公庫、取引金融機関、商工会議所、信用保証協会などに相談)
 
その他に、ご自身で保険に加入している場合は、保険金の請求を行いましょう。なお、生命保険や共済、自動車保険の車両保険の中には、保険金支払いがなくても見舞金が受け取れる場合もあります。保険会社に問い合わせてみましょう。
 
また、保険証券を紛失したなど、どこの保険会社に入っていたか分からないといった場合には、生命保険協会および損害保険協会で照会が可能です。
 

さまざまな支払いの期限延長や救済制度

被災して大変なときとはいえ、支払いが滞ると今後の生活に支障をきたすことも多々あります。連絡一つでいろいろとできることもありますので先延ばしにせず早めに問い合わせましょう。
 
(1)住宅ローン、事業ローンが払えない……「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」により支払い免除・減額を受けられる可能性があります。また、住宅ローンについては返済の据え置きや金利引き下げ等の可能性もあります。
 
保険金等で安易に一括返済や繰り上げ返済を選択するのではなく、手元に資金を残しつつ再建するためにもまずは弁護士や各金融機関に相談しましょう。
 
(2)税金が支払えない……納付期限の延長や減免措置等受けられる可能性も。所得税・消費税・法人税等の国税は税務署、不動産取得税や自動車税など県税は県の担当に、住民税・固定資産税などは各市町村に確認しましょう。
 
(3)年金や健康保険料が支払えない……減免の可能性があるので市町村や年金事務局へ問い合わせを。口座振替は止まらない可能性があるのでこちらも市町村や各金融機関へ確認を。
 
(4)公共料金が払えない……電気・ガス・水道・下水道・電話回線・携帯電話・インターネット料金等支払期限の延長や免除等される場合があります。それぞれの契約先に確認してみましょう。こちらも口座振替にはご注意を。
 

紛失物の再発行手続き等も忘れずに

被災により、重要な書類などを失ってしまうこともあります。各種書類や証明書等を紛失した場合の手続きは下記の通りです。
 
(1)通帳……多くの銀行で通帳がなくても本人確認ができれば引き出し可能です。失くした通帳・カード・証書は再発行手続きを行います。銀行印を紛失した場合は印鑑変更手続きを。
(2)クレジットカード……各クレジット会社へ連絡し再発行手続きをしましょう。
(3)実印……さまざまな手続きで必要です。悪用されると大変ですので登録印鑑の変更の手続きは直ちに行いましょう。
(4)土地の権利書など……権利書がなくても売買は可能です。また、権利書だけでは売買はできないので悪用される可能性は高くはありません。権利書と実印と印鑑証明書を一緒に失くした場合は法務局に相談を。
(5)身分証明書……住民票は本人確認がとれれば交付可能。運転免許証は警察にて再発行手続きをしましょう。
(6)健康保険証……健康保険証がなくても必要情報を伝えることで保険適用で受診可能。
(7)亡くなった人の口座がどこにあるか分からない……東日本大震災のときには全国銀行協会が被災者預金口座照会センターを立ち上げましたが、通常時より家族間で情報の共有はしておきたいところです。
 
被災し、片付けや今後の生活の再建で寝る間もなく大変だとは思いますが、とにかく状況証拠として写真をたくさん撮ること、そしてまずは気後れせず早めに各機関に問い合わせや相談をすることが重要です。
 
また、日頃から非常時の連絡先や問合先、通帳やカードなどの個人資産についてもある程度の情報は家族と共有しておきましょう。
 
執筆者:園田経人
株式会社SFPコンサルティング 代表取締役

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